〔目的〕臨床看護師が看護系大学教員のキャリアを志向してこなかった理由と、看護系大学教員のキャリアを志向するようになった理由を明らかにする。
〔方法〕看護系大学教員17名を対象に半構造化面接調査を行い、質的記述的に分析を行った。
〔結果〕臨床看護師が看護系大学教員のキャリアを志向してこなかった理由として、【臨床看護師であり続けることへのこだわり】、【職業としての曖昧な認知】、【資質に欠けるという自己認識】、【否定的な職業イメージ】の4カテゴリーが抽出された。また、看護系大学教員のキャリアを志向するようになった理由として、【臨床看護師以外への視野の拡大】、【職業としての明確な認知】、【資質への自信】、【魅力的な職業イメージ】の4カテゴリーが抽出された。
〔考察〕本研究の対象者は、学習経験やタイミング等が相互に影響し合い、様々な転機を経て看護系大学教員のキャリアを志向するようになっていた。
〔目的〕看護学生の訪問看護ステーションへの就職意向と訪問看護実習での経験との関連を明らかにする。
〔方法〕看護系大学4年生387名に、webアンケートによる無記名自記式質問紙調査を行った。単純集計後、訪問看護ステーションへの就職意向と基本属性、訪問看護実習での経験との関連をみた。
〔結果〕102名を有効回答(26.4%)とした。訪問看護ステーションで将来働きたい者は29.4%で、卒後すぐに働きたい者はいなかった。訪問看護に関心がある者は57.8%で、実習時期は4年次(62.7%)が最も多かった。訪問看護ステーションへの就職意向は、訪問看護に関する関心、実習時期、実習の満足度、訪問看護師の学生のことを知ろうとする関わりと関連がみられた。
〔考察〕看護学生の訪問看護ステーションへの就職意向には、訪問看護実習での経験が重要と示唆された。訪問看護ステーションへの就職を検討するには、インターンシップや新卒訪問看護師に関する情報提供と、就職活動以前に訪問看護実習を経験することが重要と考えられた。