近年脚光を浴びているトヨタ生産システムの基本理念であるジャストインタイム生産は, かんばん方式により維持されている.かんばん方式の運用に関して, 門田は, かんばんの引取り周期(発注間隔)とかんばん枚数の決定法を、1日当り需要量, リードタイム, 安全在庫量, 経済的ロットサイズからなる概念式で与えている.しかし, 各値の具体的な算出手順は与えていない.本研究では, 定期取引形態のかんばん方式を対象に, 工程間在庫量の挙動に影響を与える変数を用いて, 資材の平均在庫量を求める式を誘導する.次に, 対象とする資材の必要かんばん枚数の決定式を導出し, 資材の在庫費用と引取り費用の和からなるかんばん方式運用費用を最小にする最適な引取り周期を求めるアルゴリズムを示す.また, 本アルゴリズムを具体的な数値例に適用し, かんばん方式運用最小費用, 最適引取り周期, 必要かんばん枚数の各数値解が得られることを示す.
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