歯科医学
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84 巻, 2 号
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  • 歯科衛生士養成校における口腔衛生指導法の評価
    壺井 佳見, 三宅 晃子, 小正 裕
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 84 巻 2 号 p. 69-75
    発行日: 2021/09/25
    公開日: 2021/12/25
    ジャーナル フリー

    う蝕や歯周病の罹病率が未だ高い現在のデータから,口腔環境の向上には我々歯科衛生士の更なる努力が必要である.そこで,衛生士養成校で新たな歯垢指数評価法を用いたブラッシング教育により,生徒が歯垢除去の実践的スキルを獲得しているかを検討することを目的とした.新たな歯垢指数評価法とは,“う蝕と歯周疾患の予防に役立つことを目指した,計296か所の判定を行った歯垢指数”であり,多用されているO`Learyの歯垢指数よりも詳細に歯垢残存部位を評価することができる.対象者は,新大阪歯科衛生士専門学校2019年度入学生19±1歳,本研究の参加に関し,同意が得られた女子生徒83名とした.除外基準は,上下顎7〜7において欠如歯がある生徒,第3大臼歯が萌出している生徒とした.Community Periodontal Indexによりブラッシング法を決め,歯垢染色後にブラッシング実習を行い,その実習の前後に歯垢指数の記録と口腔内写真撮影を行った.1週間ブラッシング練習を実施後,再度歯垢染色を行い,ブラッシング指導前後の歯垢指数の記録と口腔内写真撮影を行った.その結果,歯垢指数の平均±標準偏差は,1回目のブラシング実習前は21.4±11.6%,ブラッシング実習後は15.9±8.8%,2回目のブラッシング実習前は16.3±9.6%,ブラッシング実習後は12.6±6.9%であり,1回目も2回目もブラッシング実習後は,ブラッシング実習前と比較して有意に歯垢指数が減少した.最終的に清掃困難な部位は,小・大臼歯の舌側と上顎前歯舌側中央部であることが明らかとなった.以上の結果より,歯垢指数を利用した口腔内状況をデータとして記録化し,学生自身に状況に合わせてブラッシング方法を徹底するという教育法を実践することで口腔内環境が改善される可能性が示された.学生が卒後,歯科衛生士として歯科医療に携わる日まで,我々教育者は今後も本法の成果を観察しながら改善を続け,指導の徹底を続けなければならないと考える.

  • 辻 要, 西川 哲成, 松本 秀範, 王 宝禮, 田村 功, 益野 一哉, 藤原 眞一, 百田 義弘, 田中 昭男, 井関 富雄, 川添 堯 ...
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 84 巻 2 号 p. 76-83
    発行日: 2021/09/25
    公開日: 2021/12/25
    ジャーナル フリー

    「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)をより身近なものとして学習させるために大阪歯科大学第1学年において問題基盤型のグループ学習によるワークショップを実施した.課題は1)地球温暖化,2)河川の水質汚濁,3)地球生命史の1年換算年表を作成することで,SDGsの中でもモデル・コア・カリキュラムで設定されている環境問題を捉えさせ,今後の対策を自ら考えることを目的とした.授業の開始時と授業終了1週後にアンケート調査を実施し,学習前後での知識および意識の変化を調べた.ワークショップでは地球温暖化の原因である二酸化炭素の発生は人類の日常の活動によることが多く,異常気象や海面上昇に関係があることから生活様式の見直しが発表された.また,水質汚濁も人の生活が原因で,数億年生存した魚を一瞬にして絶滅させることにもなりかねないことが発表された.そして,地球生命史の換算年表から,人類の活動がごく短時間で,産業革命以降大きく地球環境を変えたことが発表された.今回の能動的な学習により学生自身が現状をしっかりと把握することで解決策はより独創的な発表内容が多かった.また,解決策に関するアンケートの結果においても,授業前と比較し,授業後は独創的で汎用的な内容が増加した.社会人そして歯科医師として求められるSDGs理解の学習において,自らの課題発見,課題解決の重要性に気づかされたものと考える.

  • 原稿種別: 会議報告
    2021 年 84 巻 2 号 p. 85-87
    発行日: 2021/09/25
    公開日: 2021/12/25
    ジャーナル フリー
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