うすい流体膜をはさんで相対している2平面が互いに接近し合う運動をすると, 面内の流体は側方へおしだされ, 流体内に圧力が発生する.この現象は, スクイズ・フィルム効果と呼ばれ, 流体潤滑において負荷容量発生の要因のひとつとなっている.
流体の慣性を考慮したスクイズ・フィルム効果の解析は, レイノルズ数を摂動パラメータとする近似解法が用いられてきたが, レイノルズ数の高次の項まで求めることができない.
本研究では, ナビエ-ストークスの式とスクイズ運動の条件式を差分法で直接解けるような形に変形し, ニュートン法を用いて解いた.レイノルズ数の十分大きな範囲まで解析できるようになり, また, 従来の方法では解析できなかったスクイズ運動の開始時と終了時の過渡現象を解析することができた.
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