1.戸外での身体活動時間が多く, 共同生活を行い, 同一の食事を摂取している健常な成人男子13名 (居住地: 大分県別府市, 調査年月: 1983年3月~1984年2月, 平均年齢: 21.5歳, 標準偏差: 2.4歳) を対象者として血液水分量, 血清陽イオン, 陰イオン濃度の季節的変動を調べた.採血は起床時 (午前6時~6時30分) , 臥位で行った.
2.血液水分量は6~7月と11月に高くなるという2峰性を示した.
3.血清陽イオン濃度については, Naは9月から1月までが低く, 4, 5月に高くなった.KはNaとほぼ逆方向の変動を示した.Caは10月から1月までが低く, 4月から9月までが高くなった.
4.血清陰イオン濃度については, Clは8月から11月までが低く, 4月から6月までが高く, Pは6月から8月までが低く, 4月から9月までが高くなった.
5.陽イオン種と陰イオン種のそれぞれの合計からの差も季節によって変動し, 9月から12月までが低く, 4, 5月には高くなった.
6.今回検討した血液水分および血清電解質の季節的変動は, 先行研究の結果と異なり, 夏期に希釈, 冬期に濃縮という画一的なものではなかった.この原因の1つとして, 室内気温の変動が小さかったことに代表されるような生活様式の変化や食生活の変化が考えられる.
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