後退翼前縁付近の流れを模擬できる後退円柱を用いて実験的に乱流遷移の研究を行っている.特に広いレイノルズ数範囲で後退角を変化させ, 流れ場に影響を与えにくい液晶フィルムを用いた可視化法を用いて詳細な測定を行った.その結果, 後退角65°付近に一番小さな遷移レイノルズ数が存在し, 本実験の測定範囲内では
Λ=65°で一番遷移が早まることがわかった.かつ遷移領域では乱れの増加はほとんど無いが, 熱伝導率は増加することなどが判明した.特に感温液晶を用いた流れの可視化は, 流れ場そのものを乱すことが少ないために遷移の研究を行う上で有効な手段であることが判明した.
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