日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
5 巻, 2 号
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第10回日本創傷・オストミー・失禁ケア研究会特別講演
総説
原著
  • 山本 亜矢, 鈴木 愛美, 赤池 こずえ
    2001 年 5 巻 2 号 p. 12-16
    発行日: 2001年
    公開日: 2023/02/13
    ジャーナル 認証あり

     本研究の目的はストーマ装具費用がオストメイトのQOLに及ぼす影響を明らかにし、今後のストーマ医療、社会的サポートに反映させるための指標を得ることである。オストメイトQOL調査票及び独自に作成した質問紙を用いて、経済的側面のQOLを調査した。
     対象は160(男性125、女性35)名で、平均年齢は64.3歳、ストーマ保有年数は平均5.2年であった。オストメイトQOL調査票総得点の平均得点は125.1点、経済的側面の平均得点は6.0点であった。補装具交付券給付あり(n=112)と給付なし(n=43)の比較では日常生活の経済的圧迫感に有意差はなく、装具にかかる経済的自己負担感(p<0.01)で有意差があった。給付額7,500円以上(n=79)と7,500円未満(n=33)でも装具にかかる経済的自己負担感(p<0.05)で有意差を認めた。また、追加購入額5,000円以上(n=32)と5,000円未満(n=42)の比較でも装具にかかる経済的自己負担感(p<0.01)で有意差を認めた。
     補装具交付券給付の有無、給付額差、自己負担額差は、経済的側面のQOLに影響を与えていた。すべてのオストメイトが平等で十分なサービスを受けられるような社会的サポートが必要であると考える。

  • 岡部 みどり, 武井 実根雄
    2001 年 5 巻 2 号 p. 17-21
    発行日: 2001年
    公開日: 2023/02/13
    ジャーナル 認証あり

     本研究の目的は、尿失禁患者67名を対象に質問票を基に尿失禁状態がもたらす強い不満の要因とQOLへの影響を明らかにすることである。分析対象は、64名であった。切迫性尿失禁の群と腹圧性尿失禁の群との比較で、QOLへの影響は、健康観を除いて両群の間に有意差はみられなかった。KHQにおけるQOLへの影響において、切迫性尿失禁の群は、精神面を中心に不満を抱えており、腹圧性尿失禁の群は、精神面及びパッドの交換等の煩わしさや社会活動の制限への影響に不満を募らせていた。不満の要因は、切迫性尿失禁の群では、尿失禁や排尿の頻度で、腹圧性尿失禁の群では、尿失禁の頻度とその対処行動であった。ⅡQの感情5項目との関連では、両群とも尿失禁の影響によって、神経質・不安、心配、欲求不満で相関がみられた。尿失禁の病態によって強い不満が生じる要因は異なった。治療と共に、患者個々が持つ鬱屈した心情を少しでも軽減させるような関わりが必要とされていることが示唆された。

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