本研究の目的は、看護師が日常行っているドレッシング交換に対するケア介入を行い、褥瘡周囲皮膚のバリア機能への影響を検証することである。
対象は65歳以上の患者でおむつ使用、仙骨部にNPUAP分類StageⅡ~Ⅳで滲出液のある褥瘡を保有する患者28名(男性10名、女性18名)である。使用ドレッシングの内訳は、ガーゼ使用群14名、創傷被覆材使用群14名である。バリア機能の指標として経表皮水分喪失量(Transepidermal water loss以下TEWL)を測定した。
ガーゼ使用群は1日4回ガーゼを上層から観察し、滲出液によるガーゼ汚染が創辺縁部の大きさよりも周囲に拡大していればガーゼを交換することとした。創傷被覆材使用群は、貼付日数の短縮または1日の交換回数を増やした。これらのケア介入を6日間連続で実施した。TEWLの測定は開始時、3日後、6日後に行った。
結果はケア介入後、ガーゼ使用群と創傷被覆材使用群の褥瘡周囲皮膚のTEWLは、実験開始時と6日後ではともに有意に低下し、バリア機能の改善が認められた(P<0.05)。
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