歯科医学
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85 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 槌谷 三桂, 丸山 直美, 髙橋 節子
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 85 巻 2 号 p. 99-105
    発行日: 2022/09/25
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー

    スケーリング・ルートプレーニングは,歯周治療の中でも重要な処置であり,キュレットの刃部の状態は処置内容に大きな影響を及ぼす.そのため,「歯科予防処置」演習の教育効果は,定量的に評価することが重要である.そこで,本演習の一環としてシャープニング実習を行い,学生評価と教員評価をもとに教育効果を検討した.

    対象は,グレーシーキュレットとダルインスツルメントのシャープニングを行った本学口腔保健学科の学生62名である.学生が,グレーシーキュレットをシャープニング後,実習達成度を5段階で自己評価したデータと,学生がダルインスツルメントをシャープニングし,教員が刃部形態の評価をもとに学生の実習到達度を2段階で評価したデータを集計・分析した.その結果,教員が学生の実習到達度を「可」と評価した割合は「砥石と切縁の適切な角度の適合」が65%,「刃部全体の切縁の角度と鋭利度の回復」が44%,「刃部に変形が見られない」は89%であった.学生が実習達成度を「できた」と評価した割合は,「砥石と切縁を適切な角度に適合する」が73%,「刃部の後部から軽く上下のストロークをする」が74%,「刃部後部から先端の切縁に沿って砥石を移動し,切縁を均一に鋭利にする」が71%,「切縁の鋭利度を正確に評価する」は85%と学生の自己評価は高く,目標が達成できたと捉えていた.また,4回の実習で「できた」と回答した学生数は回を重ねる毎に増加し,1回目に比較して4回目が統計学的に有意に上昇した.

    以上の結果から,本演習で行ったシャープニングは,教員評価に学生評価を加えたことで,学生の技術到達度の現状が把握できた.さらに,実習の課題が明確になり,実習改善の方向性が示唆された.

  • 医療安全管理学授業におけるアンケート調査からの考察
    佐久間 泰司, 山本 さつき, 吉川 一志, 渡辺 昌広, 柿本 和俊
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 85 巻 2 号 p. 106-116
    発行日: 2022/09/25
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー

    従来,大学では一方向的な知識伝達型講義を聴くという授業が多く行われてきた.この反省から,多くの大学がアクティブ・ラーニングなど主体的な学びを支援する教育を取り入れてきた.しかし各種アンケートからみる学生の意識は主体的な学びとは逆の方向に向いている.また資格取得を目的とする教育学部,法科大学院,医療系学部は,能率的に膨大な知識を学生に授けると信じられてきた一方的講義形式を主体とした教授法を導入することになる.その学生自ら課題を設定し,解決・探求していくという,本来の意味での主体的な学びを行う前提として,学生が大学教育に何を求めているかを調査した.

    2021年度の大阪歯科大学歯学部歯学科第3学年の医療安全管理学を受講する学生を対象とした.授業の一環として記入させた無記名アンケートを研究に用いた.

    その結果,学生の入学の理由は,歯科・歯科医師という具体的な専門領域・職業に深い興味をもって入学していることが明らかとなった.学生は歯科医師に必要なものとして,分かりやすい説明技術,患者に寄り添う姿勢,歯科医学の知識,歯科治療の技術,幅広い教養と考えていた.なりたい歯科医師像は,歯科治療の腕のいい歯科医師よりも,歯科医院のスタッフとうまくやる歯科医師,患者から信頼を得る歯科医師であった.学生自身がスタッフや患者から信頼を得て豊かな人生を送りたいという願望であろう.

    このアンケート結果から,学生自身が主体的に学ぼうとする意欲を有していることが分かった.

  • 元根 正晴, 志水 秀郎, 楠 博, 奥野 健太郎, 髙橋 一也, 中嶋 正博
    原稿種別: 研究論文
    2022 年 85 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 2022/09/25
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー

    我々は,2019年4月より当大学附属病院内科に睡眠時無呼吸症候群外来を設置し,既存の睡眠歯科外来と共同して睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査・治療にあたっている.SASの診断は,簡易検査と睡眠ポリグラフ検査(PSG)の2段構えからなり,簡易検査において睡眠ポリグラフ検査のスクリーニングおよび睡眠歯科外来でマウスピース(OA)を作製した患者の効果判定を行っている.簡易検査においては,無呼吸低呼吸指数(AHI),最低酸素飽和度.低呼吸指数(3% ODI)の3つのパラメーターでSAS重症度やOA効果判定を行うが,この3つのパラメーターは,互いに強い相関を示す.睡眠ポリグラフ検査では,無呼吸パラメーターと同時に睡眠パラメーターも測定できる.

    睡眠ポリグラフ検査と簡易検査で得られた無呼吸パラメーターは相互に強い相関を示す一方で,睡眠ポリグラフ検査で得られた無呼吸パラメーターは,睡眠パラメーターとは強い相関を認めなかった.睡眠時無呼吸外来開設以来21か月の診療実績として,簡易検査はのべ135人,PSG検査は33人の検査実績をあげている.我々の施設では,患者の紹介から治療に至るまで,医科歯科連携の利点を十分に生かすことができる.

  • 原稿種別: 会議報告
    2022 年 85 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 2022/09/25
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 会議報告
    2022 年 85 巻 2 号 p. 128-130
    発行日: 2022/09/25
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー
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