本研究は工場出荷と在庫の期待過不足を基準にした地区倉庫間での転送を考慮し, 単一季節的商品, 単一工場, N地区倉庫, 複数計画期間から成る在庫輸送システムにおいて, モデル実験により総費用最小となる最適政策を求めたものである.その結果, 設定した需要パターンに対して以下の政策が総費用の減少, 販売損失の低減, 過剰在庫の削減をもたらし, 最も有効であることが判明した ; (1)マクロ予測 : 傾向予測分析法, (2)ミクロ予測 : 市場指数に基づく方法, (3)出荷 : DPによる本手法, (4)転送 : LP.

抄録全体を表示

本稿は, 温室を利用して生産する鉢花の生産計画を検討する.花の生産者は, 生産開始にあたり, 個別に生産上の諸条件を吟味した後, 主品目を中心に, 永続して生産する品目を決定する.現在, 温室内で栽培されている生産品目のなかから, 副品目として生産されているシャコ(葉)サボテンを選び, この鉢花の生産計画を検討する.この鉢花は1品目で, 数年間生産を継続することで, 複数の製品が生産できる.挿穂(原料)は, 出荷を翌年に持ち越した製品から自給する.この鉢花に関する資料を, この問題の定式化の前提として整理した後, 定常な状態のもとで, 年間の収入を最大にする定常な方策を価格比空間上に図示する.

抄録全体を表示

本論文では, 市場における消費者の品質向上期待について, その構造を明らかにすることを目的とする.このため耐久消費財3製品に対する調査を実施し, その結果製品にほぼ共通する市場の評価の観点としての八つの因子が得られ, 製品によって異なるのはそれらのウェイトであることを示した.さらにこれらの因子を用いることによって, 製品に対する品質向上期待と消費者属性, および企業が供給する製品品質との関係を明らかにすることができた.また調査に伴うデータの測定, 尺度化の問題についてもあわせて論じた.

抄録全体を表示

GERT(Graphical Evaluation and Review Technique)は, システムを視覚的に示すほか, 従来PERTやCPMでは取り扱えなかった確率的モデルや, とくにフィールドバックを含むモデルの解析に有効である.ところで, 近年新しい抜取検査方式として提案された2段チェイン抜取方式は, フィールドバックを含む確率的モデルとして定式化しうる.この点に着目し, 本研究はGERTを採用して, 2段チェイン抜取検査方式の統計的諸特性と, その経済性について考究したものである.さらに, GERTによる理論的解析がやっかいとなる複雑な方式に関しては, GERTシミュレーション手法により同様の検討を行なった.これらの結果, 抜取検査本来の目的である製品の品質保証を踏まえたうえで, 検査ならびに不良品による損失費用を最小にする経済的な2段チェイン抜取検査方式の設計に関する基礎的な指針を提供しえた.

抄録全体を表示

作業技能には作業速度と正確度など多くの習熟する因子が同時に並列的に存在する.本研究は作業は本来習熟する因子を多くもつ, すなわち多因子作業として把握し, ある因子の習熟は試行回数の増大とともに円滑に進展するが, 他の因子には試行の初期から中期にかけて, ときによって習熟度が低下する現象がみられることに注目して, 作業技能の習熟が進展する機構ならびに習熟因子の相互関係を考察し, 実験によって検証した.

抄録全体を表示

マンパワー・ポリシーを組織業績, 組織構成員の能力・意欲の側面から総合的に評価しようとするとき, 個人・集団・組織に関するさまざまな要素が関係してくる.本研究においては, これらの要素がそれぞれどのような意味をもつか, またどの程度のことがわかればよいかをシステムズ・アプローチの立場から検討するため, コンピュータ・シュミレーション・モデルによる感度分析を行なった.感度分析の方法としては主効果と交互作用効果を検出するため実験計画法を適用した.その結果, 主として組織の漠構造性向との関係において, ラーニング, 勤労意欲に関する価値志向, ポジションが要求する能力の評価, 個人の能力の評価, 仕事上での協力関係に関して, 測定上の指針が得られた.

抄録全体を表示

プロジェクト選択問題に対するヒューリスティックな解法として有効匂配法と空間法が知られている.本論文はそれらの考え方を複数の目標をもつ問題に拡張し, その前進法と後退法を提示したものである.いずれの解法も各プロジェクトの複数の目標達成量と複数の制約使用量をそれぞれ一元化し, その比をプロジェクトの効率指標として用いることにより採否の順序付けを行なうものである.解法の実用上の問題点を検討するとともに, 目標達成度の一元化の指標が決定者の効用関数の典型的なタイプにそれぞれ対応しているため, これらの方法が相互に補完的な関係を意図していることを指摘している.

抄録全体を表示

経営上の問題, とりわけプロジェクト選択形の問題では複数の目標をもったものと考えるのが実際的である.ここでは複数の目標指標のうえで評価される.複数のプロジェクト案を, 複数の使用資源制約の下で採択する問題をとりあげる.そして, 案の組合せ(解)に対する決定者の選好判断を逐次得ながら決定者の満足する解を探していく対話形式の解法を提示する.多目標の一元化にあたって, 加重和を用いるが, それに使う加重ベクトルの適用可能範囲(加重領域)を, 決定者の解がもたらす目標の達成置に対する選好判断により縮小していくものである.縮小にあたって選好法と選嫌法の2法を提示し, 若干の実験をもとに両法の特徴を比較し, 検討を加えている.

抄録全体を表示

前報では主として主軸回転法(PARM)の理論的側面について述べた.今回はPARMを在来法の一つであるCholeski分解法に対して, モンテカルロ・シミュレーションによって比較した.結論として前者は, 1,2,3および4次のモーメントで, いずれもわずかながら後者より優れていることがわかった.またこれらの関連して, この実験に用いたIBM370-138,およびSSPの中のGAUSSとJACOBIについて, いくつかの意見を述べる.

抄録全体を表示

設備投資計画や出店計画など, 投資案の選択にあたっては, たとえば長期の収益性と短期の収益性, さらには財務的流動的といったものを同時に目標として考慮するのが一般的である.しかも, こうした目標は, しばしば比率の形で設定されるものである.そこで, 比率目標を含む複数の目標のもとで, 投資案を選択するための解法を提示する.多目標の一元化には, 達成度の最も悪い目標の達成度をできるだけ高くするという意味でマックス・ミニ値を用い, 縦形探索の手順に案の実行可能性の検査, および以降の探索における達成度の改善の可能性の有無の検査を組み込むことにより陰的列挙の解法としたものである.数値計算例を示すとともに, 解法に対する検討と今後の課題を与えている.

抄録全体を表示