旋回を伴う円管流れの旋回の減衰, 旋回流のピッチおよび圧力損失を検討するため, 入り口形状が相似であり, 大きさの異なるまっすぐな円管を用いて, 実験を行った.先ず, 管直径の60倍に及ぶ長い円管内で, 管入り口部の旋回強度を広範囲に変えて, 旋回角, 速度および圧力分布の測定を行い, 旋回の減衰と旋回流のピッチについて検討した。旋回強度の表示には従来から用いられているスワール数
mと管壁近傍の旋回角Θ
swを併用して, 旋回の減衰を整理した.その結果, 旋回強度を表示する際スワール数のみならず, 管壁近傍の旋回角Θ
swが有効であることが明らかになった.さらに, 旋回角の分布より, 旋回の減衰に伴う各半径における旋回流のピッチの下流方向への変化を求めた結果, 旋回流のピッチは管壁側で長く, 管中央部で短いことが定量的に明らかになった.次に, 旋回強度と圧力損失の関係を明確にするたあに, 管直径および旋回発生装置の大きさがほぼ1/3のスケールであり, 滑らかで, かつ管直径の120倍以上に及ぶ長い円管を採用して, 壁圧の測定を行った.畠沢は旋回を伴う円管流れの圧力損失は旋回発生装置の影響を受ける入り口距離, 旋回の影響の残る過渡領域および管摩擦の三つより成ると考えた式を提案しているが, 本研究ではさらに全圧力損失に占める圧力損失の各成分の割合を明確にし, 全圧力損失に及ぼす旋回の影響について検討した.その結果, 案内羽根流入型では, 入り口距離はおおよそ管直径の15倍であり, 旋回の減衰とともに, 旋回の影響を受ける過渡領域の圧力損失は減少する.一方, 管摩擦の占める比率が増大することが明らかになった.ここではそれらの結果について報告する.
抄録全体を表示