かつては製造現場の職長の仕事と考えられていた生産管理は, 今日では現場でのいろいろの仕事から全社的なシステム設計あるいは製造業のみならず運搬やサービス業の経営戦略運用面にまで拡大している.生産管理のこのような発展は, 生産分野の実務上の要求を満足するための各種の創意工夫, 生産管理上の諸問題を解決するための理論や技法の研究発展ならびにその成果の実務へのユニークな応用によってもたらされた.本稿では, この分野で開発されたいくつかの創意工夫や技法や研究システムについての背景と特徴について私見を述べ, 今後重要と思われるいくつかの課題に触れたい.

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まず機械加工工程を対象にレイアウトのタイプを四つに分類する.本研究ではこのうちタイプI, 専用ライン・レイアウト, タイプII, 共通ライン・レイアウト, タイプIII, 類似工程別レイアウトと名づけた三つのタイプについて, 入手容易なデータを用いた定量的なレイアウトのタイプ選定方法を述べる.そして, それぞれの製品を機械負荷(PL_i, GL)および工程経路の類似性(S_<ij>, D_<ij>)の条件によってタイプI, II, III, に層別する.また, レイアウトのタイプ選定とレイアウト設計との関係を明らかにし, レイアウト設計途上で有効に働くレイアウトのタイプ選定結果を得ることができるような各種判定値の設定を試みる.さらに例題として解例を示し, 算法の有効性を確認した.

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本論文は, マニシングセンタのごとき単一多能生産システムに関する研究で, 生産時間の最小化基準のもとでおのおののジョブにおけるオペレーションの最適順序付け(最適加工シーケンス)を行い, また最適加工条件を設定するための解析を行う, 具体的には, 第1目標として最適加工シーケンスを, 第2目標として最適加工条件を決定する.そして, 各ジョブの加工時間から最小加工時間規則(SPT)に従がってジョブのスケジューリングも行う一連のアルゴリズムを作成し, 数値例を示す.

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本研究は身体障害者の適職選定のための手掛りを得ることを目的とし, MODAPTS評価法の評価項目の構造的な内容について検討した.上肢関節機能の分析は関節可動域(BOM)の分類に基づき行い, 手指機能は6種類の「つかみ」型を設定し分析した.被験者は右利きの健康な男子大学生40名および痙直型脳性麻痺者35名である.結果を要約すると以下のごとくである.(1)因子分析により5因子が抽出され, 今後の評価活用上新たな指標が得られた.(2)健常者にとって容易に遂行可能と思われる動作でも身障者にとっては困難を有する場合もあることが示唆された.

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エフォート・レイティングには「観測中の作業者のパフォーマンス(スピードまたはテンポ)を訓練された観測者がもっている基準のパフォーマンスとの比較を定量的に評価する」プロセスがある.よって, レイティング値には観測者がもっている基準のパフォーマンスに起因する誤差と両パフォマンスの比較をして「定量的に評価する」プロセスに起因する誤差とが入る.本報文では, これらの誤差を小さくするかまたは除く方法として, マイクロコンピュータとCRTディスプレイを用いてCRT画面上に基準のパフォーマンスと作業者のパフォーマンスを2直線の進行で表示するように観測者がマイクロコンピュータで制御するプログラムによるレイティング方法を提案する.この方法を用いると観測者は両パフォーマンスを直線の進行で観測でき, 「定量的に評価する」プロセスはマイクロコンピュータに置き換えられる.この方法を用いたときのモデルおよび実験による誤差について考察する.

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"システムの記述モラル" および生産システム, 対象作業システムの関連性を前提とし, "基本過程"と"基本サイクル"の二つの概念を用いて, システムの設計過程を提案する.研究方法としては, 論理学上の統整的方法に基づく論理分析を用い, 論拠に基づいて先駆的業績の諸方法のシステムの設計過程に関する提題の比較を行う.

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本研究では, 経路計画問題のなかで, 複数箇所に分散している品物をある指定場所に運搬する場合の巡回問題を取り扱い, 走行距離および納期遅れ費用を評価基準とした最適経路選定について述べるものである.まず, 実行可能経路を見つけるためにグラフ理論におけるカットセットの考え方を導入し, 初期解を設定する.次いで各階数ごとに品物が運搬される状態を把握し, 限界値を設ける.そして二つの評価基準を包含した最適な経路を見つけ出すアルゴリズムを提案し, 数値例によりその有効性を検討する.

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運搬システムの設計, あるいは運搬の改善を考えるさいに, 運搬設備の選定は重要な問題である.このさいに経済性の判定が根本的な条件となるが, 運搬設備の経済性は, 運搬設備と, その用法との組合せについて判定しなければならない.この経済性判定を行うため, 設備の維持・稼動費と運搬作業所要時間(同時に労務費)とを両軸にとった共線図表による方式を開発した.その図上に, 運搬作業の手順を逐次プロットすれば, 運搬費用が得られるものである.このためのデータを集積し, 作業方法による所要時間を得られる資料を作成した.また, この図法を使用する方法を示した.

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ハーズバーグのM-H理論において, 対人関係因子はH因子とされている.しかし, 日本人の労働者にとって, 対人関係因子はM因子的傾向を有している.日本人は労働者を動機づける要因は, たいへん複雑になている.日本人は, 職務に内在する因子と対人関係因子とによって動機づけられる.本研究は, ハーズバーグの最新(1976年)のデータと比較して, それらの対人関係因子について実証的に検討したものである.

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不確実な見通しのもとで意思決定を行う場合には, 倒産の危険を小さくすることと利益を大きくすることは両立しがたい関係があるといわれている.1回だけ仕入れと販売をする場合には, 仕入れ個数を少なくすることによって倒産確率を小さくすることは可能である.しかし, 繰り返して営業する場合には, 仕入れ量を小さくすれば期待利益も小さくなるのでいつまでも倒産の危険が大きい状態が続くことになり, 長期的に見るとかえって危険になることが考えられる.逆に仕入れ量をある範囲内で大きくすれば1回目の倒産確率は大きいが期待利益も大きくなるので, その第1回目に倒産しなければ次ぎに倒産する確率は小さくなる.本研究では, 不確実な需要の下で仕入れと販売を継続的に繰り返す場合に, 長期的に見て倒産のリスクを最小にする仕入れ・販売計画を検討する.

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