珪酸塩系のdynamical crystallizationに衝いての従来の実験の研究では,核形成密度
N(単位体積あたりの粒子数)およびみかけの成長速度
R*(結晶のさいず⁄時間)しか測定されていなかった。マグマ中での結晶成長は,溶液相からの成長であるから,これらはそのまま核形成速度
I,および“真”の成長速度
Rには対応しない。岩石の組織を解析するためには,
Iおよび
Rが必要である。あるいは,すくなくとも
I, Rと
N/t, R*の関係を知っておく必要がある。そきで,本研究では,安達太良火山のソレアイト質玄武岩を試料とし,
ΔT10°~140°C,
t15min~48hrsの範囲で一連の実験を行なった。結晶化した唯一の相は斜長石(An
75)で,これについて,
N, R*, I, Rを測定し,またモルフォロジーの変化をしらべた。
N, R*体
ΔT関係とは異なり,
Rの極大よりも高温測にずれることが明らかになった。斜長石のモルフォロジーも,
ΔTの増加に伴ない多面体結晶,骸晶,樹枝状結晶,球晶と変化し,全体の傾向はLofgrenらのえた結果と一致するが,モルフォロジーの変化は,より狭い温度範囲内で起る。
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