夏期および冬期に,中学校木造校舎において,40・50・60人の生徒を収容する教室につき,朝の始業前から,午前中の授業時間を通じ,逐時的に環境衞生検査を実施し,各教室間の差を検討した。結果をみると,生徒数の多いほど著しいが,40人教室においてさえ換気の不足がはなはだしいことが注目される。このことは,教室の生徒1人当たりの気積・床面積の小さいことからも,当然うなずけることである。保健上望ましい換気状態を維持するには,現在のごとき教室では,収容生徒数を40人よりもさらに大幅に削減しなければならないであろう。このことは,種々の制約から実現しがたいとしても,1学級に50∼60人あるいはそれ以上も収容している「すしづめ教室」は,ぜひ解消しなければならない。
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