福礬土礦は安山岩質浮石の主成分たる破璃が膠化し,礬土に富化せられたものであつて,徑1~3糎に達する淡黄褐色の塊片に分れ,厚さ1.7米前後の厚層を成し,段丘面上少くとも數十平方粁の廣範圍を被ひ,礦量實に數千萬瓲,これを水中に攪伴すれば,膠化部は容易に懸游し,その中の輝石,斜長石,磁鐵礦等の斑晶は,浮石の膠化を免れた部分や.安山岩質細片と共に分離する。この膠化部を乾燥すれば極めて微粉末より成り,これをIIO°Cに乾燥するも,なほ若干の水を含み,顯微鏡下に非晶質,X線的にも非晶質で,珪酸35.47%に對し,礬土39.I8%,水26.47%を含む。よって原礦を水中に攪伴,節別して汰盤に送り,この膠化部を選別し,礬土の原料に供せられる。この浮石の膠化部は,然らざる部分に比して比重並に孔隙率を半減し,著るしい實質の膨慢を示してゐる。
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