岩石鉱物鉱床学会誌
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70 巻, 1 号
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  • 坂本 尚史, 大塚 良平, 今井 直哉
    1975 年 70 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1975/01/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    釜石鉱山・新山550m準の佐比内向北部坑道には,小規模な緑色スカルン帯を伴なう結晶質石灰岩が広く発達している。筆者らの1人(今井)はその擾乱帯に発達する淡紅白色の粘土に注目した。その後の室内研究により,この粘土はスチブンサイトを主とし,少量の方解石を伴なうことが明らかにされた。その粘土フラクション(<2μ)の化学分析の結果から,020(OH)4の陰電荷をもとにして求められた構造式は以下の通りである。
    (Mg5.62Mn0.022+Fe*0.07Al0.03)(Si7.85Al0.15)O20(OH)4 •Ca0.27 •Na0.04 •nH20. (ただしFe*=Fe2++Fe3+)
    この論文では,このほかにその陽イオン交換能,X線回折データ,熱分析データ,赤外吸収スペクトル,電子顕微鏡像および電子線回折パターンが示されている。この粘土は鉱化作用の晩期においてMgやSiO2などを含んだ熱水液から,結晶質石灰岩の割目に直接沈澱したものであろうと推定される。
  • 庄子 貞雄, 小林 進介, 山田 一郎, 増井 淳一
    1975 年 70 巻 1 号 p. 12-24
    発行日: 1975/01/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    日本各地から年代の比較的新しい降下火砕堆積物を多数集め,その中に含まれる強磁性鉱物を検討したところ,微量成分であるVとZn含量が堆積物の岩質と密接な関係にあることがわかった。降下時に分級作用を受け,またその後の風化作用を受け易い堆積物では年代がたつにつれて岩質の判定が困難となる。したがって風化に対して安定な強磁性鉱物のV-Zn含量はこのような堆積物の岩質判定に有効である。また珪酸含量による降下火砕堆積物の化学的分類を行い,珪酸含量と他の化学成分との間に密接な相関のあることを明らかにした。
  • 宮久 三千年, 石橋 澄, 足立 富男
    1975 年 70 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 1975/01/05
    公開日: 2008/08/07
    ジャーナル フリー
    Malayaite is found in the contact skarn zone of Toroku mine, Miyazaki Prefecture. The crystals are commonly granular to massive shape, but sometime crystals show platy to wedgelike aspect, which reach to 3cm in length. Color is white to greenish gray. Luster is resinous. Fluoluminescence of greenish yellow color is observed, when on ultraviolet ray. The refractive indices are α=1.764, β=1.784-1.786, γ=1.801 and 2V (+) 84-86.
    Chemical formula calculated from the analysis is:
    Ca0.978Sn0.980Ti0.002 Si1.002O5.000
    which is in good accord with Ca (Sn, Ti) SiO5.000 of sphene-malayaite series.
    Genetic considerations of ore-forming minerals, and problems of tin-mineral dressing are also discussed in this paper.
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