保全生態学研究
Online ISSN : 2424-1431
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6 巻, 1 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2001 年 6 巻 1 号 p. Cover1-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2001 年 6 巻 1 号 p. Toc1-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 後藤 章, 鷲谷 いづみ
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 1-20
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    小笠原諸島母島における絶滅危惧植物ヘラナレンCrepidiastrum linguifolium(A.Gray)NakaiとユズリハワダンCrepidiastrum ameristophyllum(Koidz.)Nakaiの保全計画立案の資料とするため,両種の分布(生育場所およびその環境,個体数),個体群の現状,および種子による繁殖に係わる生活史ステージ(訪花昆虫,種子生産,発芽,実生の定着)の状況について調べた.生育場所としてはヘラナレンは主に「草地」,ユズリハワダンは「湿性林」に分布していたが,いずれの種においても,20個体以上の個体群は2つしか残されていなかった.花には在来のハナバチ類の訪花は確認されなかった.両種とも孤立個体においては種子生産が見られず,ユズリハワダンでは1997年には30個体未満の小さな個体群で結実率が低く(8%以下),1998年にはすべての個体群で結実率が5%以下であった.孤立個体の近くでは,実生の定着を確認することができなかったが,大きな個体群の中では比較的多数の実生の定着が認められた.ヘラナレンの1つの個体群を除き,1997年から1998年にかけての死亡率は,両種とも50%を越え,台風による被害が主要な死亡要因であることが示唆された.ヘラナレンとユズリハワダンともに残存個体群の数および個体数が少なく,個体群の運命が確率変動的な要因に左右される可能性が大きいことが示された.絶滅の可能性を引き下げるための対策としては,生育適地と考えられる場所への種子の導入および適切な管理によって新しい個体群を確立させることが考えられる.
  • 中田 政司, 須藤 晃延, 谷口 研至
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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    かつて染色体数の増加を伴ったキク(園芸菊)との雑種が発見されたことのあるワカサハマギクの個体群(内部に地蔵尊の祠を含む)について,染色体数の構成を14年後に追跡調査した.観察した31個体中2n=62の低七倍体が1個体,2n=37の高四倍体が1個体見られたが,残りの29個体は正常な2n=36の四倍体であり,1985年の調査以後,新たな雑種は生じていないようであった.この2n=62の低七倍体は,形態や生育場所などから,1982年に初認された雑種と同一の個体と推察され,雑種が自然界で少なくとも18年生存することが確認された.
  • 橋本 裕美子, 飯島 博, 鷲谷 いづみ
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 29-43
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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    1998年5月に茨城県潮来町(現潮来市)に開園した実験的なビオトープ「水郷トンボ公園」に導入されたオニバスとミズアオイの管理計画策定に資することを目的として,両種の生育状況と基本的な繁殖生態的特性を,現地でのモニタリングと調査,室内実験および制御条件下での栽培実験によって調べた.オニバスについては,本栽培条件下での面積あたりの生産種子数の上限は約250個/m^2であること,過密により株の大きさが制限された場合には開放花をつけないこと,種子はある種の低温で休眠が誘導されることが明らかにされた.ミズアオイについては,初夏の耕起がミズアオイの生育にとって有効であること,生育が良好な場所(被度75%以上)における面積あたりの生産種子数は約36万個/m^2であること,種子は水中でよく発芽し,水深15cmまでであれば冠水条件でも実生の出現に支障がないことが示された.両種ともに,季節に応じた適切な水位の管理,季節を選んでの耕耘機による耕起および種子や実生の段階での間引きなどの比較的簡単な管理によって,植生におけるこれらの種の優占状態を維持できる可能性が示唆された.
  • 高槻 成紀
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 45-54
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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    近年ニホンジカ(シカ)が増加し,農林業被害を発生させるだけでなく,自然植生への影響も出ている.一方,外来牧草が牧場だけでなく道路沿いの緑化に用いられ,それが逸出している.このような牧草がシカの個体数増加や分布拡大に及ぼす影響は今のところ不明だが,保全生態学的には重要な問題なので,既存のデータを再検討した.その結果,岩手県五葉山ではシカはミヤコザサをよく採食しているが,牧場周辺のシカは秋と晩冬に牧草をよく採食していることがわかった.シカはまた,牛の放牧が終わる秋以降牧場をよく利用していた.文献により牧草と野草の栄養価と消化率を比較したところ,牧草が栄養価の高い飼料であることがわかった.五葉山の牧場周辺には牧場に依存的なシカがおり,牧場を金網の柵で囲った年の翌春には多くのシカが餓死し,それ以降死亡数が少なくなった.また東京都の奥多摩のシカは冬に非常に栄養価の低い,枯葉や樹枝,樹皮などを多く採食していたが,若干例の胃内容物サンプルには多くの牧草が含まれていた.これらの事例や観察例をもとにシカにとっての牧草の意義を考察し,外来牧草は自然植生に悪影響を及ぼすだけでなく,シカの個体数増加や分布にプラスになっており,そのことを通じてさらに自然植生に悪影響を及ぼす可能性があることを指摘した.
  • 長崎屋 圭太
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 55-67
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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    1.地球規模で生物多様性保全の重要性が認識されている中,森林の管理経営のあり方においてもより高度かつ複雑なものが求められている.特に,急峻な地形の上で高度な経済活動が行われている我が国では,国土の7割を占める森林に対して,国土の保全や水資源のかん養,さらには地球規模での環境問題を背景とした地球温暖化防止や生物多様性の保全など,多種多様な要請が寄せられているところである.こうした様々な要請に応えうる森林を保全・育成するためには林業関係者のみならず国民全体で森林を守り育てていく必要がある.そのためには我が国の森林が国民生活にどのような役割を果たしているかを定量的に評価して,わかりやすく伝えていく必要がある.こうした趣旨から,林野庁では森林の持つ公益的機能の経済的な評価を実施しており,去る平成12年9月には,一定の前提をおいた試算として概ね75兆円とする評価結果を公表した.2.環境の経済的な評価は,環境経済学の分野で様々な手法が研究されているが,今般行った評価においては全国の森林をマクロにとらえてわかりやすく概算するという趣旨から,従来と同様「代替法」を用いた.3.森林の持つ公益的機能のうち特に生物多様性保全機能の評価については,その機能量をどのように把握すればよいのか,経済評価を行う際の私的財を何に求めるかという難しい問題がある.また,そもそも経済評価を行う対象かどうかという判断も求められる.4.結局,現時点では森林の生物多様性保全機能全体を評価することは不可能と考えなければならないが,森林が鳥類の生息の場として果たしている機能だけを取り上げて評価することは十分に可能であると判断した.そこで我が国の森林性鳥類の生息可能数を既存の研究論文から推計し,それを人工的に飼育した場合の餌代をもって鳥類の生息を維持する機能として評価したところ,年間約3兆7,800億円という推算値が得られた.5.今後の森林政策は,生態系としての森林の健全性を維持することを基本とし,その上にたって森林の果たしている各種の役割を持続的に発揮し続けることを目指す必要がある.そのためには,今後,生態系としての健全性の評価の基礎となるような森林資源データの整備,野生鳥獣との共存や生態系の保全に寄与する森林施業のあり方を探る調査研究を進めていく必要があると考える.
  • 保全生態学研究会 , 浅沼 友子, 板垣 智之, 牛島 順子, 牛山 志穂, 呉 賢治, 加藤 裕一, 壁谷 大介, 川上 美穂子, 北本 ...
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 69-73
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 飯嶋 一浩
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 75-78
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 79-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 杉浦 直人, 杉本 雄樹, 池末 龍児
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 81-84
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 松本 雅道
    原稿種別: 本文
    2001 年 6 巻 1 号 p. 85-86
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 87-101
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 102-105
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 106-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 107-108
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. 109-110
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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  • 原稿種別: 付録等
    2001 年 6 巻 1 号 p. App3-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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  • 原稿種別: 表紙
    2001 年 6 巻 1 号 p. Cover2-
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2018/02/09
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