教育社会学研究
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89 巻
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論稿
  • 森 一平
    89 巻 (2011) p. 5-25
    公開日: 2012/12/03
    ジャーナル フリー
     本稿は,「知っている」ということがいかなることであるのか,このことを,それが成立するための条件を問うことで,明らかにしようとするものである。この条件とは,「知っている」という記述が,状況において適切なものであるための条件である。本稿ではこの条件を,相互行為の組織のされ方のなかに見出していく。
     本稿ではこの問いをとりわけ,IRE 連鎖に着目することで解いていく。IRE 連鎖は,「知識の確認」のために用いられることが知られており,そのときそれは,「知っている」ということを前景化する装置になる。この場合,IRE 連鎖の成立条件を問うことが,「知っている」ということの成立条件を問うことと重なるのである。
     本稿では,「概念分析としての相互行為分析」という方針のもとで,相互行為が分析される。概念分析とは表現同士の結びつき方の分析であり,相互行為の分析も,行為の記述表現同士の結びつき方を明らかにすることによって検討することができる。この点で,概念分析と相互行為分析の方針は一致することになる。
     相互行為の分析を通して明らかになるのは,「知っている」ということが,「知らない」ことの可能性を条件として,初めて成立する現象であるということである。「知らない」ことの可能性は,さまざまな実践的課題に導かれながら,多様なあり方で現出することで,「知っている」という言語ゲームを多重的に構成している。
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  • 上床 弥生
    89 巻 (2011) p. 27-48
    公開日: 2012/12/03
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は,中学校における生徒文化とジェンダーの関係に注目し,ジェンダーを軸としたピア・グループの分化とそれによる秩序形成・維持のメカニズムを明らかにすることである。
     その際,本稿では Wieder の「コード」概念を援用し,中学校での学級観察と生徒へのインタビュー調査から,生徒同士が共有するジェンダーに関するコードを「ジェンダー・コード」として抽出し,分析に用いた。
     分析の結果明らかとなったのは,中学校の教室では,生徒の行動をコントロールするコードとして,男子と女子との間の距離化や男子優位の上下関係で行為を説明するジェンダー・コードが,圧倒的に重要なものとして存在していたことであった。フォーマルな学校教育においてはジェンダーが回避されているにも関わらず,生徒たち自身が,行為解釈のなかでジェンダー秩序を維持していたのである。
     もちろん本調査でも,ある場面をめぐって男子と女子で解釈に用いるコードが対立し,ジェンダー・コード自体が揺らぐこともあった。しかし,その場合でも,生徒による再解釈過程を経て,ジェンダー・コードはさらに修復・維持されていった。
     このように,本稿ではジェンダー・コードが,特に中学校の教室においてはいかに秩序維持と分かちがたく結び付き,また生徒同士の関係性においても重要なものとして機能しているのかが示されたのである。
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  • 白川 俊之
    89 巻 (2011) p. 49-69
    公開日: 2012/12/03
    ジャーナル フリー
     現代高校生の教育期待の分化要因を検討する。日本で教育達成ないし教育期待を分析した先行研究では,女性の進路の決定に関して男性ほど学校タイプや成績が重要な役割を果たしていないこと,しかしそうした男女の差異は次第に解消に向かい男女いずれにとっても成績や学校タイプにもとづく進路の分化が中心となってきていることが報告されている。こうした男女の共通化をもたらす背後要因として,先行研究は教育拡大による女性の4年制大学への進出を指摘する。本稿は進路規定構造の変化の要因をさらに踏み込んで考察し,進学校にかよう女性の進路の変更(短大→大学)と,大学進学に有利な上位校への女性の進出とが,女性の進路分化における業績原理の浸透を帰結した具体的な仕組みである可能性を示す。そして,その結果として現代高校生の教育期待の分化構造において,高校/短大以上の区分以上に短大以下/大学の区分で男女共通の構造が見出されるという予測を導出する。
     2003年の PISA を用いたデータ分析から,学校タイプが教育期待を規定する効果は男性に比べて女性で小さいものの,そうした性別特殊性が見られるのは短大を含めた高等教育への進学期待に限られ,大学進学への期待に目をやると男女共通の傾向があらわれることが明らかとなる。また出身背景が学校タイプを介さずに直接,教育期待を規定する働きは女性でやや大きいものの,効果の基幹部は男女に共通している。
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