本研究の目的はストーマ装具費用がオストメイトのQOLに及ぼす影響を明らかにし、今後のストーマ医療、社会的サポートに反映させるための指標を得ることである。オストメイトQOL調査票及び独自に作成した質問紙を用いて、経済的側面のQOLを調査した。
対象は160(男性125、女性35)名で、平均年齢は64.3歳、ストーマ保有年数は平均5.2年であった。オストメイトQOL調査票総得点の平均得点は125.1点、経済的側面の平均得点は6.0点であった。補装具交付券給付あり(n=112)と給付なし(n=43)の比較では日常生活の経済的圧迫感に有意差はなく、装具にかかる経済的自己負担感(p<0.01)で有意差があった。給付額7,500円以上(n=79)と7,500円未満(n=33)でも装具にかかる経済的自己負担感(p<0.05)で有意差を認めた。また、追加購入額5,000円以上(n=32)と5,000円未満(n=42)の比較でも装具にかかる経済的自己負担感(p<0.01)で有意差を認めた。
補装具交付券給付の有無、給付額差、自己負担額差は、経済的側面のQOLに影響を与えていた。すべてのオストメイトが平等で十分なサービスを受けられるような社会的サポートが必要であると考える。
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