コロストメイトのQOL及びストーマ適応度を分析し、国際間の比較やそれらに影響する因子について検討した。対象は、C県のストーマ装具販売店においてストーマ装具を購入しているコロストメイト131例で、健康関連QOLのSF-36とストーマ適応尺度のOstomy Adjustment Scale(OAS)について郵送にて回答を得た。データの分析には、t検定、重回帰分析を行った。 健康関連QOLは「体の痛み」の項目以外で国民標準値より低く、OASでは米国及びスウェーデンの既報の結果と比較し低いことが明らかとなった。QOL及びストーマ適応度に影響する因子については、「皮膚障害有り」がこれらの低下に関係している可能性があることが明らかとなった。 今後、コロストメイトのQOL及びストーマ適応度の改善には皮膚障害の対策によりいっそう力点をおくべきことが示唆された。
【目的】炎症性腸疾患(以下、IBDとする)とともに生きていく患者の親の視点を明らかにする。【対象と方法】IBDの子どもを持つ親を対象とし、無記名自記式調査票を用い、郵送法によりデータを収集する。倫理的配慮については、倫理審査を受けた後、研究の趣旨とプライバシー保護の厳守を文書で説明し、同意を得られた対象者に調査を実施する。親が記入した自由記載項目を抽出し内容分析する。【結果】カテゴリーは《不確実な病気の経過と人生なりゆき不安》《わが子への思い》《IBD治療開発と研究に対するニーズ》《IBDの症状とコントロールによる苦悩や気遣い》《IBDサポートシステムへのニーズ》《医療費補助に対するニーズ》《経済的不安(医療費・生命保険など)》《医師に対するニーズ》の8つに分類した。親は子と同様に、IBDの症状コントロールに悩み、将来への不安を抱きつつ、成長を見守る視点を持ちながら生活していることが明らかとなった。【まとめ】IBDの患者と家族に関わる関係者は、親の心理的負担を軽減し、客観的な視点で子を見守ることができるよう支援していくことが重要である。
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