画像電子学会研究会講演予稿
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画像電子学会第238回研究会講演予稿
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
開催日:2008年3月14日 会場:東京工芸大学
10:05-11:50 座長:向井 信彦(武蔵工業大学)
  • 前野 雄一, 藤井 知彦, 山口 健, 吉川 浩
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-01
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    我々は計算機合成円筒ホログラム(Computer - Generated Cylindrical Hologram : CGCH)により,360度全周から観察できるホログラムを実現した.これはフレネルタイプのホログラムで全方向に視差があり,3次元物体を提示するディスプレイとして非常に有用な特性を示した.しかし,提示できるものは静止物だけであり,エンターテイメントには向かない.そこで,オブジェクトデータを視点ごとに変えることで,水平方向にアニメーションをするアニメーテッド計算機合成ホログラムの作製を行い良好な結果が得られたので報告する.
  • 伊藤 倫久, 藤井 知彦, 山口 健, 吉川 浩
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-02
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    近年,計算機の性能が著しく向上しており,それに伴い高解像度の計算機合成ホログラムの作製が可能となってきた.以前の報告では,ホログラム用プリンタであるフリンジプリンタを用いることで10ギガピクセルを超えるホログラムの作製を行った.これにより,広い視域を得ることに成功した.しかし,以前までフレネルホログラムには隠面処理が施されていなかった.そこで,本研究では隠面処理を施した高解像度の計算機合成ホログラムの作製を行った.また,作製したホログラムをマスターとして赤と緑レーザを用いて転写することで,マルチカラー化2)も行った.これにより,高解像度マルチカラーホログラムにおいて良好な再生像が得られたので報告する.
  • 戸塚 真隆, 佐藤 甲癸
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-03
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    パーソナルコンピュータとWebカメラを用いた、リアルタイム表示を目指した計算機合成ホログラフィ(キノフォーム・Lee型ホログラム)のパターン作成とシミュレーションによる再生像の作成、及び光学的再生像を検討します。
  • 趙 洪明, 佐藤 甲癸, 高野 邦彦, 藍 天
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-04
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    We devised the space screen which sprayed a smoke particle on air space in a study of the animation holography that I used a DMD panel last year for namely the stereo image projective technique that reflected a hologram on solid screen. As a result, it was proved that I could observe a stereo image. However, a water particle had a short time when it continued functioning as screen after it was sprayed on air space, and density of screen was light.
  • -1台のビデオカメラでも簡単にズームもマクロも可能で2D/3D兼用立体撮影 -
    竹内 幸一
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-05
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    2つのレンズで撮影する立体カメラは2つの画像の大きさや位置をあわせるのに大変な作業でした。ズームやマクロ撮影は出来ない。しかもその映像は10分も見ていると自然さがなく強調立体で目が疲れてしまった。立体の要件を研究してくると、通常言われている立体撮影の鉄則である2つのレンズの間の視差距離65ミリでは強調立体になってしまい目が疲れていた。それを一挙に解決したのが38年前、1つのレンズ口径内の視差を活用した立体撮影の思いつきである。単レンズ微小視差立体カメラでズームもマクロも可能で試作完成したのが最近である。右目、左目に画像を分ける立体メガネをかけて居ない人が見ても、元は一枚のレンズによる画像なので左右の絵が重なっても二重像にならない。2D・3Dコンパチビリティもある。カメラの操作は焦点合わせもズーム操作もマクロ撮影も普通のカメラと同じで簡単で立体画像が長時間見やすいと言う今までにないカメラが出来た。
  • 伊藤 哲雄, 安室 喜弘, 眞鍋 佳嗣, 千原 國宏
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-06
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    近年,多くの工場において生産方式が多品種少量生産へと移り変わっている.多品種少量生産では,品種や工程の数に対応して作業工程や作成するマニュアルが増加するため,製品やマニュアルの作成負担を軽減することが望まれている.マニュアルとしてCG による作業動作を提示することで,作業者は作業の様子を様々な位置視点から見ることができ,作業の詳細を知ることができる.本研究では,CG マニュアルに用いる,道具を扱うといった作業を行う動作を簡単な入力で生成することを目的とする.動作の生成には,入力作業が少なく,計測データを必要としない逆運動学による手法を用い,道具の扱い方に注目した動きの制約を加えた逆運動学の解法によって,作業動作の生成手法を提案する.
  • 大原 一人, 渡部 秀一, 岡田 浩行, 芥子 育雄, 尾上 孝雄
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-07
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    動画サムネイルによるマルチ表示は,映像コンテンツに対する潜在的なニーズを顕在化させ得ることから,ユーザが所望の映像コンテンツを選択する映像アクセスにおける直感的なユーザインタフェースとして有用である.しかし,多数の映像コンテンツについてリアルタイム処理により動画サムネイルを生成するためには,複数ストリーム処理時の処理量が膨大となる.本研究では,複数ストリーム処理時の処理量を低減し,かつ一時的な処理量の増加に対応可能なマルチストリームデコード技術を提案する.特に時間的に変化するデコード処理の負荷を均一化する負荷分散技術について検討し,その効果を検証する.
13:30-14:30 座長:檜山 茂雄(多摩美術大学)
  • 川添 和人
    原稿種別: 招待
    セッションID: 07-06-08
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    今日の映像はコンピューターの画像処理や表現技術により、豊かな情報文化をもたらしています。一方、見る人の目も進み、臨場感や違和感選別の能力ももちあわせています。メディアの違いや、技術的な進化の中で、作り手として、時代感覚・表現と感性に葛藤している先端の方の考えを伺い聞く機会としました。特別招待講演者 川添和人氏は、1959年生まれ。早稲田大学卒業後、特撮工房アニメーションスタッフルームに12年ほど在籍し、この間アニメーションからミニチュア製作、モーションコントロールカメラの開発、特殊美術デザイン、コンピューターグラフィックスに至るまで様々な特撮技術を駆使し、TVCMを中心に数多くの映像制作に携わりました。95年“有限会社スペイシィ”を設立以降、映画「スパイ・ゾルゲ」「海は見ていた」「梟の城」『プライド“運命の瞬間”』などのVFXスーパーバイザーや、ミュージックプロモーション、ゲーム開発、WEBコンテンツ制作、イベントの企画などに映像のジャンルを広げながら、現在、株式会社スペイシィプロダクツを有しての、CG業界の先駆者としてご活躍されています。
14:50-16:20 座長:吉川 浩(日本大学)
  • 増田 隆, 高橋 時市郎, 師井 聡子
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-09
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    著者らは,すでにFacial Action Coding System(FACS)に基づく表情アニメーションを制作した.FACSは顔の表情動作の最小単位(アクションユニット)を組み合わせることで表情の細部を個別に制御することができる.しかし,著者らの前研究において,顔の表情を表現するのに重要となる頬のしわを表現することが困難であった.これは顔モデルを制作する際に,ポリゴンの流れを考慮していなかったためである.本稿では顔モデルのポリゴンの流れを考慮して,顔モデルを再び制作し,笑ったときや怒った時に生じる頬のしわなどを表現した表情アニメーションを制作した.
  • 佐久間 昭夫, 勝村 大, 谷村 知洋, 田口 博之, 安 ベヌア 友章, 安田 龍徳, 増田 隆, 高橋 時市郎
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-10
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    江戸開府から400 年が過ぎた現代の東京では,江戸時代からの木造建築物はほとんど無くなり,新しい鉄筋コンクリートの建築物が立ち並んでいる.江戸に関する文献や当時の古地図などから当時の生活の一部を想像することはできるが,現代の町並みからは江戸時代の歴史的な町並みを窺い知るのは困難である.そこで,江戸時代の町並みとその町並みに対応する現在の町並みを3DCG で再現し,両者を比較できるようにした.小・中学生の教育の場や,東京を訪れる観光客に用いられるようなデジタルアーカイブコンテンツの作成を目指している.本稿では,復元するための諸技術と,復元した町並みのウォークスルー映像について述べる.
  • 山神 謙太, 師井 聡子, 高橋 時市郎
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-11
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    キャラクタアニメーションを実現する際に,リギングという制作工程は大きな課題となる.キャラクタモデルの動作制御のために必要なリグは,キャラクタモデルの身体的特徴や実現したい動作によって異なるため,状況に合わせて適したリグを検討する必要がある.しかし,リギングで発生する問題,及びその解決方法は,多く公開されているわけではない.そのため,初学者にとって多くの試行錯誤を必要とする敷居の高い制作工程となっている.本研究では,3DCG 制作ソフトウェアであるMAYA を用いてキャラクタモデルに対してリギングを行い,キャラクタモデルの各部分に発生する問題を明らかにし,解決方法を提案する.
  • 加藤 康寛, 向井 信彦, 小杉 信
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-12
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    景観シミュレーションを対象とし,視点からの距離に応じて波のモデルを分けることにより,河川の下流における水面波のリアルタイム表現手法を検討した. 近距離景では,波の詳細表示を行うためにストークス波を波のモデルとして採用し,川岸での反射を考慮した波の変化を表現した. 一方, 中距離景や遠距離景においては, cos波を波の簡易モデルにすると共に,バンプマッピング法による波の疑似的表現を行うことで高速化を図った. 但し, 風の影響は遠距離でも視認できるため、全ての距離景で考慮した.結果として, 約42,000のポリゴン数で構成される川のリアルタイム表現が可能であることが判った.
  • 加藤 健吾, 向井 信彦, 小杉 信
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-13
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    水中における物体の屈折を表現する代表的な手法として,レイトレーシング法とリフラクションマッピング法がある.レイトレーシング法は正確な屈折を表現することが可能であるが,多大な計算時間を要する.一方,リフラクションマッピング法は予め計算された周囲環境の画像を用意し,光の屈折に応じたマッピングを行うため比較的高速な表示は可能であるが,動的変化を伴う場合のリアルタイム表示は困難である.そこで,物体を構成する頂点座標のみをスネルの法則により屈折計算し,その間を線形補間することで,水の上で揺れる物体の屈折を実時間で表示する手法について検討する.
  • 中田 栄
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本研究は大学生への映像制作課題の評価を通して、映像表現における音楽・効果音の役割を質的に検討することを目的とする。まず、映像と音響をベストマッチさせた作品が最も高く評定された。それを踏まえて、映像表現の効果音の重要性について検討した。映像表現において感動をもたらした場面についての評価の質的検討を行った結果、シナリオの起承転結の明確さと音響を加えるタイミングの適切さがあげられた。カメラアングルで伝えられるメッセージは、映像の展開にかかわっている。映像で分かりやすく伝えるためには、映像表現で伝えたいメッセージを明確にし、それに合った音楽・効果音を組み合わせ、演出していくことの重要性が位置づけられた。映像と音響による演出の組み合わせによって映像に感情・感動をもたらす表現が可能となることが示唆された。今後は、どのようなカメラアングルでどのような映像をどう撮るかという観点と効果音との組み合わせやタイミングの重要性についてさらに詳細に検討していく。
16:30-17:45 座長:永江 孝規(東京工芸大学)
  • - 立体的な平面 -
    栗田 梓未
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    平面的なオブジェクトを立体的に表現する作品を制作しようと考えた。厚みのない平面的な家紋や文様に奥行情報を与え、舞台の書き割りのような配置となっている。個々のオブジェクト自身には奥行きがないため、絵本の中の平べったい絵がそのまま抜け出してきて、宙に浮かんで漂っているようにみえる。日本古来の家紋、文様を使い、オブジェクトが横へと並行移動していくことにより、動く絵巻物をイメージしている。オブジェクトに家紋や文様を選択した理由は、日本独自の美しさや、デザイン性の高さを再認識してもらいたいからである。
  • - 物を生み出すこと -
    後藤 和史, 浅倉 悠生
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-16
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    本作品は「物を作り出す感動」と「危うさ」をテーマにした3DCG作品です。一つの小さな歯車は周りのものを取り込んで、一つの大きな機械へとなっていく。際限なく大きくなっていく機械はやがて地球も機械化してしまう。どこに感動を覚え、どこに危うさを感じたかを思い出し、周りの人と語り合ってほしい。
  • - 晴れを呼ぶ人形達 -
    佐々木 朝香
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-17
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    てるてる坊主を題材にした映像作品.日本人は古くより, 様々な想いからてるてる坊主を作る. しかし,願いは一つ. それは雨がやみ,空が晴れる事. 人形達は,それぞれに雨を止めようと奮闘する. あるてるてる坊主は雨音で声が雲へ届かない.別のてるてる坊主は雨で溶け, さらに別のてるてる坊主には顔がなかった. 溶けて消えた人形は空へ昇る.しかし,何故空を目指すのか覚えていない. その内, 日照りを願う声を聞く. また, 人形が作られる幻を見る. てるてる坊主は快晴を願う子供と, 自分の姿を見つけ, 雨雲の中へ姿を消す. 翌朝, 子供達は人形にお神酒を供える. 消えたてるてる坊主の持ち主はよく晴れた空をみて, お神酒を空へふりまいた.
  • - 静止画と動画イメージに内包される世界 -
    小野 光洋, 檜山 茂雄
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-18
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    なかば廃墟と化した故郷の温泉街をセミ判の写真に写し、動画像の中で再び命を吹き込む。印画紙に重ね合わせた像をカメラ、スキャナで設定を変えながら取り込み、さらにパソコン編集でオーバーラップさせた。像が変容していきながら消えていく映像と、記憶が歪み、欠落しての「思い出す」という過程は似ている部分がある。記憶の奇形を映像として他者と共有することの試み。
  • - あらためての映画観 -
    櫻井 信太郎, 田端 美海, 渡部 智也, 高宮 大, 檜山 茂雄
    原稿種別: 一般
    セッションID: 07-06-19
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/12/18
    会議録・要旨集 認証あり
    記憶はリアルの集積であるのに、確実に現実との差異を持つ。その曖昧な差異こそ映画のリアリズムを読み解く鍵になるものであり、人間を解釈する物見窓となるのだ。『あぼうきゅう』は、その曖昧でデリケートな差異を壊さぬ様、作品に一貫して流れる雰囲気を大切にした。オプチカルや3DCG による表現においても作品の持つトーンを逸脱せぬ様考えた。
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