農業情報研究
Online ISSN : 1881-5219
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27 巻, 2 号
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原著論文
  • Jing Du, Ryozo Noguchi, Tofael Ahamed
    2018 年 27 巻 2 号 p. 14-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    The alternate power utilization instead of Internal Combustion Engine (ICE) in an agricultural tractor (AT) was studied by simulation approach for the drivelines of electric battery (EB), fuel cell (FC) and reformed methanol fuel cell (RMFC). The working hours were considered 4 with comparison of weight, volume, soil pressure, and fuel efficiency. In weight comparison, 12% overweight in FC-AT, 16% overweight in RMFC-AT, and 99% overweight of EB-AT were observed for the rated output power of light duty tractor (17.25 kW). Less than 5% overweight of FC-AT and RMFC-AT, and 39%–62% overweight of EB-AT were observed for rated output power of medium and heavy-duty tractor (33.75–75.00 kW). Soil pressure in the root-growing block was observed less than 130 kPa for EB-AT, FC-AT, RMFC-AT in the rated output power from 17.25–75.00 kW. In all the alternatives, ±5% fluctuations in the volume were observed. In the design stage, we proposed, that FC-AT was the best alternative considering weight, volume, and soil pressure. Furthermore, the analytical software AVL Cruise® was used for vehicle drive line system to find out how weight affects the performance for 75.00 kW EB-AT. The analysis was designed for 4 working hours with full load at 20 km/h of velocity using AVL Cruise®. The peak velocity was found less than 14.1 km/h, and constant working time was only 3 hours, because of the severe overweight by EB storage.

  • 伊藤 淳士, 郭 威, 田口 和憲, 平藤 雅之
    2018 年 27 巻 2 号 p. 28-38
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    近年,作物試験圃場などでフィールドフェノタイピングにドローンを活用する事例が増加している.そのような目的を持った空撮においては,低空で複数の画像を撮影しオルソモザイク処理をしたのち,位置情報を付加してGeoTIFFで保存するといった処理が行われる.GeoTIFFは,画像サイズが大きくなる傾向にあり,一般的な画像ビューアでは閲覧が円滑に行えない場合も多い.さらに,ウェブ上でそれらの画像を配信し閲覧させることは非常に困難である.そこで,筆者らはIIIFの技術を活用し,ウェブ上で高解像度画像を円滑に配信する手法を開発した.本手法は,GeoTIFFをあらかじめ地図タイルに変換しておくことで,画像をIIIFの仕様に従い円滑に配信できる.本手法は,配信された画像が既存のIIIF対応の画像ビューアでも閲覧できるという点で汎用性が高い.また,IIIF対応の既存のライブラリを活用し独自のビューアの実装も行い,柔軟性の高い運用が可能であることを示した.

  • 田中 一弘, 南石 晃明, 長命 洋佑
    2018 年 27 巻 2 号 p. 39-52
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/29
    ジャーナル フリー

    本論文では,わが国において将来の普及が期待されるIT(Information Technology)生産管理サービスに対する稲作経営体の評価を明らかにすることを目的とし,稲作経営体・普及主体等を対象にイノベーション採用プロセスの初期段階に着目したアンケート調査を実施した.調査票の設計は仮想カタログ法を用いた.対象は,将来の普及が期待されているITコンバイン・水田センサ・自動給水システム・流し込み施肥機を用いたIT生産管理サービスとした.分析手法は,クロス分析,Mann-WhitneyのU検定,McNemar検定を用いた.分析の結果,IT生産管理サービスで想定されたメリットに対して,稲作経営体の6割以上が関心・試用意向を示していることが明らかとなった.特に,稲作経営体はITコンバインや自動給水機等による「圃場ごとの収量改善」というメリットを高く評価した.一方で,稲作経営体と普及主体の間で,刈取受託に関するメリットの受け止め方に違いがあることが明らかとなった.また,普及主体は水管理における頻度低減メリットに対して,関心はあるが試用推薦したいと思わない場合があることが明らかとなった.これらのことから,新たなIT生産管理サービスの普及モデルを構築する際には,普及主体が稲作経営体の特徴や経営者の特性をより詳細に把握することが重要であることが示唆された.

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