標題の接触変成帯は,泥質岩中の変成鉱物の組合せにもとづいて,黒雲母帯ときんせい石帯とに2分される。きんせい石帯はさらに2つの帯に分けられ,緑泥石と白雲母との共生関係が認められるものをきんせい石1帯,認められない場合をきんせい石II帯とよぶ。きんせい石II帯の高変成度部には,ざくろ石が頻繁にみとめられる地域が広く分布し,これを「ざくろ石帯」とした。ざくろ石の出現は,母岩の総化学組成の違いに影響されており,この「帯」は等化学的な変成分帯による帯ではない。
以上4つの帯の変成鉱物の化学的変化,共生関係の変化を調べ,各帯を分ける変成反応を提案した。
従来言われていた「ざくろ石+カリ長石帯」は,本地域では在存しない。
Arakawa 荒川
Fukazawa 深沢
Gorozawa ゴーロ沢
Kurokawa 黒川
Norogawa 野呂川
Takane 高嶺
Yakejizo 焼地蔵
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