【目的】東海大震災が警告される中で、当該地区で活動するKオストミークラブ会員における災害対策の準備状況について明らかにする。
【対象と方法】Kオストミークラブ会員302名を対象とし、無記名自記式調査法を用い、郵送法によりデータを収集した。倫理的配慮は倫理審査を経た後、研究趣旨と守秘義務を文書で説明し、同意を得た上で調査を実地した。災害対策準備に関する項目を抽出し内容分析した。
【結果】対象者は211名、回収率は69.9%であった。平均年齢は68.5(SD11.2、幅34~91)歳、ストーマ手術後平均経過年数は12.7(SD10.1、幅0.4~66.8)年であった。災害に対して準備をしているのは150名(71.1%)、ストーマ装具と必要物品、装具商品名、緊急連絡先・病院・身体障害者手帳番号のメモを準備しているのは43名(20.4%)、灌注排便法のみ実地しているのは16名であることが明らかとなった。また、災害対策についての自由記載内容は《非常持ち出し袋の準備》《2週間以上の装具の備蓄》《分散保管》《寝室に保管》の4つのカテゴリーに分類した。
【まとめ】ストーマ保有者個々が認識すべき災害への準備を促すことが重要である。さらに、医療機関から遠ざかったストーマ保有者には、Kオストミークラブを通じた継続教育の働きかけとネットワークの強化が必要といえる。
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