-
梶原 剛, 田原 聖一, 菅原 義之
p.
301
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Ruddlesden-Popper相層状ペロブスカイトK2La2Ti3O10を酸処理して合成したH型層状ペロブスカイトH2La2Ti3O10へのn-ブチルアミンのインターカレーションについて調査した。H2La2Ti3O10を0∼5.0mlの水を含む50%n-ブチルアミンTHF溶液もしくは50%n-ブチルアミン水溶液中で3日間還流した。その結果、0.18ml以上の水を含む50%n-ブチルアミンTHF溶液もしくは50%n-ブチルアミン水溶液中で還流した試料においてH2La2Ti3O10層間の一部にn-ブチルアミンがインターカレーションしたことが示唆された。
抄録全体を表示
-
大矢 智一, 三宮 明子, 伴 隆幸, 大矢 豊, 高橋 康隆
p.
302
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
チタンアルコキシドと水酸化テトラメチルアンモニウムの反応により生成した透明な層状チタン酸ゾルを用いて、金属イオンをインターカレートした層状チタン酸薄膜の作製を試み、カチオンサイズがチタン酸ゾルの安定性、インターカレーションに与える影響について調査した。安定なチタン酸ゾルを保つには、金属イオンをキレート化して陽イオンの電荷密度を小さくし、層状チタン酸シートとの相互作用を小さくすることが重要であると結論できる。
抄録全体を表示
-
加藤 純雄, 月舘 大志, 沼田 雄一郎, 菅井 幹夫, 中田 真一
p.
303
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
層状ペロブスカイト型化合物K
2NbO
3Fとアルキルトリメチルアンモニウム系界面活性剤を用い、水溶液中で反応させ、メソ構造を有する複合体を合成した。界面活性剤中のアルキル鎖の長さにより異なる複合体が得られた。XRDの結果より、pH=10-11では、アルキル鎖長が16, 18の場合に層状構造、12の時は六方晶構造の複合体であることがわかった。また、層状構造複合体を中性条件下で処理することにより、六方晶構造に変化することが認められた。
抄録全体を表示
-
古川 裕子, 多々見 純一, 米屋 勝利, 目黒 竹司
p.
304
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では, AlNポリタイポイドを炭素還元雰囲気下で熱処理することにより, AlN多孔体の作製を行うことを目的とした. SiO
2を10wt%添加して作製した焼結体は, 板状構造のAlNポリタイポイド多孔体である. 熱処理後の試料の微構造は, AlNポリタイポイド板状結晶の概形はほぼ保持されており, XRDによる構成相の同定の結果, 熱処理するに伴って, ポリタイポイドからAlNの単一相に変化することが明らかとなった. 熱伝導率は熱処理時間とともに増加し, 最大値50W/mKを示した. また, 誘電率は約3となり, 低い値となることがわかった. 以上の結果より, AlNポリタイポイドを還元窒化することにより高熱伝導率, 低誘電率のAlN多孔体が作製できることがわかった.
抄録全体を表示
-
高橋 辰宏, 西岡 昭博, 小山 清人
p.
305
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
メチルシリコン樹脂をセラミックスの原料としてもちい、高分子の溶融状態での粘度制御による発泡プロセスを基礎として、メチルシリコン樹脂架橋発泡体を作成し、これを焼成することでセラミックス発泡体を作成する方法を開発した。メチルシリコン樹脂と化学発泡剤とシリコン樹脂の架橋促進触媒を、架橋が進行しない温度で溶融混合し、これをオーブンにいれ高温に加熱し、化学発泡剤が分解発泡する温度で、樹脂の架橋を促進させ発泡セル構造が保持されるように粘度制御することで、架橋シリコン樹脂発泡体を作成した。これを不活性ガス雰囲気で焼成しセラミックス発泡体を作成した。
抄録全体を表示
-
林 紅, 神 哲郎, 矢澤 哲夫
p.
306
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究ではCVD法により、大表面積と優れた透光性を有する多孔質ガラス板の外表面および細孔内表面に酸化スズ(SnO
2)を担持することで、透光性を有する多孔質導電体を開発した。開発された多孔質導電体は外表面に沿って10
-1Ωcmオーダーの抵抗率を持っており、面間抵抗は300kΩとなった。また、SnO
2を担持後の多孔質ガラスでは、透光性が確認された。さらに、細孔径が元の多孔質ガラスの細孔径よりやや小さくなったが、比表面積を大きく損なうことがなかった。結果として、これらの多孔質導電体を光電化学領域の電極として活用でき、光電デバイスの変換効率を向上させることが大いに期待できると考えられる。
抄録全体を表示
-
幸塚 広光, 藤井 雅也
p.
307
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
モル比Si(OC2H5)4:H2O:HNO3:C2H5OH=1:4:0.01:8なる溶液を調製し, 室温で1h攪拌してコーティング液とした。シリコン単結晶を基板とし, 900∼3400rpmのスピンコーティングによってゲル膜を作製し, 近赤外集光加熱炉中で10℃/minの速度で昇温した。昇温過程の試料について, 光学顕微鏡によるその場観察を行った。ただし, ゲル膜の成膜と加熱は湿度を調節したグローブボックス内で行った。その結果, いずれの基板回転速度のもとで作製した膜においても, 成膜·昇温時の湿度が高いほど亀裂発生が低い温度でおこることがわかった。成膜·昇温時の湿度の増加に伴って膜厚が若干小さくなる傾向が見られる一方で, 膜の気孔率には大きい変化は見られなかった。
抄録全体を表示
-
石川 雄大, 幸塚 広光
p.
308
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Ba(CH
3COO)
2, Ti(OC
2H
5)
4を出発原料として作製したポリビニルピロリドン(PVP)を含有するゾル及び含有しないゾルをSiウエハ上に滴下し, それぞれについて, 5℃min
-1で室温から500℃までの昇温, 室温までの降温における膜応力のその場測定を行った。PVPを含有しないゾルから作製した膜においては, 引張応力は温度上昇とともに減少し, 250℃を境に圧縮応力に転じた。約330℃で圧縮応力は引張応力に転じ, 引張応力は増大し400℃で約200MPaとなった。一方, PVPを含有するゾルから作製した膜において, 引張応力は250℃まで若干減少し, 圧縮応力に転ずることなく250℃以上の温度で温度上昇とともに増大した。最大引張応力は約90MPaで, PVPを含有しないゾルから作製した膜に比べ小さい値になった。いずれの膜においても, 引張応力が最大値を示した後, 温度上昇とともに応力が減少する傾向が見られた。降温過程では, PVPを含有しないゾルから作製した膜では, 400℃まで一旦応力が減少し, それ以降応力が急激に増大し, 室温での残留応力は約350MPaとなった。一方, PVPを含有するゾルから作製した膜の応力は, 270℃付近まで緩やかに増大し, その後若干減少し, 室温での残留応力は約90MPaあった。
抄録全体を表示
-
久保 朋子, 幸塚 広光
p.
309
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ポリシラザンのキシレン溶液をコーティング液としてシリコンウェハー上にスピンコーティングを行った。得られた薄膜を種々の酸性および塩基性溶液の蒸気に室温のもとで曝露した。80℃の蒸留水中に膜を浸漬した際の膜厚減少から膜の耐熱水性を調べた。室温大気中に静置しただけの膜の膜厚は, 熱水に1日浸漬すると0.13ミクロンから0.03ミクロンに減少した。一方, NH
3 aq. あるいはC2H5NH2 aq. の蒸気に18時間曝露した膜は熱水に5日浸漬しても膜厚は減少しなかった。
抄録全体を表示
-
升田 大輔, 幸塚 広光
p.
310
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ポリビニルピロリドンを含むZn(CH
3COO)
2·2H
2O-AlCl
3溶液を用いて, シリカガラス基板上にAlドープZnO膜を作製した。ディップコーティングと熱処理は繰り返しせず, 一回とした。ゲル膜を100℃で2min, 300℃で10min, 熱処理した後に, 800℃で種々の時間熱処理した。800℃での熱処理時間60minまでは, 熱処理時間の増加とともに膜厚は0.35ミクロンから0.3ミクロンまで減少した。800℃で熱処理時間930minまでは, 熱処理時間の増加とともに膜の比抵抗は10
0から10
-3ohm cmまで減少した。
抄録全体を表示
-
西出 利一, 目黒 友美, 能美 成晃
p.
311
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究は、ゾルゲル法によりハフニアゲル膜を作製し、高圧水銀灯による硬化を調べることを目的とした。2種類のハフニアゾル液(A、B)を作製した。Aは、HfCl
4のエタノール溶液をH
2Oと60%HNO
3の混合液により加水分解して得た。Bは水酸化ハフニウムを、H
2OとHCOOHを用いて得た。ハフニアゾル液AおよびBを塗布して得たゲル膜に、時間を変えて紫外線を照射した。鉛筆硬度の変化が見られなくなった7日後のデータによると、ゾル液Aから得たハフニア薄膜は、紫外線照射時間0および10分では硬度が6B以下であり軟らかい膜であった。しかし、紫外線を30分以上照射すると、9H以上となり高硬度となった。一方、ハフニアゾル液Bから得たハフニア薄膜の場合は、紫外線を照射しなくても硬度はHであり、照射5分により9H以上の高硬度となった。ゾル液処方を変化することにより、短時間照射で高硬度ハフニア薄膜が作製できることが分かった。
抄録全体を表示
-
西出 利一, 能美 成晃, 鈴木 佐和子
p.
312
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ゾルゲル法によって作製したハフニアゲル膜に高圧水銀灯を用いて紫外線照射して得た高硬度ハフニア薄膜の硬化プロセスを調べた。2種類のハフニアゾル液(A、B)を作製した。Aは、HfCl
4のエタノール溶液をH
2Oと60%HNO
3の混合液により加水分解して得た。Bは水酸化ハフニウムを、H
2OとHCOOHを用いて得た。これらから作製したゲル膜を紫外線照射し、TPDやFTIRなどにより調べた。ゾル液Bを塗布し紫外線を10分照射したハフニア薄膜の脱離曲線を測定したところ、430℃以下の温度領域で数種類の脱離ガスが観測された。その主なものは、H
2O、CO、CO
2およびH
2であった。H
2OのTPDカーブから考察すると、脱離温度が低いものは吸着水により、高いものは配位水によると考えられる。COおよびCO
2は同じ温度領域(160∼290℃)において観測され、約240℃にピークを示した。これらはHfイオンに配位したギ酸イオンからの脱離と考えられる。これはFTIRの結果とも一致した。
抄録全体を表示
-
矢部 貴行, 西出 利一, 宮林 延良, 佐野 真紀子
p.
313
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究は、水酸化チタンからチタニアゲル膜を作製し、その焼成プロセスをTPDにより解析し、Ti(OC
2H
5)
4およびTiCl
4を原材料とした結果と比較検討することを目的とした。チタニアゲル膜の焼成過程において脱離ガスによる幾つかのTPDカーブが観測され、それらはH
2O、NH
3、HClおよびClに帰属された。焼成過程においてH
2Oは190℃以下の温度領域で脱離するので、物理吸着水によるものと考えられる。NH
3(M/z=17)のTPDカーブはゾル液作製過程において残存したNH
4+の脱離によるものである。TPDカーブよりHCl(m/z=36)は110℃、135℃および260℃で脱離していることが明らかになった。その他にゲル膜中に残存しているCl(M/z=35)による脱離ピークが50∼1000℃で観測された。
抄録全体を表示
-
伊藤 政倫, 山田 馨子, 大矢 智一, 伴 隆幸, 大矢 豊, 高橋 康隆
p.
314
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
乳酸を含む水溶液にチタンテトライソプロポキシドを加え、さらにアンモニア水を添加して透明水溶液を得た。この水溶液から均一で屈折率2.3∼2.4のアナターゼ膜が得られた。この膜は強いC面配向性を示し、特に700℃で熱処理した場合において強い配向性がみられた。また熱処理温度600℃では、配向性に対する基板の種類の影響は認められなかった。従ってC面配向は、溶液中の溶存種の配位構造と関係があると考えられる。
抄録全体を表示
-
北村 直之, 福味 幸平, 西井 準治, 木下 貴博, 大野 宣人
p.
315
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
熱緩和によって高密度化石英ガラスの表面に微小ドットを形成した。ガラス表面はCO2レーザーからのビームパルスの連続的な繰返し照射によって緩和が誘起される温度に達した。ビームプロファイルと熱拡散から決定される照射表面での温度分布が隆起形状の起源として示唆された。
抄録全体を表示
-
成田 和浩, 高橋 儀宏, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
p.
316
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
xK
2O-xNb
2O
5-(100-2x) GeO
2ガラスの結晶化挙動とこれらの結晶化ガラスの変形挙動を調査した。x=25のガラスでは容易に透明ナノ結晶化ガラスが得られることがわかった。しかし、x=20およびx=30のガラスは不透明になった。これらの結晶化ガラスからは第二次高調波発生が確認されないことから、析出した結晶相は非線形光学結晶KNbGe
5でないと考えられる。ナノインデンテーション解析より得られたユニバーサル硬度は結晶化とともに増加することがわかった。
抄録全体を表示
-
井上 悟, 〓 松竹, 和田 健二
p.
317
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
陽極酸化法を利用した機能性ガラスの製法に関する研究。ガラス上に透明導電膜を付け、更にスパッター法により金属アルミ薄膜を形成する。金属アルミ薄膜は、リン酸、硫酸、シュウ酸などの溶液中で陽極酸化することにより、ガラス面に垂直に配向したナノサイズの円柱状細孔を有するアルミナへと変化する。この細孔中に機能発現のための化合物をゾルゲル法やメッキ法により導入する。現在までに試作した機能ガラスには、透光性チタニアナノチューブ光触媒機能付きガラス、ニッケルナノ磁性体アレイ付きガラス、ニッケルナノロッドアレイ付きガラスなどがある。本研究で開発されたアルミナ多孔体付きガラスは透光性に優れるところから光学的用途に適する。
抄録全体を表示
-
棚橋 一郎, 中山 智晴, 草野 敏一, 鯨岡 希三子, 田中 かおり, 藤田 哲豪
p.
318
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Auイオンを光還元反応により、Auナノ粒子としてPVAに分散したAu/PVA薄膜を作製し、アルコールセンサーとしての特性を検討した。Au/PVA薄膜には、510nmに表面プラズモン共鳴(SPR)吸収によるピークが見られ、XRDによるAu微粒子の平均粒径は約37nmであった。Au/PVA薄膜を屈折率(n
D)の異なる5種類のアルコールに浸漬した時、SPRピークは浸漬したアルコールのn
Dが大きくなるに従い、520nmから529nmへと次第に長波長側にシフトし、吸光度も大きくなった。このような結果は、Mie理論からの予測と良く一致し、Au/PVA薄膜がSPRセンサーとしてアルコールの識別に有望であることが分かった。
抄録全体を表示
-
村瀬 至生, 安藤 昌儀
p.
319
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
II-VI族の半導体超微粒子は、溶液法によって明るく光るものが作製できるようになった。これらは、量子サイズ効果により紫外線の照射により異なった発光色を示す。とても明るい発光なので様々な応用が考えられるが、溶液中では不安定で工学材料としても不向きである。そこで、これらをガラス中に安定に閉じ込め、新しいタイプの蛍光体を作製することを目指した。今回は、シランカップリング剤(X-Si-(OR)3、Xは有機官能基)を用いた。ガラス中にドープした場合、超微粒子の凝集によって、発光波長が長波長側にシフトしたり、発光スペクトル幅が広がることが多いが、この場合にはそのような現象が見られず、うまく分散していることがわかる。これは、界面活性剤とMPSがともにチオールを持っており、凝集を防ぐ効果があるためと考えられる。
抄録全体を表示
-
伊藤 暁彦, 増本 博, 後藤 孝
p.
320
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Au粉末を分散させたTiO
2焼結体ターゲットを用い、レーザーアブレーション法によりAu微粒子を分散させたTiO
2薄膜(Au: TiO
2薄膜)を作製した。膜中のAu含有量はターゲットの組成により制御することが出来た。成膜したままの薄膜中に分散させたAu微粒子の平均粒径は1.2nmであり、900℃での熱処理により4.0nmまで増加した。熱処理によりAu微粒子の表面プラズモン共鳴に起因する光吸収ピークが630nmの波長域に観測された。Au微粒子とTiO
2母相の結晶化により、光吸収ピークでの吸収係数は増加し、吸収ピーク波長は長波長側にシフトした。
抄録全体を表示
-
小原 真司, 鈴谷 賢太郎, 梶並 昭彦
p.
321
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
シリカガラスのガラス転移温度近傍の中距離構造変化を調べるため、高エネルギーX線回折実験を行った。構造因子S(Q)のQ=15.5nm
-1に現れるFirst Sharp Diffraction Peak(FSDP)は室温とガラス転移温度以下では熱膨張によると考えられる僅かなシフトが見られるが、これは既に報告されている中性子回折結果と異なっていた。また、ガラス転移温度前後では、FSDPの微妙な減衰が観察され、非常に微妙な中距離構造変化が起きていることが示唆された。
抄録全体を表示
-
南 祐二, 牧島 亮男, 丹治 彰, 井上 悟, 小西 智也
p.
322
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ガラスの液-液分相を利用し、希土類イオン含有ガラス微小球などの光機能性ガラスの作製が提案されている。本研究では、微小重力環境下における分相粒の析出、成長に関する情報を得ることを目的とし、微小重力環境下におけるBaO-B
2O
3系ガラスのその場観察を行った。試料は3BaO-97B
2O
3(mol%)を溶融急冷法を用い作製した。その場観察装置を用い、分相粒の析出·成長過程をその場観察した。また、比較のため地上重力下においても同様な実験を行った。地上重力下に比べて微小重力下では分相粒の析出開始が遅れることが観察された。分相粒の析出開始の遅れは、微小重力下での融体の流れに依存していることがわかった。
抄録全体を表示
-
福味 幸平, 茶谷原 昭義, 蔭山 博之, 木野村 淳, 杢野 由明, 北村 直之, 角野 広平, 堀野 裕治, 西井 準治
p.
323
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
シリカガラスにハロゲン化物イオン(Cl、Br、I)を注入した後、銅イオンを注入した。これらのガラスの光学吸収スペクトル及びX線吸収スペクトルを測定した。注入したままのガラスでは、銅イオンは酸素原子によって配位されており、1000∼1100℃に熱処理することにより、CuCl、CuBr及びCuI結晶がガラス中に析出することがわかった。
抄録全体を表示
-
吉岡 秀樹, 泉 宏和, 石原 嗣生, 元山 宗之
p.
324
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
パルスレーザー蒸着によりIn-Zn-O薄膜を作製し、電気的性質を検討した。成膜中の酸素圧が0.13から6.5Pa、基板温度が室温から300℃で作製した膜はアモルファスであった。膜の抵抗率は、酸素圧によって変化し、1.3Paで最小値を示した。また、基板温度を高くすると抵抗率は低下した。300℃、1.3Paで抵抗率は最小値(2.89×10
-4Ωcm)を示した
抄録全体を表示
-
森賀 俊広, 福島 明彦, 林 由佳子, 近藤 久美子, 松尾 圭一郎, 村井 啓一郎, 中林 一朗
p.
325
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
対向ターゲット式DCマグネトロンスパッタリング法を用いて作製したn型酸化亜鉛-酸化インジウム系透明導電性酸化物薄膜アモルファス薄膜を還元雰囲気下でアニールし、そのアニール処理が薄膜の透明導電性に及ぼす影響について検討した。アニール処理によってアモルファス相が崩壊しなかった試料については、アニール処理後キャリア濃度が2∼3倍になったものの、逆にキャリア移動度が減少して互いに相殺しあい、抵抗率はほとんど変化しなかった。アニール後ではキャリア濃度が増加したことを反映し、光学バンドギャップが大きくなり、全体的に可視光領域の透過率が若干低下した。SEM像およびAFM像を観察すると、アニール処理前のアモルファス薄膜は1000Å程度のスパイク状の粒子からなる凹凸のある膜であったが、アニール処理することにより非常にフラットな膜になっていることがわかった。
抄録全体を表示
-
インジウム有機酸塩系塗布膜原料の低温熱分解
有井 忠, 岸 証, 清水 邦彦, 関 成之, 澤田 豊
p.
326
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
高濃度の水蒸気雰囲気中でギ酸インジウムなど4種類のインジウム有機酸塩の熱分解挙動を示差熱天秤-質量分析法(TG-MS)およびX線回折-示差走査熱量計同時測定装置(XRD-DSC)に、水蒸気発生装置を組み合わせて測定した。塩基性2-エチルヘキサン酸インジウムは常圧乾燥ガス雰囲気では、100-350℃で2段階の分解反応を示す。一方高濃度水蒸気雰囲気中では、熱分解により結晶性のよい酸化インジウムが300℃以下の低温で得られることがわかり、ITO膜の低温製膜法として期待できる。
抄録全体を表示
-
島田 周, 松宇 正明, 桑原 誠
p.
327
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
半導体リソグラフィー技術により作製した電子線レジストの周期構造をモールドとして、金属アルコキシドを原料とする高濃度ゾル-ゲル法によりTiO
2およびBaTiO
3のゲルPhCを得た。このとき可塑剤としてポリエチレングリコール(PEG: 分子量400∼20000)を0.5∼20wt%加えた。また評価のために同じゾルをスピンコートしてゲル薄膜を得た。得られたゲルPhCおよびゲル薄膜をUV-VIS、TEM、XRD、DTA/TG、FT-IRにより評価した。またゲルPhCのフォトニックバンドの測定を行った。得られたゲルPhCはモールドの構造を忠実に転写していた。クラックを生じずに微細構造を得るにはゾルの組成を最適化する必要があった。ゲル薄膜のTEM観察の結果、このゲルは数nmの微結晶を含むとわかった。またFT-IR、DTA/TGの結果からPEGがナノ結晶に水素結合した構造と考えられる。ゲル薄膜で見積もった屈折率は1.7∼1.9であった。0.5wt%のPEG(分子量20000)は薄膜にクラックの入らない条件中で最小の添加量であったが、このとき薄膜の屈折率が1.9と最も高い値を示した。ゲルとしては高屈折率であり密度が高いと考えられる。いずれのゲルも高い透明性を示した。
抄録全体を表示
-
兼平 真悟, 桐原 聡秀, 宮本 欽生
p.
328
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
セラミックスなどの誘電体格子が周期的に配置された結晶は、フォトニック結晶と呼ばれ、結晶と同じ周期を持つ電磁波を完全反射する。本研究では、誘電体体積率=14∼86%のダイヤモンド型フォトニック結晶を作製し、電磁波特性の変化を調べると共に、平面波展開法により計算したバンド構造との相関性について考察した。
抄録全体を表示
-
桐原 聡秀, 宮本 欽生, 武田 三男, 迫田 和章
p.
329
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
フォトニック結晶は誘電体の周期配列で構成され、回折作用により電磁波を完全反射する。伝播が禁止される周波数帯域は、フォトニックバンドギャップと呼ばれる。理論に基づいて結晶構造を設計すれば、電磁波の方向や位相を効率よく制御できるため、光導波路や高指向性アンテナなどへの応用が期待されている。我々はCAD/CAMを用いた光造形法により、チタニア系セラミック粒子を分散させたエポキシ樹脂を成型し、マイクロ波およびミリ波の制御を目的としたフォトニック結晶の開発を行ってきた。本研究では、特定方位に対する格子間隔の引き伸ばしにより電磁波の回折方向を制御し、フォトニック結晶による高指向性発振の実現を目指した。
抄録全体を表示
-
鶴見 敬章, 赤羽 昭吾, 掛本 博文, 和田 智志
p.
330
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
ニオブ酸イットリウム(YNbO
4)のバルクセラミックスと薄膜を作製し、エレクトロルミネセンス(EL)を電界強度の関数として測定した。薄膜はスパッタリング法で作製した。薄膜のEL測定には、NbをドープしたSrTiO3基板を下部電極に、AlをドープしたZnO薄膜を上部電極として使用した。両電極間に電界を印加したところELが測定された。フォトルミネセンス測定での発光の中心波長は400nmであった。EL強度は印加した電界にしたがって増加した。
抄録全体を表示
-
長田 実, 垣花 眞
p.
331
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
本研究では, 酸化物系に潜む新機能を引き出した先駆例として, 筆者らが酸化物超伝導体で見出した光誘起相転移を取り上げ, 酸化物の織りなす特異物性の光制御とその可能性について検討する. YBa
2Cu
3O
x単結晶のラマン測定を通じて, 可視光励起により伝導特性の変化を伴う秩序構造の可逆的光誘起相転移が生じることを発見した. ラマン測光下で電気抵抗の同時測定により動的挙動を検討した結果, この系では光誘起相転移によりCuO
2面へのキャリア注入が実現し, 伝導性とT
cの高い新しい状態が作られること, さらには光による可逆的な相制御により伝導度(低温下では超伝導特性)の制御が可能であることが分かった. 本研究では, 光誘起相転移を利用した光超伝導デバイスの可能性についても議論する.
抄録全体を表示
-
呉 嘉文, 桑原 誠
p.
332
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
自己組織構造を形成するトリブロックコポリマーを鋳型として用いると共に、原料溶液を成膜した前躯体薄膜の水蒸気熱処理条件により、透明な、(100)面高配向、2D六方メソ孔構造シリカ薄膜を作製した。さらに、シリカのメソポーラス材料に色素を添加して、スダンプ方によりリッジ状のパダーン形成を行ったものの上部からレーザービームを照射して、レーザー放射挙動を研究する。
抄録全体を表示
-
坂口 勲, 李 迪, 安達 裕, 朴 大出, 大橋 直樹, 菱田 俊一, 羽田 肇
p.
333
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
酸化亜鉛薄膜の成長に関する金の効果を検討した。金は薄膜を合成する前に基板上にコートし、その上に酸化亜鉛薄膜をCVD法で成長させた。金の効果により酸化亜鉛薄膜は、C-軸配向からシート状へと変化した。また、金は薄膜表面では検出されず、基板上に留まり酸化亜鉛の核生成にのみ効果的であることが判明した。
抄録全体を表示
-
片岡 研, 大橋 直樹, 森永 健次, 安達 裕, 羽田 肇
p.
334
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
酸化亜鉛バリスタの特性に重要であると考えられている粒界での酸化ビスマスの役割を明らかにすることを目的として、酸化亜鉛単結晶とビスマス含有ガラスの反応性を濡れ性および組成分析より評価した。その結果、ビスマス含有ガラスの酸化亜鉛単結晶に対する濡れ性は良好であり、接触角が10度前後となった。またビスマス含有ガラスと反応させた酸化亜鉛の多結晶体でも粒成長が見られ界面をよく濡らしていることが観察された
抄録全体を表示
-
両見 春樹, 安達 裕, 坂口 勲, 大橋 直樹, 羽田 肇, 竹中 正
p.
335
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
PLD法によりサファイアA面基板上に[ZnO/(Zn, Mg, Al)O]
10膜を作製した。X線回折図形から、基板温度が高くなるにつれて結晶性が良くなっており、また、基板温度が700℃においては2thetaが31deg及び32.2deg付近に超格子回折のピークと同定されるピークが見られた。これにより、ZnO/(Zn, Mg, Al)O積層膜が高い周期性を持って成膜されたことが確認できた。
抄録全体を表示
-
羽田 肇, 菱田 俊一, 安達 裕, 坂口 勲, 大橋 直樹, 斎藤 紀子, 朴 大出
p.
336
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
酸化亜鉛薄膜に見るように非平衡点欠陥はセラミックス材料中で重要な役割を果たしており、我々はこの役割を明確にするために、イオン注入法による非平衡欠陥の導入を試みた。この方法により導入された欠陥を酸素拡散と発光により評価したところ、Arイオン少量注入ではかえって酸素拡散を阻害するのに対し、多量ドープでは通常の促進効果が見られた。これに対し、発光ではほんの少量の注入によっても発光現象が観測されないことが明確となった.
抄録全体を表示
-
大垣 武, 川村 裕二, 大橋 直樹, 掛本 博文, 和田 智志, 安達 裕, 羽田 肇, 鶴見 敬章
p.
337
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
MBE法によりノンドープZnO(ZO)薄膜およびAl添加ZnO(AZO)薄膜を作製し、電気特性、光学特性を評価した。Zn、Oの供給比、成長温度などの合成条件でZO薄膜の成長速度、物性は大きく変化した。最適なZO薄膜作製条件においてAlの供給を制御することで、キャリア濃度10
20cm
-3、移動度60cm
2V
-1s
-1のAZO薄膜が得られた。キャリア濃度、移動度の温度依存性を測定した結果、AZO薄膜は典型的な縮体半導体の挙動を示した。CL測定の結果、結晶性の高いAZO薄膜において紫外領域に特異な発光が観察された。この発光は励起子発光と異なる発光であると考えられた。
抄録全体を表示
-
安達 裕, 両見 春樹, 坂口 勲, 大橋 直樹, 羽田 肇, 竹中 正
p.
338
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
透明高導電性膜や紫外発光素子への応用を目指して酸化亜鉛薄膜の研究が現在活発におこなわれている。NO2雰囲気中での酸化亜鉛薄膜合成は残留キャリア濃度の低減と同時に窒素ドープによるp型化が実現できる可能性がある。本研究では、PLD法によりNO2中で酸化亜鉛薄膜を作製し、その結晶構造、電気特性、光学特性について評価した。
抄録全体を表示
-
太田 裕道, 野村 研二, 平松 秀典, 鈴木 敏之, 植田 和茂, 折田 政寛, 平野 正浩, 幾原 雄一, 細野 秀雄
p.
339
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
我々は自然超格子酸化物の単結晶薄膜を作製するための魔法のような方法“反応型固相エピタキシャル成長法”を開発した。なんと単結晶薄膜が電気炉の中でできてしまうというユニークかつEASYな方法である。具体的には, 2nm厚の一構成成分のエピタキシャル層とほとんどアモルファス状態の自然超格子酸化物層からなる二層膜を電気炉で焼くのである。これだけでほぼ完壁な単結晶自然超格子薄膜を作製することができる。本報告では, 我々の反応型固相エピタキシャル成長法を自然超格子酸化物InGaO
3(ZnO)
mを例にとって紹介する。
抄録全体を表示
-
太田 裕道, 野村 研二, 平松 秀典, 鈴木 敏之, 植田 和茂, 折田 政寛, 平野 正浩, 幾原 雄一, 細野 秀雄
p.
340
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
反応型固相エピタキシャル成長法によるInGaO
3(ZnO)
m単結晶薄膜の成長機構を明らかにするため, 2nm厚のZnOエピタキシャル層とほとんどアモルファス状態のInGaO
3(ZnO)
5層(150nm厚)からなる二層膜の高温アニール中における構造変化をHREMによりex-situ観察した。ZnOエピ層は1000℃以上の加熱により消滅し, 膜/基板界面上に50nm程度の厚みの単結晶InGaO
3(ZnO)
5層が形成された。つまり, 1000℃以上の加熱によりZnOエピ層と多結晶lnGaO
3(ZnO)
5層の間で固相反応が起こり, 基板上に薄い単結晶層を形成する。次にこの単結晶層と母体とした粒成長が起こり, 1400℃まで加熱すると全体が一枚のlnGaO
3(ZnO)
5単結晶の板になるという, 固相反応と粒成長を利用した単結晶成長法であると言える。
抄録全体を表示
-
巽 一厳, 吉矢 真人, 田中 功, 足立 裕彦
p.
341
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
固溶体セラミックスにおいて, 固溶原子の配列や分布形態は, 材料特性の変化の機構を理解し, その向上を目指す上で基本的な情報である. 窒化珪素にAlとOをダブルドープした固溶体はサイアロン(SiAlON)と呼ばれ, 実用に供せられている. しかし, そのSi, Alの局所的な配位環境については, ランダムにAlとOがSiとNサイトに置換固溶した場合から大きくずれているという固体NMRの実験結果に基づいて, Al-O/Si-Nの結合がAl-N/Si-Oの結合に比べより安定であることが推察されているのみである. 本研究では, 理論計算により結合のプリファレンスを調べ, 実験的に得られている知見との対応を検討し, サイアロンの安定原子配列について考察した.
抄録全体を表示
-
藤津 悟, 野村 洋明, ザイツ エドワルド, トムアイア アントニー
p.
342
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
34CaO-30Al
2O
3-36SiO
2ガラスを接合層に使ってアルミナセラミックチューブとサファイア単結晶板とを接合した. このガラスはアルミナおよびサファイアヘの良好な塗れ性を示し, アルミナ粒界中へ早い侵入を起こす. 1550℃にて接合し, 1200℃以下で徐冷した試料はクラックが生じなかった. サーマルショックテストでは225℃で半数にクラックを生じ, 200℃では全くクラックを生じなかった. アルミナ-サファイア-アルミナで構成された試料の曲げ強度はアルミナ-アルミナで構成された試料とほぼ等しい曲げ強度を示した.
抄録全体を表示
-
小川 美由紀, 木島 弌倫, 田中 嘉一郎
p.
343
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
前回は, マイクロ波プラズマ中で, 保持時間1分程度で, ほとんど理論密度に到達した事を報告した. 今回は, さらに高純度のAl
2O
3粉末を用いることにより, わずかに透光性を示す焼結体が得られた.
抄録全体を表示
-
武藤 浩行, 逆井 基次
p.
344
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
セラミックスの高温変形は、専ら「定常」歪速度と付加応の関係式(Dorn式)を用いた応力指数で議論される。この事実を極言すれば、粒界、粒界相等を含む複雑な微構造を有する多結晶セラミックスを「粘性挙動類似」の現象としてのみ取り扱っていることを意味している。最も重要な点は、Affine変換の仮定が成立しない、または近似精度が十分ではない多結晶体に対し、厳密な「定常状態」が存在するかである。本研究では、高温変形の古典論にとらわれることなく、セラミックスの変形と流動に関する「科学」と「物理」を確立することにある。
抄録全体を表示
-
宮澤 昌邦, 高田 智司, 中野 裕美, 浦部 和順, 石澤 伸夫, 田邊 靖博, 安田 榮一, 和久 芳春
p.
345
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Al
2O
3/YAG共晶一方向凝固材は共晶温度(1820℃)直下の1800℃まで室温強度を維持できるという優れた高温特性から、新規の高温構造材料として期待されている。この材料は、2相が単結晶なので2相間で形成される界面は凝固方向に対する配向により限られた界面構造になると考えられる。すなわち、この材料における最適な材料設計のための微細構造制御は、配向関係制御と密接な関係にある。そこで本研究ではAl
2O
3とYAGの配向関係と、両相間の界面構造の解明を目的とする。
抄録全体を表示
-
大坪 英樹, 中川 成人, 三谷 敦志, 清水 和敏
p.
346
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Mo鋳型を用いて、ブリッジマン法により板状のAl
2O
3およびYAGから構成される一方向凝固共晶材料(Al
2O
3/YAG系MGC材料)の製造実験を行った。この材料の組織は、同一原料を用いた同様のプロセスによって製造された直径40mmの円柱状材料のそれよりも微細なものであった。また、この材料の室温から1700℃までの曲げ強度は、円柱状材料のそれとほぼ同等の350∼400MPa程度であり、温度依存性を示さなかった。以上により、MGC材料の高温特性を損なうことなく、所望の形状の凝固体を製造し得る可能性が示された。
抄録全体を表示
-
三谷 敦志, 中川 成人, 大坪 英樹, 清水 和敏
p.
347
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Al
2O
3/GdAlO
3(以下GAP)系MGC材料について結晶方位解析をおこなった。Al
2O
3相, GAP相、共にほぼ単一の結晶方位を示した。各相の結晶成長方向は、Al
2O
3相は[110]から約10°傾いた方向、GAP相は[111]から5-20°傾いた方向であることが認められた。両相の結晶方位関係において、ある結晶面間において方位および面間隔の良い一致が認められた。このことからAl
2O
3相とGAP相は方位整合性を持って成長していることが示唆された。
抄録全体を表示
-
小林 雄一, 水野 広大, 稲垣 道夫
p.
348
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
緻密なムライトセラミックスを得るために、出発原料としてカオリンとアルミナを使用して、焼結性や微構造に及ぼす原料粒子径の影響について検討した。分級したカオリンとサブミクロンのアルミナを使用して1650℃で相対密度97%以上の繊密な焼結体を得ることができた。アルミナの粒子径は繊密なムライト多結晶体の微構造に影響を及ぼした。
抄録全体を表示
-
饒 平根, 岩佐 美喜男, 田中 隆裕, 叶 楓
p.
349
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Al
2O
3-ZrO
2系において、ZrO
2の結晶構造に対するAl
2O
3量の効果を検討した。αアルミナ粉末と共沈法によるZr(OH)
4ゲルを混合することにより、15wt%、50wt%及び85w%のAl
2O
3を含有する複合粉末を作製し、その粉末を400℃から1300℃の温度範囲で2時間の熱処理を行った。85wt%Al
2O
3の粉末では、500℃から750℃の温度範囲で粒径11nm以下の準安定なt-ZrO
2相のみが認められ、一方、15wt%及び50wt%Al
2O
3の粉末では単斜相ZrO
2の割合が熱処理温度とともに増加した。Al
2O
3を多量に添加すると、ZrO
2粒子が孤立し、粒子成長や相転移が効果的に抑制されるものと考えられる。
抄録全体を表示
-
日吉 英司, 篠田 豊, 赤津 隆, 若井 史博
p.
350
発行日: 2002年
公開日: 2003/10/30
会議録・要旨集
フリー
Y
2O
3-SiO
2-Al
20
3 3成分系ガラス(YAS)あるいはSiO
2ガラス(Si)の添加量を系統的に変化させたY-TZPの高温圧縮試験を行った。SiO
2ガラス添加Y-TZPは、ガラス添加量と共に緩やかな変形応力低下がみられたのに対し、YASガラス添加Y-TZPは微小量ガラス添加で変形応力が著しく低下した。ガラス添加量による両材料の応力低下の度合いは、粒界多重点での2面角から算出される、ジルコニア-ガラス間の接触面積に関係すると考えられた。
抄録全体を表示