回折や多重反射が著しい波の場を解析する際, Green関数法は有力な手段となる.しかしながら, 波浪場への適用における開境界での解の接続条件が不充分なたあ, 解析の精度が低下している場合もしばしば見られる.本論文においては, 開境界における解の接続に関して厳密な考察を行い, 両翼防波堤の開口部を通過する波について, 厳密解であるMathieu関数解との比較を通してその妥当性を検討した.開境界における振幅勾配のみを接続する従来の方式では, 回折現象を正しく再現できないが, 振幅と振幅勾配の双方を接続することによって厳密解とほぼ一致する数値解が得られた.

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パッシブスカラーを伴う減衰等方性乱流の空間格子点数5123の直接数値シミュレーションにより得られた流れ場を可視化して, 乱流中の様々な空間的微細構造の形成過程を明らかにした.乱流渦度場は初期に与えられた大規模構造がまずシート状構造に集中し, 次にこのシートが巻き上がって, 渦管 (worms) が形成される.他方, パッシブスカラーはその高勾配領域がシート状構造に集中する.また, 従来見過ごされていた局所低渦度領域にもwormsが存在すること, およびworm周りの循環がBurgers渦の値で近似的に表せることを示す.さらに, エネルギー散逸率分布および温度散逸分布の自己相似性を図示し, エネルギー散逸とスカラー散逸のジョイント・マルチフラクタルを取り扱う.

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有限流路内の2次元丘陵地形を過ぎる安定成層流に関して, strong stratification (1<K (=NH/πU) ≦2, ただし, Nは浮力振動数, Hは流路深さ, Uは一様流速) で観察される地形周囲流の周期的な非定常性に注目して詳細な検討を行った.本研究ではReynolds数Re=2000で高解像度の計算格子を用い, 差分法による直接数値シミュレーション (DNS) を行った.その結果, 地形周囲流の周期的な非定常性は, 強弱の循環を有し地形上流へ1つの渦のように放出される1次モードのcolumnar disturbanceに伴い, 地形のすぐ前方の近寄り流れが周期的に変形する結果生じていると考えられる.また, その非定常性に対してReynolds数や流路深さと地形高さとのプロッケージ比などが強く影響することを示した.

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