農作業研究
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49 巻, 4 号
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研究報文
  • 佐々木 豊, 渡辺 輝夫, 中西 幸峰, 谷尾 昌彦, 建石 邦夫, 深見 公一郎
    2014 年 49 巻 4 号 p. 143-154
    発行日: 2014/12/20
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    1)水稲乾田直播栽培の場合,出芽率はDS強鎮圧区が最も高くなるが,収量は全ての試験区で有意差を出現しなかった.コムギ栽培の場合,2008年から2010年の3年間の収量はDS弱鎮圧区がいずれの年度で最も高い.ダイズ栽培の場合,2009と2010年での出芽率と収量は,DS弱鎮圧区とDS強鎮圧区の比較で有意差を出現しなかった.
    2)水稲乾田直播,コムギ,ダイズの栽培において,深さ0∼5cm層の土壌体積含水率はいずれもDS強鎮圧区が最も高く,次いでDS弱鎮圧区,DS無鎮圧区の順番となり,播種層鎮圧の強さの順番と一致した.
    3)イネ,コムギ,ダイズの出芽率と土壌体積含水率の関係は,いずれの作物とも土壌体積含水率16%付近で出芽率を最も高くする予測となった.水稲乾田直播栽培において,DS強鎮圧は出芽率を高くする.コムギ栽培における播種層の土壌体積含水率は,14∼26%の範囲になるため,土壌体積含水率が16%よりも低ければ鎮圧を強くし,高ければ弱くする判断が必要となる.2010年と2011年での調査結果より,ダイズ栽培も,土壌水分に合わせて播種層の鎮圧の強弱判断をする必要がある.
    4)小明渠浅耕鎮圧播種の鎮圧は,深さ約6∼8cmまで土壌をち密にし,毛細管現象により土壌水分を高くすることが,土壌硬度の調査から明らかになった.播種層の鎮圧は実施してから約3ヶ月後まで土壌水分を高くする効果を保持する.
  • 佐々木 大, 村上 則幸, 林 怜史
    2014 年 49 巻 4 号 p. 155-161
    発行日: 2014/12/20
    公開日: 2015/06/20
    ジャーナル フリー
    携帯型NDVIセンサの特性を明らかにすることで,センサを用いた可変施肥や生育診断,品質予測などへの応用に向けた基礎的知見を得ることを目的とした.試験にはGreenSeeker Handheld Crop Sensor (GHCS)(株式会社ニコン·トリンブル)を用いた.牧草から得られたデータから,センサ値と植被率およびSPAD値の間には高い相関関係が認められ,センサ値から植被率とSPAD値を推定できると考えられた.植被率が98%以上と高い場合においては,センサ値はSPAD値に大きく寄与することが明らかとなった.コムギの場合,センサ値から植被率と茎数が推定できることが明らかとなった.ダイズにおけるセンサ値と植被率およびSPAD値との相関関係は,牧草より低くなった.本実験で取り扱ったダイズの多くが,植物体の上位で展開している葉の葉色が極めて薄く,葉に毛茸が多く,さらにデータ取得時に裏返った葉が存在しており,ダイズの葉の反射率が葉の状態によって異なったことが要因であると推察された.葉色の極端に薄い作物や品種,葉の毛茸が多い作物や葉の構造が特殊な作物に対して,GHCSを用いる場合についての留意点を今後検討する必要がある.
特集:日本農作業学会創立50周年記念シンポジウム─農作業の過去と未来・光と影─
資料
日本農作業学会50周年企画─今後の日本農作業学会について─
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