日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
9 巻, 2 号
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第14回日本創傷・オストミー・失禁研究会教育講演
原著
  • 吉川 由利子
    2005 年 9 巻 2 号 p. 4-9
    発行日: 2005年
    公開日: 2023/01/26
    ジャーナル 認証あり

     【目的】糖尿病性下腿潰瘍の治療を実施した2型糖尿病患者で、透析患者と非透析患者では病態と生活環境に差異があるかを明らかにする。
     【対象と方法】2002年5月~2004年11月にD病院形成外科外来を受診した2型糖尿病患者で、糖尿病性下腿潰瘍・壊疽と診断され治療を実施し、調査研究に同意が得られた患者を対象とした。透析患者をケース群(1群)とし、性・年齢(±5歳)が一致した非透析患者をコントロール群(2群)とした。方法は、診療録からの情報収集・質問紙を用いた面接調査および研究者による下肢観察調査を行った。
     【結果】対象者は52名で1群は21名、2群は31名で、平均年齢は63歳であった。局所の病態において両群で差を認め、特に動脈硬化予測値・下肢動脈閉塞の可能性を示す検査値について、1群で有意に高かった。一方、2群では、初診時、全例が創傷ステージIII以上で、創傷治療日数は有意に長かった。また、両群をあわせて32%が新たな部位に創傷再発を認め、83%に感覚障害があった。日常生活では、両群とも約半数が歩行補助具を使用しているが、患者自身で足の観察が可能であったのは約5割であった。創傷予防・管理には、1) 透析患者の下肢血管状態の評価を定期的に行い、2) 神経障害と歩行補助具の評価を適切に行い、3) 患者の足観察能力を高める指導を行うことが重要である、と考えられた。

症例報告
資料
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