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松本 直樹, 林 卓, 石川 雄輝
セッションID: 3A04
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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RoHS指令を受け非鉛圧電材料の精力的な研究が進められ、NKN,BNT等の代替材料が提案されてきた。一方、BaTiO3は古くから知られている鉛を含まない圧電材料であるが、キュリー点Tcが130℃にある為、実用に供さない。Tcを上げる元素は鉛であり、完全な非鉛材料ではないものの、鉛含有量を低減させる為に置換量と諸物性をサイド評価することは重要である。今回、置換量に対する電気歪み挙動で興味ある現象を得たので報告する。
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大和 慶祐, 熊田 伸弘, Pulpan Petr, 和田 智志, 森吉 千佳子, 黒岩 芳弘, 李 鳳淵, 飯島 高志
セッションID: 3A05
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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環境にやさしい実用材料開発の立場から、新規圧電材料は、鉛を含まない上で、Pb(Zr,Ti)O3と同等、あるいはそれ以上の圧電性能を有することが強く望まれている。現在、Pb(Zr,Ti)O3に替わるものとして、ビスマス系ぺロブスカイト型酸化物が注目されている。ビスマス系ぺロブスカイト型酸化物は高いキュリー温度を持つ圧電材料として有望である。(1-x)BaTiO3 -xBi(Zn0.5Ti0.5)O3セラミックスはキュリー温度が200℃以上と確認できたが、リーク電流のため分極処理を行うことができなかった。1)本研究では、Bi(Zn0.5Ti0.5)O3よりリーク電流が低いと予想されるBi(Mg0.5Ti0.5)O3を用いて、(1-x)BaTiO3 -xBi(Mg0.5Ti0.5)O3(以下BT-BMTと略)セラミックスを作製し、その圧電特性について検討を行った。
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田村 昭裕, 多田 英人, 大島 尚士, 小舟 正文, 大幸 裕介, 嶺重 温, 矢澤 哲夫, 藤澤 浩訓, 清水 勝, 山口 秀史, 本田 ...
セッションID: 3A06
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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本研究では、+3価の原子価と12配位を取り得るSmに着目し、Sm3+がAサイトを部分的に占有する(Bi1-xSmx)(Ni0.5Ti0.5)O3ペロブスカイト構造強誘電体薄膜をスパッタ法により作製し、その成長機構を検討した。Sm置換量がx = 0-0.2ではペロブスカイト相は確認されなかったが、x = 0.5で二層のペロブスカイト相とその層間のアモルファス中にc軸配向ナノ結晶核(幅3 nm×高さ10 nm)の生成を見出した。x = 0.6ではc軸配向単斜晶系ペロブスカイト単相膜が得られた。以上より、ペロブスカイト構造の伸長方向は酸素拡散方向に平行であることを見出し、Smと酸素の結合が薄膜の結晶化と配向の駆動力となっている可能性が考えられる。
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大島 有美子, 野口 祐二, 宮山 勝
セッションID: 3A07
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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鉛系リラクサー強誘電体は、巨大な圧電特性を示すことから、サイエンス・テクノロジーの両面から注目されている.一方で、昨今の環境問題の観点から,非鉛強誘電・圧電体の開発が緊急な課題となっている。 (Bi
1/2Na
1/2)TiO
3(BNT)は優れた圧電性を示す非鉛強誘電体として注目を集めている。我々のグループでは,鉛系材料を代替可能な非鉛系圧電体の創製を目的としてBNTをベースとする材料開発を行っている。Pb(Mg
1/3Nb
2/3)O
3系およびPb(Zn
1/3Nb
2/3)O
3系では、Bサイトにおける電荷不均質性と構造不均質性が巨大な電場応答を示すPNR(polar nanoregion)の起源であると考えられる。また、Ba(Mg
1/3Nb
2/3)O
3 (BMN)は高い誘電率と低い誘電損失を併せ持つ物質として期待されている。本研究では、電荷・構造不均質性をBNTに導入するために、BNT-BMN固溶体セラミックスを作製して、物性評価を行った.
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石川 雄輝, 林 卓
セッションID: 3A08
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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現在、環境問題の観点からPZT系に代わる非鉛圧電セラミックスの開発が求められている。本研究では、、La
2O
3およびMnO添加100-x(Bi
0.5Na
0.39K
0.1Ag
0.01)TiO
3-xBaTiO
3(x=0~4)の焼結性および諸特性について検討を行った。2≦x≧3組成において二重履歴に類似したP-Eヒステリシス曲線を描き、電界誘起歪みは特異な履歴を示し、かつ巨大歪みを呈した。歪み履歴曲線は圧電体のバタフライ形状とは異なり、処女試料の電界誘起歪履歴では残留歪みが観測されなかった。これは微小ドメインが電界印加により強誘電相に相転移し、誘起した強誘電相が圧電歪みを呈すると考えられる。x=3においてS
max/E
maxは415pm/Vに達し、非鉛材料としては優れた特性が得られた。
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渡部 朋真, 高井 広大, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 3A09
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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大振幅領域における
x(Bi
0.5Na
0.5)TiO
3-
y(Bi
0.5Li
0.5)TiO
3-
zBaTiO
3+
wMnCO
3 wt% [BNLBT100
y-100
zMn
w ;
y = 0.04,
z =0.02 ~ 0.08,
w = 0, 0.4]セラミックスの圧電諸特性について評価を行った。菱面晶BNLBT4-4Mn0.4 及びMPB を示すBNLBT4-6Mn0.4 は
v0-p ≤ 1.5 m/s まで
Eaに対し線形性を持つことがわかる。さらにBNLBT4-4Mn0.4 は他の組成に比べ大きな機械的品質係数
Qm及び脱分極温度
Tdを持つことから、大振幅領域において最も良好な特性を持つと考えられる。
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橋本 淳, 梶原 隆史, 郡司 天博, 阿部 芳首
セッションID: 3A10
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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強誘電材料として知られるチタン酸ビスマス(Bi3Ti4O12, BIT)の代表的な作成法に、ゾル・ゲル法やMOCVD法がある。しかし、これらはゾルの縮合安定性が低く、装置コストが高いなどの課題がある。これまでに、我々はY, Ba, Cuのアセト酢酸エチル(Hetac)錯体とトリエタノールアミン(H3tea)との反応により、均質性や溶解性が高く縮合安定性に優れたYBCO系超伝導酸化物前駆体が調製されることを報告してきた。そこで本研究では、Bi及びTiのアセト酢酸エチル錯体とトリエタノールアミンとの反応により合成したBIT前駆体から強誘電体薄膜を調製し、その物性を評価したので報告する。
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井手本 康, 室井 諒, 北村 尚斗
セッションID: 3A11
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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当研究室ではこれまでに、SBTのSrサイトにCe、又はTaサイトにWを置換したSr
0.8Ce
0.2Bi
2Ta
2O
9(SCBT),Sr
0.8Bi
2.2Ta
1.95W
0.05O
9(SBTW)及びこれらにBi
2SiO
5(BSO),Bi
4Si
3O
12を添加したバルク試料について、強誘電特性と結晶構造を検討してきた。本研究では新たに、CeとTaを同時置換した(Sr,Ce) Bi
2 (Ta,W)
2O
9(SCB2TW)及び、Bi過剰の試料(Sr,Ce) Bi
2.2 (Ta,W)
2O
9(SCB2.2TW)に注目し、その強誘電特性を評価した。また、これらにBSOを5mol%添加した試料を合成し、BSO添加が強誘電特性に与える影響について検討した。さらに粉末中性子回折測定を行い、Rietveld法により結晶構造を明らかにすることで、強誘電特性との関係について検討した。
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得津 統司, 宮林 宏和, 晝間 裕二, 永田 肇, 竹中 正
セッションID: 3A12
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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ビスマス層状構造強誘電体(BLSF)の1つであるCaBi
2Ta
2O
9 (CBT)は、キュリー点
TCが920℃と高いことから高温用センサー材料の有力な候補と考えられる。しかし、分極処理が困難なためCBTセラミックスの圧電特性および圧電温度特性に関する報告はほとんどない。そこで、今回我々は高温(280ºC)のシリコーンオイル中で分極処理を施したCBTセラミックスを用いて圧電特性および圧電温度特性の評価を行った。室温での圧電特性は、最大位相角θ
max = 86.1°、電気機械結合係数
k33 = 0.085、圧電出力定数
g33 = 8.4×10
-3V∙m/Nを示した。デポール挙動を評価するため、890ºCで1 h保持した後、室温での圧電特性を測定した。その結果、圧電特性はほとんど失われず、θ
max = 80.8º、
k33 = 0.082、
g33 = 8.2×10
-3 V∙m/Nを維持することがわかった。圧電温度特性の評価の結果、θ
maxおよび
k33は温度上昇に伴い減少する傾向を示したが、400ºC付近まで大幅な減少は見られず、400ºCでθ
max = 79.0º、
k33 = 0.080と室温と同程度値を示した。
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上野 裕幸, 梶原 隆史, 郡司 天博, 阿部 芳首
セッションID: 3A17
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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これまでに我々は、Y,Ba,Cuなどの金属のアセト酢酸エチル錯体(M(etac)n)とトリエタノールアミン(H3tea)との反応により、均質性や溶解性が高く、縮合安定性に優れたYBCO系酸化物超伝導体前駆体の合成に成功している。そこで本研究では、KとNbのアセト酢酸エチル錯体からKN強誘電体酸化物前駆体を調製し、その性質の検討を目的として行った。
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松堂 人士, 柿本 健一, 籠宮 功
セッションID: 3A18
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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アルカリニオブ酸系圧電材料は、比較的高い圧電性およびキュリー温度を有する環境低負荷な鉛フリー素材として研究開発が活発化している。しかし主成分のアルカリ元素は焼成時に揮散しやすく、得られるセラミックスは組成変動を生じやすい。そのため電気絶縁性が乏しく、圧電諸特性が不安定となる問題がある。そこで本研究では、交流インピーダンス法を用いてアルカリニオブ酸セラミックスのインピーダンスの温度依存性を測定し、その導電メカニズムを調べた。
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稲垣 友美, 柿本 健一, 籠宮 功
セッションID: 3A19
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Na0.5K0.5NbO3(NKN)系材料は、比較的優れた圧電性および強誘電性を示す鉛フリー素材として注目されている。しかし、鉛系圧電材と比較すると、その圧電特性は1/2程度である。本研究では、ドメイン構造の制御に注目し、ドメイン構造の観察評価を行ってきた。結晶育成法として、溶液法のフラックス徐冷法を用いた場合、温度勾配によってドメイン構造が顕著に異なり、電界印加下のドメインスイッチングの様子も異なることを報告してきた。本発表では、融液法の浮遊溶融帯法(FZ法)を用いて育成したNKN結晶のドメイン構造を観察評価する。これより、溶液法および融液法を用いた場合を比較し、育成条件および育成方法によるドメイン構造を報告する。
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安藤 聖剛, 柿本 健一, 波多野 桂一, 土信田 豊
セッションID: 3A20
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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KNbO
3セラミックスは優れた電気機械結合係数および高いキュリー温度を示すことから無鉛圧電材料のベース組成として注目され、KおよびNb両サイトを同価の他元素で置換する研究が盛んに行われている。一方、Nbサイトに価数が異なる元素を組み合わせて規則化固溶させる研究例はほとんど見られない。
そこで本研究では、Nb
5+イオンをMn
3+およびW
6+イオンによって固溶させたKNbO
3セラミックスの試料合成を試みた。
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清水 茂仁, Pulpan Petr, 和田 智志, 田中 大介, 古川 正仁, 黒岩 芳弘
セッションID: 3A21
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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現在、環境に優しくかつ高性能な圧電材料が求められており、その候補の1つとして、チタン酸バリウム(BT)—ニオブ酸カリウム(KN)系セラミックスが報告されている。このBT-KN系セラミックスの圧電特性については、0.5BT-0.5KNにおいて誘電率と圧電定数が高く、この組成では斜方晶と正方晶構造の2相共存であり、この界面領域が誘電率、圧電定数の数値に影響を与えたと考えられている。そこで本研究では、2相共存での微構造を制御し、2相界面領域の面積を増加させることで、圧電特性の向上について検討を行った。
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鈴木 諭, 萩原 学, 吉村 知浩, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 3A22
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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我々はこれまで,ニオブ酸アルカリ系非鉛圧電セラミックスにおいてその電気機械結合係数k,圧電定数dが共に15モードが33モードより大きい値を示すことを踏まえ,そのモードを利用した超音波モーターやインクジェットヘッドの作製を行っている[1,2].本報告では,これらデバイス性能向上に必要な同材料の基礎物性の評価を行うと共に,同材料を利用した小径超音波モーターやマイクロポンプの作製を試みた.
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佐々木 僚, 李 恩竹, 保科 拓也, 武田 博明, 鶴見 敬章
セッションID: 3A23
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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ニオブ酸アルカリ系非鉛圧電セラミックスの厚みすべり振動を利用した低速・高トルク特性の超音波モーターを作製し、その駆動特性評価を行なった。2セットの厚み滑り振動子を,分極方向が垂直になるように配置し,それぞれに位相差90°の2つの交流電界を印加することにより,ステーター上部に首振り振動による回転運動が得られた。有限要素法を用いたシミュレーションにより、モーターの振動モードと駆動原理のモデリングを行なった。実際に作製したモーターにおいては、70 Vrmsの交流電界を印加することで、最大回転数238 rpmの回転数が得られた。
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安達 信泰, 佐々木 祐二, 武藤 大夢, 太田 敏孝
セッションID: 3C01
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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保磁力を増大させる目的で、NeFeB系希土類薄膜磁石のDy置換効果を調べた。薄膜はRFスパッタ法を用いてアモルファス薄膜を蒸着し、その後、赤外線熱処理で2-14相を結晶化させた。成膜時にターゲット上にDyチップを置いてスパッタして、Dy置換NdFeB磁石の作製を試みたところ、基板温度470℃、熱処理温度650℃の条件で、膜に垂直方向の磁気異方性を示しながら、保磁力が7 KOe程度の膜を作製できた。Dy置換しない膜に比べて保磁力が2倍程度増大した。EDXの分析から、この膜にはモル比としてNd:Dy=1 : 0.3 程度の組成になっており、保磁力の増大はDy置換による異方性磁界の増大効果と考えられる。
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横田 壮司, 村田 章太郎, 鬼頭 伸弥, 五味 學
セッションID: 3C02
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
我々は室温でわずかな電気磁気効果(ME)を示すCr
2O
3極薄膜を作製し、その電子デバイスへの応用の可能性を探る研究を行っている。これまでCr
2O
3/(La,Sr)MnO
3(LSMO)構造においてCr
2O
3のゲート電圧の変化によってヘテロ界面の輸送特性を変調できる可能性を示してきた。しかしながら、その詳細な抵抗変化メカニズムは未だ明らかにされていない。そこで今回、それらの抵抗変化特性と界面磁気結合状態及びME効果との関係を詳細に調べるために、強磁性膜厚の異なる試料を作製し、その界面交換結合定数と抵抗変化の相関に関して考察を行った。
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北條 元, 溝口 照康, 幾原 雄一, 藤田 晃司, 田中 勝久, 平尾 一之
セッションID: 3C03
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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イルメナイト・ヘマタイト固溶体はコランダムベースの結晶構造を有し、秩序相(c軸方向にFeとFe+Ti層が交互に積層)と無秩序相(FeとTiがランダムに分布)が存在する。固溶体の磁気的性質はカチオン配列を含めた微構造に大きく依存し、秩序相のみがフェリ磁性を示す半導体となることが知られている。本研究では、PLD法を用いて作製した固溶体秩序相薄膜について、走査透過型電子顕微鏡を用いて微構造を観察し、磁気的性質との関係を調べた。高角度散乱暗視野像およびEELSスペクトルの両者において、フェリ磁性発現に寄与しているカチオンの秩序構造を直接観察することに成功した。
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村瀬 英昭, 藤田 晃司, 村井 俊介, 田中 勝久
セッションID: 3C04
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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近年、半導体ベースのスピントロニクスが脚光を浴びている。半導体スピントロニクスでは、金属スピントロニクスにおいて達成困難なスピントランジスタに代表される半導体機能を有した新しいデバイスの実現が期待される。演者らはマグネタイト(Fe
3O
4)の特徴を利用した新たな磁性半導体薄膜の実現を目指し、マグネタイト-ウルボスピネル固溶体[(1-x)Fe
3O
4-xFe
2TiO
4]に注目している。この系の単結晶および多結晶は、化学量論組成に基づきp型およびn型のキャリアタイプの制御が可能であり、どちらの種類の磁性半導体においても室温以上のT
cが観察される(x~0.8)。今回、パルスレーザー堆積(PLD)法によりマグネタイト-ウルボスピネル固溶体エピタキシャル薄膜を作製し、その電気的・磁気的性質について評価した。
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今田 直人, 赤松 寛文, 藤田 晃司, 村井 俊介, 田中 勝久
セッションID: 3C05
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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スピントロニクス材料作製のアプローチの一つとして、希薄磁性半導体の研究が盛んに行なわれている。これは半導体を3d金属イオンなどの磁性イオンでドーピングすることで達成されてきた。一方、磁性イオンを含まないHfO
2薄膜が室温強磁性を示すことが報告された。このような強磁性体はd
0強磁性体と呼ばれ、現在までにTiO
2, ZnOなど様々な系で報告がされている。LAO単結晶基板上に作製したTiO
2薄膜の磁化が成膜時の酸素分圧の減少とともに増加することや、アニール処理により磁化が消失するという結果から、磁化の起源が酸素欠損であるというモデルが提案されているが、強磁性が現れる機構は十分には解明されていない。そこで、本研究ではPLD法を用いて非晶質および結晶の酸化チタン薄膜を作製し、磁気的・電気的性質を調べ、作製条件と物性との関係を明らかにすることを試みた。
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Cedric Tassel, Naoaki Hayashi, Takashi Watanabe, Atsushi Kitada, Yoshi ...
セッションID: 3C06
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
We previously reported a novel infinite layer compound, SrFeO
2 bearing a square planar oxygen coordination around the iron in the high spin state S = 2. The rarity of such a structure led us to study the substitution of strontium by calcium and we successfully synthesized a whole solid solution Sr
1-xCa
xFeO
2. We found that CaFeO
2 has a distorted FeO
4 square plane with one pair of diagonal oxide ions moving up and the other moving down, resulting in an exotic coordination in between square plane and tetrahedron. CaFeO
2 shows how chemical substitutions can strongly affect the iron coordination and its properties.
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陰山 洋, 辻本 吉廣, タッセル セドリック, 北田 敦, 吉村 一良, 岡田 卓, 八木 健彦, 川上 隆輝, 須藤 晋吾, 那須 三郎 ...
セッションID: 3C07
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
SrFeO2に圧力を印加したところ,33GPaにて高スピン状態から中間スピン状態(S = 1)に転移することを見出した .これまでスピン転移,またはスピンクロスオーバーを示す物質は,数多く見出されているが金属イオンは殆どの場合八面体配位である.SrFeO2は四配位においてスピン転移を示す初めての例である.このスピン転移に伴い,反強磁性絶縁体から強磁性金属へと転移する.講演では,高圧下での粉末X線回折,電気抵抗,メスバウアー効果の測定結果と,第一原理計算の理論を紹介する.
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辻本 吉廣, 陰山 洋, 網代 芳民, 吉村 一良, 鳴海 康雄, 金道 浩一, 西 正和
セッションID: 3C08
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
RbSr
2Ta
3O
10をNiCl
2とイオン交換させることによって、新規
S = 1 の二次元磁性体(NiCl)Sr
2Ta
3O
10を合成した。Niは同一面内にある稜共有したハロゲン原子4つの他に、上下の(TaO
6の)酸素2つによって囲まれている。室温の放射光粉末X線回折プロファイルをRietveld構造解析したところ、Ni原子は特殊位置からより一般位置へ確率分布していることがわかった。(NiCl)Sr
2Ta
3O
10はその二次元構造を反映して、大きな負のワイス温度(-125K)をもつにも関わらず磁気秩序は20Kまで生じない
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高松 智寿, 加藤 雅恒, 野地 尚, 小池 洋二
セッションID: 3C09
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
フリー
還元剤としてCaH
2を用いることにより、無限層構造を有するLaNiO
2を合成することに成功した。まず、KOH溶融塩法を用いて、ペロブスカイト構造のLaNiO
3を450℃で合成した。次に、このLaNiO
3とCaH
2を混合し、ペレット化したものをパイレックス管に真空封入した。これを350℃で24時間加熱した。粉末X線回折の結果、無限層構造のLaNiO
2が得られたことがわかった。
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小林 洋治, 柯 祥林, 秦 英夫, シッファー ピーター, マルーク トーマス
セッションID: 3C10
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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本研究では層状水酸化物を前駆体とした板状スピネル粒子の室温超常磁性を報告する。層状酸化物を前駆体として使用した結果、鉄、ニッケル、コバルト、アルミニウムを含んだ二元系、三元系スピネル粒子の調製に成功した。前駆体が層状結晶構造であるため、スピネル粒子は板状であり、長さ、幅は約1 μm, 厚さは 20-50 nm ほどであり、(111)面を表面としたおおよその単結晶である。NiCoAlO
4, NiCo
2O
4粒子の磁性を測定した結果、大きな粒子径(ミクロン級)にもかかわらず室温での超常磁性が確認された (T
B はそれぞれ 40 K, 250 K)。また、NiCoAlO
4 は準安定相であり、クエン酸法、固体反応法では調整が極めて難しことが確認された。
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天田 将人, 藤本 憲次郎, 伊藤 滋
セッションID: 3C11
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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我々はNi-ZnフェライトのHIP焼結を行った。HIP焼結したNi-Znフェライトの相対密度は97-99%であった。1100℃、50-200 MPaで作製したHIP焼結体の磁気特性は、常圧下、1300℃で作製した焼結体の磁気特性に匹敵した。これはHIP焼結による緻密化の効果によるものと考えられる。また、1300℃のHIP焼結体については粒成長が進行しており、それが磁気特性の向上に寄与したと考えられる。
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鈴木 太志, 本間 剛, 石橋 隆幸, 小松 高行
セッションID: 3C12
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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光情報通信分野において光アイソレータは磁気光学効果を応用した光学デバイスとして知られている。その磁気光学特性を示す結晶として代表的なものがY
3Fe
5O
12(YIG)結晶である。これまで我々は遷移金属を含有するガラスへレーザー照射することにより位置選択的にガラスから結晶を誘起する手法を見出している。本研究では、熱処理によってYIG結晶を析出させる酸化物ガラスの組成の検討を行った。また、レーザー照射によるガラスへの位置選択的なYIG結晶の析出を試みた。
YIG結晶の析出はXRDによって確認され、レーザー照射することで配向したYIG結晶が析出することが示唆された。
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村上 晃浩, 脇谷 尚樹, 吉岡 朋彦, 田中 順三, 篠崎 和夫
セッションID: 3C17
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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Si基板上にPLD法で製膜したエピタキシャルYSZ薄膜の残留応力の測定を行い、その発生原因の解明と制御を試みた。なお、残留応力の測定方法に関しては、XRDによる逆格子空間マッピングを取り、YSZの面内、面外の格子定数の変化から算出する手法を用いた。製膜した時点と、大気雰囲気で24時間アニールした時点における残留応力を測定したところ、製膜したままのYSZ薄膜には圧縮応力が掛かっていたが、900℃以上でアニールしたものには引張応力が掛かっていた。この結果から、残留応力に関与する要素を「イオン打ち込み」、「熱応力」、「アニールによる応力緩和」の3つに整理し、考察した。
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木村 祐介, 脇谷 尚樹, 坂元 尚紀, 鈴木 久男, 原 亨, 石黒 隆, 篠崎 和夫
セッションID: 3C18
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
会議録・要旨集
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SrTiO3薄膜を用いたナノドメイン型の酸素センサーの酸素感受性に及ぼすDy添加効果を明らかにした。Dy添加により薄膜の表面の抵抗が増加し、酸素感受性が上昇した。このことはDyはペロブスカイト構造のAサイトおよびBサイトの両方に置換固溶したために、バッファー状態が形成し、キャリアの電子を相殺したためであると考えられる。
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申 ウソク, 西堀 麻衣子, 伊豆 典哉, 伊藤 敏雄, 松原 一郎, 渡辺 展之
セッションID: 3C19
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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我々は、薄膜試料の高温熱電特性評価を進めながら、Si及びSiGe系の半導体材料と酸化物材料の薄膜を作製し、そのゼーベック係数を評価している。本研究では、スパッタ成膜プロセスの他、LPCVD方法を用いてBドーピング量を変えながら作製したSiGe薄膜について、その熱電特性を調べた。
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西堀 麻衣子, 申 ウソク, 伊藤 敏雄, 伊豆 典哉, 松原 一郎
セッションID: 3C20
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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燃焼触媒を集積化したマイクロ熱電式ガスセンサは、触媒上でのガス燃焼反応によって生じる酸化熱を、熱電材料により電圧信号へ変換することで、ガス濃度を計測する。この素子はマイクロヒータにより触媒温度を制御できることから、マイクロ素子上の触媒燃焼性能の評価にも有効である。これまで我々は、主にSiGe薄膜を用いた熱電式ガスセンサ素子の開発を行ってきた。本研究では、BをドーピングしたSi薄膜を用いたマイクロ素子を作製し、素子上に集積化した触媒のガス燃焼特性を評価した。
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籠宮 功, 鈴村 雅矢, 柿本 健一, 大里 齊
セッションID: 3C21
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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混合導電性酸化物を用いた酸素透過性セラミックスにおいて、十分な酸素透過速度を得るのに900℃以上の高い温度が必要であることが一つの問題点となっている。この温度を下げる指針の一つは、酸素透過速度の活性化エネルギーを下げることである。本研究では、結晶構造の違いが活性化エネルギーに与える影響を調べるため、La-Sr-Co-Fe系で単純立方晶ペロブスカイトと異なり、インターグロース構造をとるLaxSr3-xCoFeO7-dに注目して、緻密焼結体を作製し、その酸素透過特性を評価した。
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国村 昌生, 西本 俊介, 松田 元秀, 三宅 通博
セッションID: 3C22
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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我々の研究グループは、SOFC用材料としての応用能を評価する目的で、(Sr, La)(Ti, Mn)O
3系ペロブスカイト化合物の諸特性を検討している。今回は、比較的高い電気的特性ならびに耐還元特性が得られた試料の酸素透過性能について検討したので報告する。
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船曳 富士, 早川 博, 木嶋 倫人, 秋本 順二
セッションID: 3D03
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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焼成法によりNa0.44Mn1-yTiyO2を得たのち、イオン交換によりLi0.44Mn1-yTiyO2を得た。次にAr雰囲気下でブチルリチウム(n-C4H9Li)が溶解するn-ヘキサン溶媒を滴下し、Li挿入試料(Li0.44+xMn1-yTiyO2, x=0 to 1)を得た。SEM像において挿入前の粒子の形状が直方体であるのに対し、挿入後は、Li挿入量が多い場合に丸みを帯びた。ICP分析の結果、ほぼ全n-C4H9Liが試料に挿入されることが分かった。粉末X線回折測定から、xが増加するにつれて、低角へのピークシフトが起こり、その後、急激に非晶質化するのが観察された。Li0.44+xMn1-yTiyO2の充放電試験の結果とともにトンネル型構造への化学挿入で生じる構造変化について考察した。
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本間 剛, 長嶺 健太, 広瀬 景太, 小松 高行
セッションID: 3D04
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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オリビン型LiFePO
4はリチウムイオン二次電池の正極活物質として、安価かつ熱安定性の観点から注目されている材料である。一般的には固相反応や水熱法により合成されるが、最近、我々はガラスを前駆体とした結晶化による正極活物質の合成手法を見出した。これまでの研究で結晶構成成分であるLi
2O-Fe(II)O-P
2O
5に5mol%程度Nb
2O
5を添加し、還元雰囲気中で溶融する事により前駆体ガラスを作製した。前駆体ガラスにおける鉄(II)の割合は82-87%であり、還元後のガラスを不活性雰囲気下、結晶化温度付近で熱処理を行うことでLiFePO
4が得られた。本研究ではFe(III)
2O
3を出発原料とし、Li
2O-Fe(III)
2O
3-P
2O
5三成分系ガラスの気溶融下で作製したガラスを還元熱処理する事でLiFePO
4が得られたので報告する。
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ランガッパ デニッシュ, 曽根 浩司, 工藤 徹一, 本間 格
セッションID: 3D05
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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次世代リチウム二次電池の正極材料の本命と期待されているリン酸鉄リチウム(LiFePO4)の高性能化が期待されている。本研究では先端的な溶液プロセスである超臨界水熱合成法を用いてナノ結晶のLiFePO4を合成し、その構造解析と2次電池正極特性を評価した。わずか4-10分の合成時間で単分散性のナノロッド構造のLiFePO4結晶が合成された。
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大竹 英明, 伊藤 滋, 藤本 憲次郎
セッションID: 3D06
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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層状構造の擬四元系Li-Ni-Co-Ti系複合酸化物を静電噴霧熱分解法により作製した。
作製した試料の充放電特性はコンビナトリアル高速評価システムを用いて測定した。
静電噴霧熱分解法により作製した試料(LiCoO
2)は固相合成により作製した試料に比べ、小さな粒子径、大きな放電容量、良好な平坦電位を示した。
組成の変化による充放電容量の変化に着目すると、Ni成分の増加に伴い充放電容量の増加、Ti成分の増加に伴い充放電容量の減少が見られた。
また、Liイオン二次電池の新規正極材料として期待できる組成を持つ酸化物を発見することができた。
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山本 拓哉, 渡部 大地, 鈴木 真也, 宮山 勝
セッションID: 3D07
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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GSの負極特性の評価および、無機ナノシートとの複合化による電極特性の向上を試みた。酸化グラファイトを1050℃で15秒間急速加熱した後、N-メチル-2-ピロリドンに分散させ、グラファイト層間を剥離させることでGSを得た。また溶媒中に分散した状態で、GSと種々の無機ナノシートとを均一に混合することで種々の複合体を得た。無機ナノシートとして、モンモリロナイト、層状複水酸化物を用いた。GSは初回充電時に2000 mAh/gを超える大きな不可逆容量を示した。第二サイクル以降は1400 mAh/g程度の非常に大きな可逆容量を比較的安定的に示すなど優れた負極特性を示した。初回充放電時の不可逆容量を低減するために、無機ナノシートとの複合化によって比表面積の低減を試みた。無機ナノシートとの複合体は初回充電時の不可逆容量が大きく低減された。また10サイクル目以降には1000 mAh/g程度の大きな可逆容量を安定的に示すなど良好な電極特性を示した。
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大久保 將史, 工藤 徹一, 本間 格
セッションID: 3D08
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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リチウムイオン2次電池の高速充放電において高い容量を得るためには、Liイオンの固体内拡散距離を短くすること、すなわちナノ化することが最適と考えられる一方で、量子サイズ効果による電気化学的特性の変化も期待される。
これまでに我々は、水熱合成を利用して6nmまでの結晶子サイズを持つナノ結晶LiCoO2を系統的に合成し、その電気化学特性へのナノサイズ効果を明らかにしてきた。本講演では、水熱法によるナノ結晶LiNiO2の合成、及び、電気化学特性へのナノサイズ効果について報告する。
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國分 貴雄, 内山 弘章, 細野 英司, 周 豪慎, 今井 宏明
セッションID: 3D09
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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バイオミネラルが持つ複雑かつ精密な三次元ナノ構造を機能性酸化物へ応用することで優れた特性の発現が期待される。Mn
2+、Co
2+含有寒天ゲルを反応場とすることで、バイオミネラル類似の配向ナノ結晶の集積構造をもつ炭酸塩が得られる。本研究ではこれを中間体として、Li
2CO
3と混合して焼成することでCoドープスピネル型LiMn
2O
4を得た。純粋なMnCO
3では、50-200 μmブロック状のユニットが結晶方位を揃えて集積して、マクロには多面体を示す階層構造を有していた。一方、Coが固溶した場合では、ユニットの結晶方位が乱れた球晶が得られた。作製した多孔質体のリチウム二次電池の電極特性を測定したところ、Coドープによりサイクル特性の向上が見られた。
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金村 聖志, 鈴木 雄志, 棟方 裕一, 梶原 浩一, 吉田 俊広, 山本 一博, 佐藤 洋介
セッションID: 3D10
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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マイクロサイズの孔が規則的に配列したハニカム構造体に着目し、電池構造へ応用した。電池をハニカム構造にすることで、体積当たりの電解質/電極活物質界面を増加させることができる。また、電解質中のイオンの拡散距離も短くなるため、出力の大きな全固体型リチウム二次電池を作製できる可能性がある。本発表では、ハニカム構造を有するLi
0.35La
0.55TiO
3電解質を用いて全固体型リチウム二次電池を作製し、その電気化学特性を評価した。
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武井 貴弘, 米崎 功記, 熊田 伸弘, 木野村 暢一
セッションID: 3D11
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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電気化学キャパシタは、電気二重層を利用するものと、レドックス反応を利用するものの二種類に分かれており、前者には活性炭が、後者には導電性高分子や酸化ルテニウム、酸化マンガンや酸化バナジウム系などのレドックス活性な物質が検討されている。
バーネサイト構造を持つ層状酸化マンガンは、剥離処理により表面積が大きいナノシートコロイドが作製可能である。本研究では、いくつかの遷移金属を添加した層状酸化マンガンよりナノシートコロイドを作製し、その電気化学特性を検討することを目的とした。その結果、銅を添加した層状酸化マンガンからのナノシートを用いて作製した膜がもっとも大きなキャパシタンスを示すことがわかった。
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濱本 孝一, 淡野 正信
セッションID: 3D12
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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エネルギーおよび物質変換機能を利用した新しいセラミックデバイス製造技術に関する研究開発を進めている。特に電気化学デバイスの機能性電極においてはミクロ〜マクロレベルでの微細構造が特性に大きく影響を及ぼすためプロセス制御技術の確立が重要な課題の一つとなっている。また、高電場での高分子ゲルのスピニング現象を利用するナノサイズファイバーの製造プロセスが報告され、これらを利用したセラミックスの構造制御技術が注目されている。本研究発表では、セラミックキャパシタにおける電極等のセル構成部材量産技術へ展開が可能なナノ構造制御技術の一つとして、エレクトロマイクロスピニング法によりペロブスカイト型酸化物やアルミナ、チタニアまたはガドリニウム固溶酸化セリウム(GDC)等を作製し、さらに多層化・複合層化技術について検討した。
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BEATRIZ DEFEZ, GUILLERMO PERIS-FAJARNES, IGNACIO TORTAJADA, LARISA DUN ...
セッションID: 3E01
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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Bibliography related to the design of ceramic floorings, their historic progression and current background is extensive. Nevertheless, there are very few works engaged with the peculiarities of the geometric and structural configuration of back reliefs. In this article, we report the evolution of back reliefs according to the technological determinants of the sector. Then, we analyze the current situation of ceramic back reliefs, as well as their development opportunities with regard to new design factors, namely, the new market, the new environmental requirements, and the accomplishment of the international regulations
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松平 恒昭, 河合 孝文, 北岡 諭
セッションID: 3E02
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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過熱水蒸気による加熱は,空気加熱に比べて伝熱速度と乾燥速度が大きく,かつ,浸透作用も高く,厚肉大型物をムラ無く均一に乾燥することができるため,洗浄,乾燥,脱脂,焼成等の様々な生産プロセスの“高効率化”と“省エネルギー化”に活用することが期待されている.エネルギー変換効率の高い誘導加熱(IH)方式により高温の過熱水蒸気を生成する場合,その発熱体には,電子的伝導性であることに加えて,過熱水蒸気に対し耐熱性,耐食性,耐熱衝撃性,耐疲労性等に優れることが要求される.La1-xSrxMnO3(LSM)は,酸化物の良導体であることから候補材の一つとして注目されている.本研究では,LSMをIH過熱水蒸気ヒーターに適用する際の運用指針構築の一環として,まず初めに,LSMの高温繰り返し疲労特性に及ぼす雰囲気(酸素分圧と水蒸気分圧)の影響について評価した.
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村田 航平, 武藤 浩行, 二見 貴俊, 松田 厚範, 逆井 基次
セッションID: 3E03
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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超塑性変形における巨視的変形の大部分は粒界すべりに起因しており、これを促進させれば低温・高速超塑性材料の開発が可能である。超塑性セラミックスにおいては粒径を微細化することが最も重要であることが知られており、その開発がなされてきた。しかし、これら微細化の試みも技術的な限界に到達しつつあり、新規な超塑性化の概念が必要となってきている。本研究では、超塑性粒界すべりにおいて、変形エネルギーが低減できるような微細構造を模索することを目的とする。個別要素法を用いて種々の異なる幾何学微細構造モデルを作製し粒界すべりに対する変形抵抗を比較し最適構造を検討する。
作製した粒子集合体を引張変形させ、モデルごとの粒界すべり様式の変化、および、変形に要する変形エネルギーを付加歪の関数として連続的に計算して、各モデル集合体の変形能を比較した。
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梅田 賢, 二見 貴俊, 武藤 浩行, 松田 厚範, 逆井 基次
セッションID: 3E04
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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多結晶体において発現する巨大変形は超塑性として知られており、その巨視的変形の大部分は粒界すべりによってもたらされる。従って、超塑性変形中の粒界すべりの詳細を調査することは、新規材料の設計、開発に重要な情報をもたらすと期待される。一般的に、超塑性の大変形を阻害する要因として、粒界キャビティーの発生、また、その連結により、粘弾性体としての超塑性材料中に亀裂が発生することで破断に至ることが知られているが、多くのこれに関連した研究は破断後の試験片の微構造観察により破壊機構を推定しているに過ぎず、各変形歪に応じた材料内部の情報を「その場」計測する手段を持ち合わせていない。本研究では、引張伸張により生じる試験片内部の微細構造の変化を動的粘弾性計測により明らかにすることを目的とした。
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平賀 啓二郎, 田淵 正明, 金 炳男, 森田 孝治, 吉田 英弘
セッションID: 3E05
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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酸化物系超塑性セラミックスを対象として、微視構造の定量解析と破断モデルに基づいて、引張破断の引き金を引くき裂の形成条件を検討した。超塑性セラミックスの破断挙動には微小ボイドや硬い介在物を含む金属系材料のそ延性破断との強い類似性が認められた。得られた定量データに基づいて、脆性亀裂伝播や臨界粒径の存在を仮定した既存モデルについても検討を行う。
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天明 寛, 安田 公一, 塩田 忠, 松尾 陽太郎
セッションID: 3E06
発行日: 2009年
公開日: 2009/08/31
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本研究では、界面層を有する任意形状介在物の面外せん断荷重下の弾性解析を行った。具体的には、2次元弾性論により、応力・変位を求めるための応力関数の解析解を求めた。ここでは、平島らと同様に任意形状の単位円への等角写像を用いて、物理平面上の介在物と界面層の外側境界を、写像平面上の同心円に写像した。この上で鏡像原理による解析接続を用いて、写像平面上の応力関数解を求めた。この応力関数を用いた数値シミュレーションによって、介在物形状や弾性係数を変えたときの応力分布を求めた。このように、本研究で用いた等角写像の関数を適当に与えて、任意の形状を写像平面上の円に写像することで、界面層を有する任意形状介在物周りの応力分布を求めることができる。
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