日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
13 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
巻頭言
第18回日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会教育講演
第5回ET/WOCブラッシュアップセミナー教育講演
原著
  • 祖父江 正代, 三輪 恵美, 大岩 美紀, 前川 厚子
    2009 年 13 巻 2 号 p. 17-25
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/01/26
    ジャーナル フリー

     目的:褥瘡発生率を1%未満を維持するためのデータと情報活用の視点を明らかにする。
     対象:岐阜県内のA病院の褥瘡対策チーム(以下、チーム)。
     方法:質的研究手法を用いて1998年4月~2006年3月のチーム会議録および活動分析報告書からデータと情報活用の視点を抽出し、カテゴリ化した。
     結果:データと情報活用の視点は、①【褥瘡ケア上の問題点の明確化のための発生時に着目した正確なデータ収集と情報化】、②【発生部位、創の形状、予防ケア状況から分析した環境・ケア要因の抽出】、③【患者個々の環境・ケア要因の集積による院内の褥瘡対策上の問題点と課題の抽出】、④【病期と環境・ケア要因に基づく焦点化した課題の抽出と取り組み】、⑤【ワンデー調査による病期と各体圧分散寝具適応者数から体圧分散寝具の種類と数の整備】、⑥【PDCAサイクルに基づいた継続的改善活動とフィードバック】の6のカテゴリと1のサブカテゴリ『褥瘡ケアによる経済的効果を示した体圧分散寝具購入の交渉』に集約された。
     結論:患者個々の適正なデータと情報をもとにPDCAサイクルを活用して患者個々、部署、院内全体の課題を明確にし質の改善を図るという視点で褥瘡発生率を1%未満に維持していた。

  • 田中 結華, 高見沢 恵美子
    2009 年 13 巻 2 号 p. 26-33
    発行日: 2009年
    公開日: 2023/01/26
    ジャーナル フリー

     回腸ストーマ造設者のセルフケア自己効力感を適切に測定し、適応と適応に関連する要因を明らかにすることを目的とした。
     回腸ストーマ造設者のセルフケア自己効力感尺度の作成を行うために、20歳以上の回腸ストーマ造設者15名に半構成的面接を行った。内容分析の結果得た89コードおよびBekkersらの尺度をもとに専門家の検討を経て無記名自記式質問紙を作成した。
     ついで、セルフケア自己効力感尺度の信頼性・妥当性の検討、適応に関連する要因を検討するため、回腸ストーマ造設者152名を対象にオストメイト自己適応尺度、作成したセルフケア自己効力感尺度、自尊感情尺度、ソーシャルサポート尺度、STAIなどを内容とする質問紙調査を行い、138名から有効回答を得た。
     因子分析の結果、セルフケア自己効力感は「ストーマセルフケア自己効力感」、「社会生活セルフケア自己効力感」の2因子で構成され、信頼性と妥当性を確認した。また共分散構造分析の結果、適応に有意に関連する要因として、ストーマセルフケア自己効力感、社会生活セルフケア自己効力感、特性不安、状態不安、自尊感情、ソーシャルサポートの7因子から成るモデルが得られた。適応には社会生活セルフケア自己効力感が直接関連し、ストーマセルフケア自己効力感は間接的に関連していた。適応の促進には社会生活セルフケア自己効力感を高める看護介入が重要と考えられた。

症例報告
資料
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