本研究の目的は、前立腺全摘除術後の排尿障害に対する骨盤底筋群体操の効果と意義を明らかにする事である。 対象は、骨盤底筋群体操非施行群28名と体操施行群(尿道狭窄をきたした例を除く) 11 名である。排尿障害の項目はIPSS (International prostate symptom score) に基づく7項目に「尿意の知覚」を加えた8項目とし、各々質問紙を用いて調査した。項目①「排尿後の残尿感」③「2時間以内の頻尿」④「尿線途絶」⑦「排尿時のいきみ」において有意差がみられた。特に「排尿後の残尿感」は、退院時(即ち術後体操開始後後約2週間目)・退院後1ヶ月・3ヶ月において有意な改善を見た。又、体操施行群においては尿失禁の重症者は認めず、更に日常生活行動への影響としては、旅行を止めた人はいなかった。この事から、排尿障害に対する体操施行は意義があったと思われた。 従来諦めと共に放置されていた前立腺全摘除術後の排尿障害に対し、積極的に骨盤底筋群体操を指導する必要性が示唆された。
本研究の目的は、ストーマリハビリテーションにおけるWOC認定看護師のケア行動を分析し、その特徴を明らかにすることである。研究方法は、質的帰納的研究方法を用いて、WOC認定看護師の行動をその目的、特徴という側面から分析した。その結果、130のコードが抽出され、51のサブカテゴリ、21のカテゴリ、さらに5つのコアカテゴリが形成された。5つのコアカテゴリの内容は、【Ⅰ.ケアリングを基盤とする熟練した看護技術の提供】、【Ⅱ.ストーマおよび皮膚障害の予防・改善のための経験・専門知識、情報の統合による卓越したケア実践】、【Ⅲ.セルフケア確立に導くための具現的な患者数育とその個別化】、【Ⅳ.障害の適応に向けた患者・家族への心理的支援】、【Ⅴ.質の高いストーマケアの円滑化に向けた看護師間・他職種間との協働・教育】であり、WOC認定看護師が洗練された知識・技術を提供し、患者・家族の障害に適応する心を育て、セルフケア能力を引き出し、他職種と共にストーマリハビリテーションの目的・目標に向かった質の高い行動の内容を示していた。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら