労働者, とくに産業労働者の安全と健康を守るために公布されている世界各国の労働安全衛生規則のうち, 日本と, つい先頃法制化されたアメリカの基準について概括的な比較, 検討を試みた.その結果, 多くの類似点が双方に見いだせる反面, 衛生規則の対象となる機器, 施設, 産業分野はアメリカのほうがはるかに広く, 多岐にわたっていること, また, アメリカの規則では人間工学およびその他の工学分野についても具体的な絵, 図, 表, 数式によりより具体的な規制をしていること, さらには多くの内容について歴史的, 文化的, 地理的, 社会的要因の差からくる違いが, 両国の衛生規則の相違となって現れていることが明らかになった.
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