応用生態工学
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25 巻, 2 号
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原著論文
  • 太田 克哉, 熊谷 悠志, 三宅 洋
    2022 年 25 巻 2 号 p. 51-61
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    周辺の人間活動による土地利用が重度に進行した小規模の平地河川ではコンクリート三面張り護岸が施されていることが多い.しかし,平地河川においてコンクリート河床と自然河床との間で底生動物群集を比較した研究はこれまでに見られない.本研究は,愛媛県道後平野を流れる複数の小規模河川にて,コンクリート河床区間および自然河床区間で河川性底生動物とその生息場所に関する調査を実施した.これら河床タイプ間で比較することにより,平地河川のコンクリート河床に成立する底生動物群集とその生息場所環境の特性を明らかにすることを目的とした.2020 年 9 月に愛媛県道後平野を流れる 6 河川で調査を実施した.河床にコンクリートの床固工が施された区間をコンクリート河床区間,その近傍の河床が砂礫で構成された区間を自然河床区間の調査地とした(計 12 地点).各調査区間にて定量的に底生動物を採取するとと

    もに,生息場所環境に関するデータを採取した.一般化線形混合モデル(GLMM)による解析の結果,底生動物の分類群数は自然河床区間よりもコンクリート河床区間で少ないことが明らかになったが,その差は小さかった.一般化線形モデル(GLM)により,分類群数は付着藻類を含む底性有機物量との間に正の関係が見られた.非計量的多次元尺度法(NMDS)による解析による二次元プロットでは,両河床タイプが占める領域は大きく重複しており,群集構造に顕著な差は見られないことが明らかになった.本研究の結果,平地河川におけるコンクリート化が底生動物に及ぼす影響は自然度の高い山地河川と比較して小さいことが示唆された.この原因としては,水質の劣化や河畔林の消失とそれにともなう付着藻類の繁茂等が考えられ,平地河川におけるコンクリート河床化の影響は状況依存的である可能性が示唆された.よって,コンクリート河床による物理環境の単純化の解消は,水質改善等の施策とあわせて進められるべきであるものと考えられた.

  • 湯谷 賢太郎, 佐野 尚毅
    2022 年 25 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2022/12/28
    ジャーナル フリー

    夜間の人工照明は,野生生物に様々な悪影響を及ぼしており,希少種であるトウキョウサンショウウオも夜行性であることから,何らかの悪影響を受けている可能性が考えられる.そこで本研究では,夜間の人工照明が夜行性の本種の移動距離と活動時間に及ぼす影響を明らかにするため,室内実験を行った.実験は,室温を一定に保った恒温室内に観察用の装置を設置して行った.照度の条件は 0,0.01 から 0.03,1 から 3,30 から 50 ルクスの 4 条件とし,観察装置内の本種の夜間行動は赤外線ビデオカメラを用いて観察した.撮影した動画から観察個体の移動距離と活動時間を算出した.移動距離と活動時間は,個体の体重と照度および体重と照度の交互作用を説明変数とし,個体差をランダム効果として加えた線形混合モデルにより解析し,尤度比検定を用いて検定した.移動距離に関する検定では,交互作用,照度,個体体重のすべての変数が有意となった.そのため,体重によ って照度の影響が異なるが,照度と体重により移動距離が影響を受けることが明らかとなった.一方で,活動時間に関する検定では,照度のみが有意となった.モデルを用いて照度の移動距離に対する影響を計算すれば,照度を 0.01 から 0.03 ルクスとした場合は,照明消灯条件と比較して 32 から 42%抑制された.同様に照度 1 から 3 ルクスでは 59 から 78%,照度 30 から 50 ルクスでは 77 から 100%抑制された.活動時間については,それぞれは 32 から 46%,61 から 87%,79 から 100%抑制された.夜間の人工照明は,本種の生息地に影響し,移動距離や活動時間を抑制することで,本種の採餌活動や繁殖機会の減少に繋がる恐れがあり,本種の個体数減少の要因となる可能性がある.

事例研究
  • 多田 正和, 三宅 祐未, 中嶋 佳貴, 伊藤 邦夫, 齋藤 稔, 中田 和義
    2023 年 25 巻 2 号 p. 71-85
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2023/03/10
    ジャーナル フリー

     活動期のナゴヤダルマガエルによる畦畔と休耕田の利用状況を明らかにすることを目的とし,2017年7~11月に野外調査を実施した.岡山県倉敷市内の調査地に23地点の調査地点を設定し,調査地の水田の農事暦を踏まえて,「中干し前」,「中干し中」,「中干し後」,「稲刈り前」,「稲刈り後」の5期間でナゴヤダルマガエルの定量的な捕獲調査および物理環境調査を行った.畦畔については,ナゴヤダルマガエルの選好環境を検討するため,調査地点内で本種が確認された「中干し中」から「稲刈り前」の期間のデータを対象とし,ナゴヤダルマガエルの個体数を目的変数,各物理環境要因と調査時期を説明変数として一般化線形モデルを用いた解析を行った.

     調査で確認されたナゴヤダルマガエルの合計個体数は,畦畔では「中干し前」の個体数が最も多く,その後は「稲刈り後」まで減少傾向が続いた.全捕獲個体数(139個体)の93%を占める129個体が,植被率60%以上の畦畔で確認された.一方,休耕田の全調査地点での合計個体数については「中干し前」で最も多く,「中干し後」までは減少したが,「稲刈り前」に個体数が増加し,その後は「稲刈り後」に減少した.一般化線形モデルを用いた解析の結果,ナゴヤダルマガエルの個体数に対してカバー率と被覆型植物(表土を覆う面積が大きく,地表面を這うように生育する植物)の植被率に有意な正の効果が認められ,その効果は被覆型植物の植被率で高かった.

     以上の結果から,ナゴヤダルマガエルは畦畔に加えて休耕田も生息場所として利用するが,畦畔と休耕田では生息場所としての利用状況が農事歴に応じて異なっていることが明らかとなった.また,ナゴヤダルマガエルの保全においては,植被率60%以上の畦畔を維持することが重要と考えられた.

短報
  • 丹羽 英之
    2022 年 25 巻 2 号 p. 87-96
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー

    水田や水路の構造や水管理の状況を水深として,面的かつ適時に把握できれば,水生生物とって重要な環境要因として,生息環境の分析に新たな可能性を示すことができると考えられる.本研究では Low Altitude Remote Sensing(LARS)により算出した水指標を用いて,水田や水路の水深を予測できるかどうかを検証することを目的とした.京都府亀岡市曽我部町の水田約 26 ha を調査対象地とした.DJI Matrice 300 に MicaSense Altum を搭載し撮影した.撮影画像はフォトグラメトリで処理しオルソモザイク画像を作成した.近赤外波長と緑波長から Normalized Difference Water Index(NDWI)を算出した.UAV による撮影の直後1 時間内に,調査範囲内で水田や水路・江の水深を計測した.GIS で,水深計測地点の NDWI を抽出し,水田と水路・江を区分し,水深と NDWI の直線回帰式と決定係数を算出した.湛水している水田は NDWI が相対的に高かった.1 筆の水田でも NDWI に差があり,江は NDWI が相対的に高かったことから,NDWI により水田の水深の不均質性や江などの退避水域の有無が把握できることが明らかになった.ある 1 つの回帰式を汎用して水深を予測することは困難なことがわかった.本研究の方法では,灌漑期の全期間で水深を予測することは困難であるが,調査対象地の水田の状態によっては水深の予測が可能で,特にカエル類の繁殖時期や中干しの開始時期の水深が予測できることによって,水生生物の生息環境の新しい分析が可能になると考えられる.

レポート
特集 砂浜生態系における自然的・人為的攪乱の影響と環境配慮―東日本大震災における仙台湾南部海岸の事例を中心として―
序文
原著論文
  • 塩澤 直人, 柚原 剛, 由水 千景, 冨樫 博幸, 陀安 一郎, 占部 城太郎
    原稿種別: 原著論文
    2023 年 25 巻 2 号 p. 115-128
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    砂浜海岸では,海藻や海洋生物遺骸などの有機物が漂着供給され,一方,陸からは海浜植物群落や沿岸林から有機物がもたらされる.したがって,砂浜海岸に生息する甲殻類・昆虫類などの節足動物は,海起源有機物と陸起源有機物の双方を直接あるいは間接的に餌資源として利用していると考えられるが,各有機物への寄与率は良くわかっていない.そこで,砂浜海岸に生息する節足動物の炭素・窒素・硫黄の安定同位体比を調べることで,砂浜生態系の栄養基盤としての海起源・陸起源有機物の相対的重要性やその空間構造への影響を明らかにすることを目的とした.調査は,2019 年 9 月に仙台湾の新浜海岸と閖上海岸で行った.汀線から陸にトランセクトを曳き,その線上の複数地点にベイトを入れたピットフォールトラップを設置して海浜動物を採集した.採集個体および打ち上げ海藻や海浜植物,後背地の内陸植物を加えて,炭素・窒素・硫黄安定同位体比を分析した.次いで,海浜動物に対する栄養源として,打ち上げ海藻,海浜植物,内陸植物への寄与率をベイズ統計による安定同位体混合モデル MixSIAR により推定した.安定同位体分析の結果,新浜海岸と閖上海岸ともに,節足動物は幅広い安定同位体比(炭素・窒素)を示したが,炭素安定同位体比は陸域植物と海藻類の間の値を示した.一方,硫黄安定同位体分析ではスナガニやハマトビムシ科が海藻と同様の高い安定同位体比を示したが,昆虫類では低く,生物群によって海起源有機物への依存度が異なった.MixSIARによる栄養寄与率は,新浜海岸と閖上海岸ともに,ゴミムシダマシ科とスナガニでは海起源有機物の寄与率が高かった.オオハサミムシでは,汀線からの距離にかかわりなく,防潮堤手前で採集された個体でも海起源有機物の寄与率が高い場合があった.このことから,砂浜に生息する節足動物は陸上起源の有機物だけでなく,栄養基盤として海起源有機物にも強く依存していることがわかった.

事例研究
  • 鷲田 なぎさ, 佐藤 高広, 鈴木 碩通, 占部 城太郎
    原稿種別: 事例研究
    2023 年 25 巻 2 号 p. 129-140
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    東日本大震災の津波で被災した仙台湾南部海岸において,UAV(ドローン)により海岸を空撮することで漂着物の海岸内での分布状況を季節的に計測することを試みた.調査は,環境配慮の一環で堤防の位置をセットバックしたエリア(a地区)と同じ地区でセットバックしていないエリア(b地区)で実施した.調査にあっては, UAV を用いて調査地区ごとに汀線から堤防までの範囲で垂直画像を取得して PC 上で拡大し,海岸漂着物の座標と種類を自然物と人工物に分けたうえで,10 種に分類し,目視により識別して計数した.解析は,調査期間を通じて各漂着物の割合や地区ごとに各漂着物の季節変化を調べ,汀線から堤防にかけた海岸での分布パターンを記述した.調査の結果,流木が 70 %と漂着物の多くを占めた.これは,流木流出起源となる河川の河口が近隣にあるためだろう.全体の 30 %を占める人工物(海岸ゴミ)の中では両地点ともプラ・ボトルが 40 %と最も多く,次いで木材,発泡スチロールが多かった.漂着物の量的関係を調べるため主成分分析を行ったところ,第 1 - 第 2 主成分の固有ベクトルから,流木及び木材の動態は良く似ており,また,発泡スチロール,ゴム・ビニール及び浮き・旗も互いに良く似た動態を示すことがわかった.一方で,プラ・ボトルの第 1 - 第 2 主成分の固有ベクトルは,これらグループの中間の値を示した.この結果は,流木等の漂着が,プラ・ボトルなどの海岸ゴミもトラップすること,すなわち海岸付近の河川整備ではそれらをむやみに放置しないなどの措置が必要なことを示唆している.今回の調査から,仙台湾南部海岸の漂着物の特徴について UAV を用いた空撮画像から把握出来ることがわかった.将来的には,AI を用いた漂着物の識別など,解析の自動化を図り,さらに広範囲での海岸監視が可能になると期待できる.

  • 黒沢 高秀
    原稿種別: 事例研究
    2023 年 25 巻 2 号 p. 179-188
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    ハマナスなどを保全するために防潮堤を約 50 m 陸側にセットバックした仙台湾南部海岸深沼北工区の一部(仙台市宮城野区岡田)の海岸において,保護上重要な植物や侵略的外来植物の種類や生育状況など植物多様性保全上の基礎情報を得るとともに,仙台湾における海岸植物の多様性の視点からこの海岸の重要性を評価し,セットバックの効果を確認することを目的に,植物相調査を行った.その結果,63 種の維管束植物の生育が確認された.23 種の帰化植物および逸出植物のうち,侵略的外来植物は 14 種であった(表 1).その中でオオハマガヤとイタチハギは調査地の海岸の生態系に悪影響を与えていると考えられ,特に対策が必要であると思われる.ハマナスは,元海側堤脚だった砂丘上の 1 箇所の約 30 m×15 m の範囲に群生し,毎年開花や結実が多く見られるのが確認された.このことから,セットバックを行った当初の目的のうち,少なくともハマナスの保全に関しては,十分に効果があったものと考えられる.海岸植物は,ハビタットが砂浜等とされる植物が 14 種,岩場等とされる植物が 1 種の合計 15 種が確認された.セットバックを行った海岸に,この地域に生育が期待される砂浜等の植物の全ての種の生育が確認された.そのため,この海岸をこのまま適切に保全することは,この地域の砂浜等の植物多様性上の意義が大きいと思われる.

総説
  • 黒沢 高秀, 岡 浩平, 松島 肇, 平吹 喜彦
    原稿種別: 総説
    2023 年 25 巻 2 号 p. 141-159
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    宮城県内の海岸防災施設復旧事業における生物多様性保全に関する事業や取り組みの経過と,それらの事業や取り組みがなされた場所で行われた研究や評価について解説した.宮城県内の海岸防災施設復旧事業における生物多様性保全に関する事業や取り組みとしては,防潮堤に関して復旧事業取りやめ・高さの見直し,砂浜や生物多様性保全目的のセットバック,堤体の覆砂が,海岸防災林に関して盛土を回避した保護区の設置,盛土上への海岸砂の播きだしが行われた.このような多様な生物多様性保全に関する事業や取り組みが多くの場所で行われたのは,宮城県における海岸防災施設復旧事業の特徴と考えられる.また,生物多様性保全(砂浜の保全を含む)に関する要望者や提案者に住民や環境 NPO が多く含まれる点,生物多様性保全に関する事業や取り組みに多様な専門分野の多くの専門家が関与したこと,複数の生物多様性保全に関する事業や取り組みが行われた場所があることなども特徴であると考えられる.これらの生物多様性保全に関する事業や取り組みの多くに関しては,生物多様性保全への効果がほとんど検証されておらず,これらの調査と検証が急務である.宮城県では多様な生物多様性保全に関する事業や取り組みが行われおり,様々な種類の事業の検証や評価に適した地域と思われる.また複数の事業が隣接して行われた場所もあることから,相乗効果や異なる環境の連続性確保の効果などを調べる場としても貴重であると考えられる.

レポート
  • 萱場 祐一, 八木 恵里, 土井 康義
    原稿種別: レポート
    2023 年 25 巻 2 号 p. 161-177
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    東日本大震災後に実施された仙台湾南部海岸における海岸堤防の復旧に当たっては,国土交通省東北地方整備局が設置した「仙台湾南部海岸環境対策検討委員会」での審議に基づき様々な環境保全対策が行われた.本稿では,検討委員会で議論された内容を踏まえ,海岸堤防復旧に際して行われた環境保全対策の経緯,考え方,実施内容を記録するとともに,環境保全対策の効果と課題について考察を行い,今後発生する河川,海岸における自然災害とその後の災害復旧における環境保全対策の参考に資することを目的とした.海岸堤防の堤内地側へのセットバックを含む環境保全対策には一定の効果があったと推察された.ただし,環境保全対策エリアの設定,具体的対策の妥当性については今後検証の必要性が認められた.また,検証に必要な環境モニタリングが短期で終了した点も課題として挙げられた.

  • 佐藤 高広, 土井 康義, 鈴木 雅人, 樋村 正雄, 沖津 二朗, 三宅 孝明, 塩澤 直人, 川崎 敦, 竹門 玄地, 町田 禎之, 萱 ...
    原稿種別: レポート
    2023 年 25 巻 2 号 p. 189-206
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/25
    ジャーナル フリー

    仙台湾南部海岸の深沼地区では,東日本大震災後の海岸堤防の復旧工事において,海岸堤防の法線を堤内地側へ移動する(セットバック)を含む環境保全対策が行われた.応用生態工学会仙台では,砂浜生態系および生物群集に対する環境保全対策の効果を評価するために,2018 年度(平成 30 年度)に「仙台海岸環境モニタリングプロジェクト」を立ち上げ,2019 年度(令和元年度)から深沼地区における砂浜生態系の状況の追跡調査を開始した.2019 年は 8 月に,物理環境調査,植物調査(コドラート調査,注目種調査),陸上昆虫類等(昆虫類以外の節足動物も含む)調査を実施した.調査の結果,生物(植物および陸上昆虫類等)の生息・生育要因については汀線からの距離,地盤高との関係性を確認した.また,環境保全対策の一つとして堤防のセットバックを実施した A エリア(海浜性生物の回復が顕著で,物理環境面から海浜性生物にとって潜在的に良好な生息域)では,堤防工事から 10 年経過した現在も,海浜性生物にとって潜在的に良好な生息域が維持されていることが明らかとなった.一方で,再生の核と位置付けた A エリアからの生物の広がりを期待した C エリアは,A エリアほどの潜在的に良好な生息域には至っていなかった.応用生態工学会仙台では 2020 年度以降も毎年,追跡調査を実施している.今後は,海岸堤防が植物の種子の移動分散や陸上昆虫類等の徘徊,飛翔に及ぼす影響,飛砂や波浪に及ぼす影響をより詳細に調査し,堤内地に影響が及ぶメカニズムの解明を進めたい.

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