北海道における農作業事故発生件数の第4位であるポテトハーベスタについて,挟まれおよび巻き込まれ事故に着目して,事故が発生した機械上の部位と事故発生時に機上選別作業者がどのような作業をしていたかを分析した.784件のポテトハーベスタ事故調査データのうち,挟まれおよび巻き込まれ事故が全体の約60%を占めていた.また,挟まれ事故の44%,巻き込まれ事故の63%がローラ部やコンベア部などの回転部分で発生しており,対策が必要であると考えられた.回転部分で発生した挟まれおよび巻き込まれ事故に着目すると,挟まれ事故の31%,巻き込まれ事故の42%は収穫作業中に茎や土塊,石などの夾雑物を除去する作業時に発生していた.これはエンジンを停止せずに,夾雑物を取り除こうとした際に,回転部分に指や腕などが挟まれるまたは巻き込まれることが原因であると考えられた.回転部分での挟まれおよび巻き込まれ事故の低減策として,(1)無人選別,(2)夾雑物が溜まりにくい機械構造,(3)作業者の危険源への接近検出による一時停止や作動力低減,(4)緊急停止装置,(5)夾雑物自体の削減が有効と考えられた.