本研究では, 後工程での使用速度が計画期間で数回変化する中間製品を, 離れた場所にある前工程で一定の生産速度で連続生産する日程が定まっている下で, 後工程にロットに分けて運搬するとき, 運搬回数を最小にしたうえで, おのおのの運搬ロットの最早運搬時刻と最遅供給時刻の間の時間間隔(納期余裕)を均等化する運搬ロットサイズを求める問題を考察している.この問題を, 横軸に時間, 縦軸に製品の累積処理量をとった累積平面を用いて記述し, 運搬ロットの分割に対応して決まる累積運搬線を求める問題として定式化している.そして, 累積平面上で, 幾何学的な方法により考察を行い, 前工程と後工程のスタートラグの値を変化させたときの累積運搬線の形状の変化の仕方についての基本的な性質を明らかにし, その性質を利用して最適解を求める手順を明かにしている.
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