われわれは前報において, 総実滞留時間最小化を目的とするスケジューリング問題へのガウシアンマシンの適用を試み, チューニングされたニューラルネットを用いた解法が良好な解を与えうることを示した.ただし, ニューラルネットの適用において問題の制約条件を満足しながら良い評価関数値を与える収束状態を得るためには, 特にエネルギー関数のウェイトを試行錯誤により与えなければならないという課題がある.また, 前報においては, 各ジョブが相互に独立していることを前提としていたが, 現実にはジョブの加工順序を決定するに当たり, ジョブ間相互の関係を考慮しなければならない場合が考えられる.そこで本報では, ジョブ間に先行関係が規定されているスケジューリング問題の解法にニューラルネットを応用し, その有効性について考察する.その際, ネットワークのパラメータの設定を幾分なりとも容易にするための一方法を併せて提案する.
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