要旨:
〔目的〕がん看護学実習を履修した学生のがん患者に対するイメージが変化していくプロセスを明らかにし、教育的支援について示唆を得る。
〔方法〕がん看護学実習を履修した看護学生11名に面接を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて分析した。
〔結果〕がん患者に対するイメージが変化していくプロセスは、「がん患者の言動のキャッチ」から始まり、「実習前のイメージの揺さぶり」を生じ、他者から「咀嚼の促進剤」となる刺激を受けて「言動の意味や思いの発見」、「実感を伴った理解の深まり」といった【体験の咀嚼と産物】を得ていた。
その結果、【イメージ反応】として「イメージの解凍」、「イメージの拡がり」を示し、「新たな看護の方向性の気づき」ができていた。また、「複雑化したイメージへの違和感」を生じたり、これまでの「イメージの強化」という【イメージ反応】を示したりしていた。
〔考察〕教育的支援として、キャッチした言動の言語化と体験の共有、相互作用によって思考を刺激することが示唆された。
抄録全体を表示