農作業研究
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45 巻, 2 号
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研究論文
  • 鈴木 由美子, 岡本 博史, 平田 聡之, 片岡 崇, 柴田 洋一
    2010 年45 巻2 号 p. 99-109
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/12/15
    ジャーナル フリー
    本報では,カバークロップの機能性の評価基準となりえる構成草種および刈取り時草量の空間分布をハイパースペクトル画像解析により推定した.ここでは,取得した画像の各画素をNDVIにより植物と土壌に判別し,植物領域を抽出した.次に,植物領域の各画素に草種判別モデルを適用してBO, HVおよび雑草に判別した.その後,草量推定モデルにより,各区画の草種別草量を推定した.その結果,以下のことが明らかとなった.
    1)ステップワイズ変数選択を用いた線形判別分析により開発した草種判別モデルは,検証時総合判別率が78.3%であった.分光スペクトル類似性の高い草種間での誤判別がいくつかみられたが,概ね正確に判別できた.
    2) PLS回帰分析により開発した草量推定モデルは,BOおよび雑草の低草量領域でやや過大評価,高草量領域でやや過小評価の傾向があったものの,概ね推定が可能と判断できた.また,説明変数に波長情報(分光スペクトル)と空間情報(草種植被率)の双方を利用することで,より高い精度で推定できた.
    3)生成した草量推定マップでは,HVおよび雑草は概ね実圃場の状態を反映していたが,BOは低草量領域で過大評価の傾向が見られた.しかし,これらは草量推定モデルの推定精度の向上を図ることで,改善されると考えられた.
    4)以上の結果より,ハイパースペクトル画像解析によるカバークロップ圃場の構成草種判別および草種別草量分布推定の可能性が示された.
研究報文
  • 高橋 仁康, 窪田 潤, 亀井 雅浩, 奥野 林太郎, 藤本 寛, 安武 正史
    2010 年45 巻2 号 p. 111-118
    発行日: 2010/06/15
    公開日: 2010/12/15
    ジャーナル フリー
    水田転換畑でヒマワリ栽培を行う場合,湿害が起こりやすく,また使用される麦・大豆用播種機は扁平で不斉一なヒマワリ種子の播種に適していない.この問題に対し,湿害には簡易畝立て方式で,播種機は部品交換して使用するヒマワリ用播種ロールで対応し,現地にて播種を行った.
    現地営農組合に貸与したヒマワリ用播種ロールを使用した圃場と,慣行圃場の立毛間隔を比較したところ,前者では適正な株間が59.6%であったのに対し,後者では37.1%と大きな差が見られた.開発したヒマワリ用播種ロールは,平成21年度より現地に15個が普及し,平成21年11月より市販されている.
    簡易畝立て方式は耕うん爪の配列を変えた既存の耕うん機を使用し,耕うん底からの高さ22.8 (±1.0)cmの畝を形成し,日雨量90mmの降雨でも冠水することはなかった.ヒマワリの根を切らないよう20cm程度まで耕うん幅を狭くした中耕・除草方式が,無除草区より収量が高く,またN成分10kg/10aを追肥すれば,収量増が見込めることを確認した.
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