日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
15 巻 , 1 号
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第6回ブラッシュアップセミナー講演
第19回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会シンポジウム
原著
  • 祖父江 正代, 前川 厚子, 竹井 留美
    2011 年 15 巻 1 号 p. 46-54
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/05/10
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     【目的】がん終末期患者の褥瘡発生および軽快あるいは治癒に対する意味づけとケアへの期待を明らかにする。 【対象】褥瘡発生もしくは他院や在宅から褥瘡を保有しているがん終末期患者で、褥瘡に軽快を認め面接可能な者。 【方法】対象者の背景、創の状況、褥瘡の発生および軽快あるいは治癒したときの思い、褥瘡ケアに対する思いに関する半構造化面接を行い質的分析で調査した。倫理的配慮として、対象者に個人が特定されないよう配慮することなどを説明し、研究の同意を得たうえで患者の病状も考慮して実施した。【結果】①対象者は12名で男性5名、女性7名であった。平均年齢は66.0(SD11.3、幅45~95)歳であった。②NPUAP分類による褥瘡深達度はstageⅠが1例、stageⅡが5例、stageⅢが6例であった。褥瘡転帰は治癒が8例で、治療期間は平均14.6(SD7.4、幅7~28)日であった。③褥瘡に対する意味づけとケアへの思い:褥瘡発生によって“死”を、褥瘡の軽快や治癒に対して“生”を表す意味づけをしていた。ケアに対して【傷やがんによる苦痛からの解放への願い】や【褥瘡ケアと症状緩和との間で揺れるジレンマ】を抱いていた。【結論】がん終末期患者は褥瘡発生によって“死”や“生”を意識していた。また、苦痛があることを理解したうえでの褥瘡ケアを望んでいた。

  • ―チーム医療の取り組みに焦点を当てて―
    松原 康美, 稲吉 光子
    2011 年 15 巻 1 号 p. 55-64
    発行日: 2011年
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル フリー

     アクションリサーチ(Action Research;AR)の方法論を用いて、多職種チームで取り組んだストーマ周術期ケア改善のプロセスを明らかにした。調査期間は2009年8月~2010年3月で、研究フィールドはA大学病院、ARチーム(以下チーム)の構成メンバーは、多職種からなる実践者7名と研究者2名であった。方法は、チームで毎月定例会を開催し、ストーマ周術期ケアにおける問題点と改善策について対話した。チーム以外の意見を聴取しながら問題点を明確化し、改善策を実践するために必要な協力者、環境整備、スケジュールなどを検討した。チーム全体で具体的な計画を立て実施前にチームメンバーが同職種に説明し、現場の状況をみながら実施の可能性を判断した。定例会では毎回、実施後の評価と改善策の修正を行い、お互いに内省する時間を設けた。その結果、ケア改善のプロセスは、問題の明確化、計画と実施、評価と内省を繰り返しながら、1)現状の問題点と実現可能な改善策の探索、2)環境整備とスタッフの協力、3)外来での術前教育実施と関連部門との調整という、3つのサイクルをたどった。改善策を実施する過程において、チームの取り組みは組織全体へと波及していった。AR法を用いたプロセスを通して、チームの問題解決への意識は高まり、相互の理解が深められ、チーム医療の推進にもつながることが示唆された。

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