1) 20kW級のトラクタに装着しサトイモの畝溝を走行しながら培土作業を行うトラクタ直装型培土機を開発し,培土作業の省力化を図った.
2)培土機は溝掘ロータリ成形機をベースとして,ロータリづめの形状と配置,ロータリカバー,分草桿の開発改良を行った.
3)土壌含水比52.3%および57.7%の圃場を22kWのトラクタで作業速度0.20m/s, ロータリ回転数316rpmの条件で培土作業した場合,理論作業量は0.16ha/hであった.
4)培土機の耕深と培土高さの関係は,土壌含水比35~59%かつ耕深51~166mmで培土高さは34~170mmと直線的に変化し相関係数0.95であった.また,ベース機と比較して約2倍の培土高さを得ることができた.
5)培土高さ100mmを得るためには変化量を考慮し耕深149mmが必要であったが,培土機で十分対応でき所期の目標を達成した.
6)新栽植様式による栽培の収量は慣行栽培より少なく無培土栽培と同等であった.しかし,市場の需要が高いMサイズ以上のいもや丸いもの重量割合が無培土栽培より高く,慣行栽培と同等であった.
7)乗用トラクタでの追肥・培土作業が可能となり担い手の高齢化への対応した軽労化作業の見通しを得た.
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