日本画像学会誌
Online ISSN : 1880-4675
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49 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
原著論文
  • 仲野 正雄, 安藤 利典, 川本 広行
    2010 年49 巻1 号 p. 3-13
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    非磁性非接触AC現像プロセスの二次元数値シミュレーションを行った.現像プロセス解析における定量性を高めるために,電界解析には有限差分法を,また粒子挙動解析には個別要素法をそれぞれ用いた現像プロセス解析モデルを提案した.その際,電界計算はトナーの移動にあわせて再計算を行うことでトナー電荷が静電潜像を埋めていく効果を定量的に考慮した.同様の現像システムを有する実験機において,線幅の異なるライン画像を形成し計算結果との比較を行った.その結果,トナー像形状・トナー像幅・トナー像高さのライン幅依存性において,計算結果および実験結果は良い相関を得ることが出来た.また,電界計算モデル,粒子挙動モデルの違いがトナー像形成計算に与える影響に関して考察を行った.
  • 森田 直己, 平潟 進, 浜崎 聡信
    2010 年49 巻1 号 p. 14-19
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    インクジェットにおいてノズルからの水分蒸発による目詰まりは信頼性確保にとって重要な課題である.インク噴射に関する挙動を解析するため,飛翔するインク滴の物性を把握することは有効であるが,微小であり過渡的な現象であるため直接測定は困難である.そこで飛翔するサテライト滴が主滴に衝突することにより生ずる液滴振動を観察することを試みた.その結果,飛翔滴の物性値を予測することが可能となり,水分蒸発による粘度上昇と噴射力低下現象の関連性を検討した.さらに初期粘度の異なるインクを用い噴射に必要なピエゾ駆動電力について検討した結果,放置後の噴射力低下はインク自身の粘度上昇が支配的であるが,ノズルに形成される固体成分薄膜層の寄与も僅かに存在する可能性があることが示された.
Imaging Today
  • 荻野 正彦
    2010 年49 巻1 号 p. 21-25
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    オフセット印刷はこの15年ほどで飛躍的な進歩を遂げた.その大きな理由はCTPの普及である.CTPと版自動交換装置の組み合わせで見当調整が自動になり,インキキーコントロールシステムで色調整も自動化された.そのほかにもハード,ソフト,材料など様々な面で自動化,標準化が開発され,ロングラン・ローコストオペレーションから,ショートラン・短納期まであらゆる分野をカバーする高生産性システムとなった.
    一方で,印刷用紙の生産・消費動向を見ると,先進国では伸び悩み,今後の需要は新興国にシフトしてきている.特に日本は人口減少に直面しており,将来の消費は減少していく.内需型の産業構造では限界に来ているといえよう.
    また,デジタル化の進行によるスキルレス化で,高度なグラフィックアーツのノウハウが伝承されなくなってきている.企画から製造,流通までをコーディネートするプリンティングディレクターの育成が重要な課題である.将来のPOD市場,グラフィックアーツ市場の成長を握る鍵は,グローバル化と人材の育成にかかっているといえよう.
  • 北野 賀久, 江前 敏晴
    2010 年49 巻1 号 p. 26-33
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    近年電子写真技術の高速・高画質化に伴い,印刷市場向けプリンタが数多く商品化されている.しかし電子写真とオフセット印刷はグロス発現が異なるため,用紙種と画像内容の組み合わせによっては見た目に違和感を与える場合がある.グロスはその表面形状でほぼ決定することが知られている.
    本稿ではオフセット印刷と電子写真での画像構造,特にグロスに関与する表面形状について,それらの違いを解説する.
  • 山崎 弘
    2010 年49 巻1 号 p. 34-39
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    電子写真は,複写するための技術からオリジナルを作成するための技術という,画像を形成する技術から,印刷領域,すなわち,印刷したものに価値を求めることができる領域まで進化してきた.このために,電子写真でも種々の付加価値技術が培われてきた.付加価値には種々のものがあり,例えば画像自体に付加価値を付与するものから形成された画像に付加価値を付与する技術もある.今回,電子写真の領域で,どのように画像の価値を高め,どのように付加価値を付与する技術が進化してきたかを俯瞰してみた.
  • 岡田 恭一
    2010 年49 巻1 号 p. 40-47
    発行日: 2010/02/10
    公開日: 2010/02/13
    ジャーナル フリー
    10年ほど前から,インクジェットインキ用色素として顔料が用いられるようになってきた.採用され始めた当初は既存製品が転用される場合がほとんどであったが,その後インクジェット用途の要求に見合うように,各種検討がなされインクジェット用顔料と称される製品が市場に登場するようになった.本解説では,顔料への理解を深めるために,はじめに染料との相違点,顔料の分類に着目しながら,有機顔料について説明する.そして,インクジェット用顔料について要求される性能,およびそれらの性能を付与するための対応策について紹介する.
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