目的: 外側翼突筋 (以下LPt) の形態は, 屍体解剖による肉眼観察によって明らかにされている。医用画像を用いた観察では, CTを用いた報告も散見されるが, MRIを用いた報告は少ない。本研究ではMRIにて, LPtを非侵襲的に観察することを目的とした。
方法: 顎関節部に自覚的症状をもたない成人21名を被験者とし, MRI装置Signa Horizon LX
(R) (1.5T, GE, USA) を用いて, Fast Gradient Echo法でLPt部の3次元データ収集を行った (slice厚, slice間隔ともに1.0mm, TR=9.6ms, TE=4.0ms)。Exavision lite
(R) (Zio, Tokyo) を用いて多層再構成像で下記の3項目を観察, 計測した。1) 両側LPtの体積2) LPt下頭の走行角度3) LPtの形態的観察
結果と考察: 1) LPtの体積について, 右側が有意に大きな値を示した。2) LPtの走行角度について, Axial sliceにて両側LPt下頭は, ほぼ直交していた。3) 形態について, 2頭筋と3頭筋があり, 約80%が2頭筋であった。以上の結果から, MRIによるLPtの形態観察は, 有効な方法であることが示唆された。
抄録全体を表示