南九州地域の一般大気測定局では, 二酸化硫黄 (SO
2) が環境基準の100ppb (1時間値) を度々こえて観測されている.この原因として, 桜島, 雲仙, 霧島新燃岳などの活火山や人為起源, または大陸起源が考えられるが, その中で最も大きな影響を与えていると思われるのは, 1日当たり110~3500トンという莫大なSO
2の放出量が観測されている桜島からの火山ガスである。本研究では, 南九州地域におけるSO
2高濃度事象のメカニズムを解明するため, 高濃度イベントと桜島の火山ガスの関係を気象条件との関連で解析した.その結果, 当該地域における高濃度事象のほとんどは桜島起源であることが確認され, それには日射による混合層の発達が影響を及ぼしていることが明らかになった.また, 桜島島内のSO
2高濃度事象には違ったメカニズムが存在することも分かった.
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