【目的】ストーマ保有者の自己適応の過程とそのパターンを明らかにする。
【対象と方法】対象者は術後3年未満の大腸がんによる結腸ストーマ保有者15名とする。Ostomate’s Self Adjustment Scale ver.2(以下、OSAS 23)を含む質問紙調査および①術前、術後、退院後に感じていたこと、②現在の心境などについて半構造化面接を行い量的・質的デザインで調査した。
【結果】ストーマ保有者の自己適応の過程を表すデータから、10のカテゴリと1の概念が抽出された。【日常生活やストーマ局所管理に対する不安】,【日常生活やストーマ局所管理の経験と新たな生活パターンの取り入れ】,【ストーマを保有した状態での生活への自信】の段階で、自己適応パターンは異なり、便の漏れなどに対する不安が続き、生活への自信が生まれない場合には、生活を著しく制限して生活の再構築を図っていた。さらに、日常生活制限している群は、していない群にくらべてOSAS 23得点が有意に低かった。
【結論】結腸ストーマ保有者の自己適応には、手術前後の不安やストーマ造設後の生活体験とその取り込み、前向きに考えようとする努力などの過程を経て自己適応していることが明らかとなった。また、自己適応として4つのパターンが抽出され、これまでの便の漏れ体験が影響して日常生活を制限している群は、していない群にくらべてOSAS 23得点が有意に低かった。
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