歯科医学
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73 巻, 1 号
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  • 紙谷 仁之, 真下 千穂, 森田 章介
    原稿種別: 本文
    2010 年 73 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2010/03/25
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル フリー
    細菌は多糖体(exopolysaccharide;EPS),核酸,タンパクなどの菌体外マトリックスを産生し,バイオフィルムを形成することで,物理化学的攻撃や宿主免疫応答を免れ,疾患を慢性化,難治化させることが知られている.口腔領域においても根尖性歯周炎,歯性膿瘍などからバイオフィルム形成菌が多く分離されており,病態の憎悪化との関連が明らかになってきている.現在,口腔バイオフィルム形成菌に関する様々な研究が行われているが,EPS産生に関与する遺伝子(群)とその働きについて明らかにした知見は少ない.本研究では歯性膿瘍から分離され,EPSを持続的に産生するActinomyces oris(A. oris)K20株のEPS産生性に注目し,その原因遺伝子を同定することを目的とした.A. oris K20株に対してEZ-Tn5^<TM><KAN-2>Tnp ransposome^<TM>を用いたランダムミュータジェネシスを行い,変異株を作製した.走査電子顕微鏡で菌体表層を観察し,菌体外網目様構造物を欠損または著しく減少した変異株をスクリーニングした.菌体外網目様構造物欠損変異株について,トランスポゾン内在配列をプライマーにしたゲノムダイレクトシークエンシングを行い,トランスポゾン挿入領域近傍の遺伝子配列を決定した.パイロシークエンス法により得られているA. oris K20株のドラフトゲノム情報を用いて,欠損遺伝子の全長を決定し,BLAST解析により,その遺伝子機能を推定した.トランスポゾンミュータジェネシスにより,EPS産生性を欠損した5株を得た.トランスポゾン挿入部位を解析した結果,各々polysaccharide deacetylase, Spo0J containing ParB-like nuclease domainおよび残りの3株ではhypothetical proteinと推測された遺伝子に変異が起きていることが分かった.このうちpolysaccharide deacetylase遺伝子変異株(M154株)について,変異遺伝子周囲の遺伝子コンテクストを調べた結果,糖代謝や輸送に関与すると推測される遺伝子が複数存在することが明らかとなった.今後,さらなる分子遺伝学的解析を行い,EPS産生に関連する候補遺伝子の機能や細胞内での挙動を明らかにし,A. orisにおけるEPS産生のメカニズムを解明していきたいと考えている.
  • 南部 隆之, 山根 一芳, 真下 千穂, 山中 武志, 杉森 千恵子, 河合 高弘, 高津 兆雄, 上田 雅俊, 福島 久典
    原稿種別: 本文
    2010 年 73 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2010/03/25
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル フリー
    細菌は,RNAポリメラーゼのサブユニットであるシグマ因子を置換し,プロモーター認識特異性を変化させることで転写制御することが知られている.本研究では,最近,我々が全ゲノム配列を決定した,難治性根尖性歯周炎由来のRothia mucilaがnosa DY-18株について,生物情報学的手法を用いて,シグマ因子の同定とその特徴付けを行った.複数のシグマ因子をクエリとして用いた網羅的な相同性解析により,DY-18株は,ハウスキーピング遺伝子の発現に関与する主要シグマ因子と,外部環境の変化に応じて遺伝子発現を制御する置換型シグマ因子の2種類のシグマ因子をもつことが明らかになった.また,置換型シグマ因子の活性を抑制するアンチシグマ因子の存在が認められ,それらをコードする遺伝子はゲノム上に隣在していた.アンチシグマ因子を用いた相同性解析とマルチプルアラインメント解析から,アンチシグマ因子にはレドックスモチーフが存在することが明らかになり,DY-18株がもつ置換型シグマ・アンチシグマシステムは,酸化ストレスに応答するシステムであることが推測された.
  • 馬場 祥光
    原稿種別: 本文
    2010 年 73 巻 1 号 p. A21-A22
    発行日: 2010/03/25
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル フリー
  • 岩本 一哉
    原稿種別: 本文
    2010 年 73 巻 1 号 p. A22-A23
    発行日: 2010/03/25
    公開日: 2017/06/05
    ジャーナル フリー
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