禅定寺山累層を構成する火山岩類は火山活動の末期に大規模な火山角礫岩類の貫入をうけている。これらの角礫岩類の性状を詳細に検討した結果,その生成が火山体内における陥没構造の形成と密接な関連のあることが明らかとなった。おそらく,角礫岩類はマグマ溜り中における沈降した安山岩塊およびH
2Oとマグマとの混成,大規模なガス爆発,上方への流動化,などの過程を経て形成されたものであろう。いわゆる割目噴出を行なった火山地域にも,このように構造線の方向に延びた陥没構造の認められる事実は注目に値する。なお,火山岩類は環状の割目にそって同一マグマ起源と考えられる深成岩類の貫入をうけている。
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