古遠部鉱山黒鉱鉱床上盤は厚層の玄武岩によって構成されている。この玄武岩は相内鉱山より当地地域にかけて広い分布を示して発達し,「相内玄武岩」と称され,第三紀中新世の海底噴出溶岩流である。
本岩につき顕微鏡観察,X線及び示差熱分析試験等により,粘土鉱物の解析を行い,且つ分光分析により微量元素の特性を検討したものでその結果次の様な構成粘土鉱物及び変質状況が判明した。
(鏡下の特徴) (粘土鉱物) (変質作用)
上部↑ A,D型無変質帯
B (a). B (b) C各型細lath帯〓‥‥Mg-緑泥石
(Mg・Fe緑泥石を含む)
B(a). B(b). C各型粗lath帯‥‥‥‥‥‥Fe・Mg緑泥石〓‥‥自己変質
粘土帯‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥Fe・緑泥石・絹雲母‥‥‥熱水変質
鉱床 鉱床
鉱床上盤に緑泥石の帯状分布が,玄武岩の自己変質及び熱水変質作用により形成され,鉱床に沿う玄武岩の破砕粘土化帯があり,この帯はFe-緑泥石絹雲母の生成から熱水溶液の影響を受けて居ることが明らかで,鉱床の成因と関連を有する現象と考えられる。
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