78歳,男性。会陰部の皮下結節を自覚してから1年後に近医を受診し,当院皮膚科を経て当科紹介受診となった。視診や触診に加え,超音波検査では内部血流を伴わない境界明瞭な低エコー像を認め表皮囊腫の術前診断となった。
初回手術時は皮下結節の直上を紡錘切除し,皮下結節を摘出,病理組織学的検査で基底細胞癌,断端陽性と診断した。初回切除より38日後,初回の術後瘢痕より5 mmマージンで切除し,人工真皮を貼付した。後日,断端陰性を確認後に単純縫縮した。最終手術から2年経過しているが再発は認めていない。会陰部は表皮囊腫の好発部位とはいえず,特に中年以降においては,表皮囊腫を疑うような皮下結節であっても悪性の可能性を考慮した部分生検や全切除生検が必要であると考えた。
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