本研究では, 視覚位置決め運動を対象に, Fittsの困難度指標(ID=log_22A/W)とmovement timeとの関係を検討するとともに, 加速度波形からみたMTの時間構造の変化についても検討した.被験者は, 平均年齢21.3歳(21〜22歳)の男子大学生8名である.対象とした位置決め運動は, 移動距離を5,10,20,40cmの4種類設定し, 各目標の径は2,4,8,16,32mmの5種類で, 合計20条件について行った.実験の結果, MTは移動距離および目標の径の影響を受け, Fittsの法則に従っていることが示された.MTとIDとの相関関係はγ=0.858で有意な相関関数が認められた.さらに, 加速度波形の種々の時間パラメータもIDとの有意な相関関係が認められ, これらの新たなパラメータも困難度を評価するための一指標となることが示された.
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