岐阜女子大学のシンボルの花となっている準絶滅危惧種のサギソウ
Pecteilis radiataを大学構内にある約2800 m
2の湿地に植え戻し、12年間観察を行った。2001年に湿地を16個の区画に分けて、それぞれの区画に植え付け地点を設けてサギソウの球根を20個ずつ植え付けた。しかし、その後の3年間で半数の8つの区画で枯死してしまった。サギソウの増殖と植え付け地点の水位に関係が見られ、水位の深いところではサギソウの増殖が劣った。2004年に枯死した区画に再び球根を植え付け観察した。球根を湿地に植え付けるときに、園芸用の水苔資材を用いると球根が安定して、発芽率が良くなることが分かった。2012年までに、2001年に植え付けた4つの区画と、2004年に再植え付けした5つの区画が生き残った。最も増加したのは、2001年に植え付けた湿地東南部の区画(12区)で、2010年の個体数が植え付け時の64倍に増殖した。
抄録全体を表示